東福寺駅(とうふくじえき)は、京都府京都市東山区本町十二丁目にある、京阪電気鉄道および西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅である。駅番号は京阪電気鉄道がKH36、JR西日本がJR-D02。
概要
京都の玄関口である京都駅の南東部に位置する駅である。京阪電気鉄道の京阪本線と、JR西日本の奈良線が乗り入れている。
京阪の駅のみPiTaPa(スルッとKANSAI協議会)と「スルッとKANSAI」対応各種カード、両社の駅はICOCAの利用エリアに含まれている。またJR西日本の駅は特定都区市内制度における「京都市内」エリアに属している。
かつては、京阪駅への出入り口は東側の本町通側のみ、JR駅は橋上駅舎のため両線の乗り換えは跨線橋を渡らなくてはならなかった。2011年11月6日より、JR線下りと京阪線上りを平面(階段無し)でつなぐ連絡改札口(のりかえ口)が設置され供用を開始している[1]。連絡改札口の営業時間は7時から19時までで、これ以外の時間は改札口設置前と同様に跨線橋を渡って一度それぞれの改札を出なければならない[1]。なお、連絡改札口に駅出口はない[1]。
歴史
現在の奈良線京都駅 - 稲荷駅間は東海道線の一部として1879年(明治12年)に開業したが、当時は東福寺駅は設けられていなかった。1910年(明治43年)になって京阪電気鉄道が京阪本線の開業と同時に東福寺駅を設置するが、日本国有鉄道(国鉄)の東福寺駅が開業するのは47年後の1957年(昭和32年)になってからで、それも乗車券の販売などの駅業務は京阪に委託という形をとっていた。
その後、奈良線側の駅は国鉄分割民営化後の1993年(平成5年)12月に橋上駅舎化された時に人員を配置した[2]。これにより、それまで全面的に京阪に委託されていたJRの駅務が分離され(乗換改札口が橋上駅舎内に設置された)、京阪の上りホームと奈良線ホーム(現在の2番のりば)との間に壁が設置された。この当時はJRのホームと改札外とを出入りする場合には、この乗換改札口の他に、京阪のホームを経て京阪の改札口を通らなければならないという二度手間があった。これが解消されるのは2003年のことである。
年表
駅構造
京阪電気鉄道
相対式ホーム2面2線を持つ地上駅となっており、駅舎と改札口は下りホーム(東側)にある。上りホームにも改札口があり、JRの駅舎および外へ直接出られる通路に通じている。なお、互いのホームへは地下道で連絡している。したがって三条方面からJRに乗り換える場合、上りホームの改札口から出て、JR駅舎への階段を上る。有効長は7両編成までしかなく、両端が踏切に挟まれている為、このままでは8両編成分への延伸は不可である。各駅停車 (普通列車と、準急列車、守口市駅通過の通勤準急列車) しか停車しない。京阪本線で、有効長が8両編成分に満たしていないのは、東福寺駅と、鳥羽街道駅、墨染駅、伏見桃山駅、および淀屋橋駅2番のりばである。
バリアフリー設備は、京都第一赤十字病院の最寄り駅と言うことも有り車イス対応エレベーター・オストメイト対応の多目的トイレ・点字の運賃表・車イス対応の幅広自動改札機など完備されている。エレベーターは改札外にあり、JRのみ利用の場合もこのエレベーターを利用する。
のりば
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ホーム(2014年3月)
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連絡改札(京阪側から撮影)
JR西日本
相対式ホーム2面2線を持つ地上駅で、橋上駅舎を有している[15]。有効長は6両編成分である。分岐器や絶対信号機がない停留所に分類される。かつては単式ホーム1面1線(現在の2番線)のホームしかなかったが、黄檗駅と同様に改築された。
改札口は1箇所のみ。なお、紅葉シーズンの最混雑期の休日には、2番線ホームの奈良方端から踏切脇に直接下車出来る臨時改札が設けられる(簡易型自動改札機が設置、ICカードでの乗降可能)。それ以外は駅の西側からは直接出入りできず、踏切又は駅南側を跨ぐ九条通(京都府道143号四ノ宮四ツ塚線)の歩道を利用して京阪側の駅東側に行かなければならない。
宇治駅が管理し、JR西日本交通サービスが駅業務を受託している業務委託駅である。ICカード乗車券「ICOCA」が利用することができる(相互利用可能ICカードはICOCAの項を参照)。
のりば
利用状況
京都市統計書及び京都府統計書によると、1日平均乗降人員と1日平均乗車人員は以下の通りである。
年度
|
京阪電気鉄道 |
JR西日本
|
1日平均 乗降人員 |
1日平均 乗車人員 |
1日平均 乗車人員
|
2004年 |
- |
6,455 |
5,526
|
2005年 |
- |
6,592 |
5,805
|
2006年 |
- |
6,216 |
6,178
|
2007年 |
14,008 |
6,170 |
6,433
|
2008年 |
14,249 |
7,164 |
6,660
|
2009年 |
14,282 |
7,211 |
6,882
|
2010年 |
14,359 |
7,282 |
7,222
|
2011年 |
14,063 |
6,934 |
7,538
|
2012年 |
14,442 |
7,403 |
8,027
|
2013年 |
15,359 |
7,907 |
8,433
|
2014年 |
16,843 |
8,644 |
8,899
|
2015年 |
18,696 |
9,369 |
9,541
|
2016年 |
15,151 |
7,625 |
9,627
|
2017年 |
16,405 |
8,205 |
9,877
|
2018年 |
17,071 |
8,559 |
9,940
|
2019年 |
17,281 |
8,699 |
9,954
|
2020年 |
9,767 |
5,011 |
6,529
|
2021年 |
9,871 |
5,011 |
7,186
|
2022年 |
12,447 |
6,332 |
8,386
|
駅名となった東福寺は、秋の紅葉シーズンに観光に訪れる人が多く、駅構内が狭隘なため特に混雑する。この際、隣の京都駅や管理駅の宇治駅からJR西日本の正社員が派遣され、旅客誘導に努めている。
2006年の秋から、JR西日本と京阪が共同で、京都市東山区一帯の道路渋滞に巻き込まれない移動手段として「京都駅 → (奈良線) → 東福寺駅 → (京阪本線) → 七条駅・清水五条駅・祇園四条駅」という乗換ルートを観光客に案内している。京阪グループでもある京都タワーの外壁には、「祇園・清水へは京阪電車:JR東福寺駅と直結」と、乗換ルートの案内広告を掲示したり、ガイドマップを配布するなどしてPRに努めている。
2008年秋には、JR神戸線(立花駅 - 神戸駅間各駅)から東福寺駅まではJR線を利用し、その後は京阪線を利用して京都方面の紅葉観光をするというルートを想定した企画きっぷ(京都もみじきっぷ)が利用期間を限定して発売されるなど、京都観光促進のための連携強化を打ち出している[17]。なお、これに伴い、JR西日本は京阪の所有する敷地(約34平方メートル)を賃借してホームを拡幅している。
両社の連携強化によって当駅の利用客数は増加傾向にあり、特に行楽シーズンの増加が著しい。2008年11月23日には、京阪東福寺駅で過去最高となる4万8000人の利用を記録した。年間平均でも1日当たりの利用者数は10%以上増加している。また、JR東福寺駅の利用者数も増加しており、2019年度の乗車人員は、奈良線の途中駅で最も多い駅となった[18]。
駅周辺
駅前は小規模な商店等が立ち並ぶ佇まいである。駅改札は本町通 (京都市)に接し、少し南に歩けば九条通(京都府道143号四ノ宮四ツ塚線)となる。
京阪とJRで九条通を跨ぐ道は開かずの踏切になることを防ぐため、時間差及び安全地帯が設けられている。
バス路線
当駅にはバス路線は乗り入れていない。最寄バス停は、京都市バスの東福寺、東福寺道である。
- 東福寺
- 東福寺道バス停
隣の駅
- 京阪電気鉄道
- 京阪本線
- ■快速特急「洛楽」・□ライナー・■特急・■通勤快急・■快速急行・■急行
- 通過
- ■通勤準急(平日朝下りのみ運転)・■準急・■普通
- 鳥羽街道駅 (KH35) - 東福寺駅 (KH36) - 七条駅 (KH37)
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- 奈良線
- ■みやこ路快速・■快速・■区間快速
- 京都駅 (JR-D01) - 東福寺駅 (JR-D02) - 六地蔵駅 (JR-D06)
- 正月ダイヤ時などには、みやこ路快速と区間快速が稲荷駅に臨時停車する。
- ■普通
- 京都駅 (JR-D01) - 東福寺駅 (JR-D02) - 稲荷駅 (JR-D03)
脚注
参考文献
- 『街をつなぐ、心をむすぶ : 開業90周年記念』京阪電気鉄道、2000年10月。
- 京阪電気鉄道株式会社経営統括室経営政策担当 編『京阪百年のあゆみ』京阪電気鉄道、2011年3月24日。
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
東福寺駅に関連するカテゴリがあります。
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(淀屋橋 - 三条間:京阪本線、三条 - 出町柳間:鴨東線) |
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石清水八幡宮参道ケーブル | |
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*打消線は廃駅 |