トレード (Trade )は、エブロ・モーター・イベリカ (英語版 ) により1976年から1986年にかけて、日産・モーター・イベリカ により1986年から2001年にかけてスペイン にて生産された小型商用車 である。トレードは欧州 市場でのみ販売された。エブロ・Fシリーズ (英語版 ) の後継車であり、スペイン市場でのみ販売されたアルファロメオ・ロメオバン (英語版 ) のバッジエンジニアリング車 である。アヴィア (英語版 ) の親会社 であるAISA (英語版 ) により設計され、当初はエブロとアヴィアの両ブランドにて販売された。アヴィアは1977年にエブロに買収され、日産自動車は1979年にエブロの株式を取得した。日産自動車は1982年にエブロの株式の半数以上を取得し、アヴィアブランドを廃止した。これにより、エブロ・Fシリーズは1985年に英国 市場にて日産エブロ・トレードとして発売された(エブロのエンブレム付)。1986年にビッグマイナーチェンジ を実施し、エブロのエンブレム等は廃止され、単に日産・トレードとして販売された。
エブロ/アヴィア
デザインは、当初正方形 で四角形 を基調とするシンプルな物であった。エンジン はパーキンス製ディーゼル で、モーター・イベリカ(エブロ)によりスペインにてライセンス生産 された。バン の設計を担当したアヴィアビークルは、自社工場にてアヴィア・1000/1250/2000(由来は最大積載量 )として生産した。エブロではエブロ・F260/F275/F350と呼称された。初期設計では、ドライブトレイン とエンジンオプションが異なるものの、エブロ・F108と同一のシャシ をベースとした。相違点はエンブレムとグリルインサートのみであった。
ヘビーデューティ仕様には後輪駆動 、ライトデューティ仕様には前輪駆動 が採用された[ 1] 。ライトデューティ仕様には47ps(35kW)を発揮する1.8Lパーキンス・4.108型が、ヘビーデューティ仕様てエブロ・F350とアヴィア・2000には65.5ps(48kW)を発揮する2.7Lパーキンス・4.165型が搭載された。
1984年 に「JX」アップデートプログラムの完了に伴い、ヘッドランプ を角形2灯式へ変更し、ブラックプラスチックを備えたマイナーチェンジモデル が発表された。日産自動車製エンジンも搭載され、従来のパーキンス製エンジンに代替する58ps(43kW)を発揮する2.0L LD20II型、またはパーキンス・4.165型の日産自動車による派生型が搭載された[ 2] 。この派生型はA428型と呼称され、排気量 は2.8L(2,820cc)に拡大され、ヘッドが改良された(スワールチャンバー設計である事に変わりはないが、日産製スロートが採用され、出力は68ps(50kW)に向上した)。2.0Lガソリン車 [要曖昧さ回避 ] も一部の欧州市場で販売された[ 3] 。また、英国市場向けの右ハンドル車の開発された。英国市場では当初、エンジンはLD20II型のみの設定であった。一部ではパワー不足との評価も見られたが、車両総重量 を1,525kg(3,362ポンド)の基準値以下に抑える必要があったため、2.8Lディーゼルは搭載不可であった。英国市場では日産自動車によりエブロ・トレードとして販売され、内外装にもエブロのエンブレム等が装着された。日産自動車の名前は広告 にのみ使用され、報道 においてもしばしば使用された。
日産・トレード(PF型)
1986年 にJXトレードのデザインは再度一新された。コードネーム はPFであり、エンジンはLD20II E型とA428II型を搭載し、より快適性を追求したインテリア 、幾何学 的なエクステリア とラップアラウンド・ターン・シグナルを採用するなどの変更が加えられた。エブロの名称は、アンドラ 市場などの一部市場ではそのまま使用されたが、ほとんどの市場では廃止となった[ 2] 。ボディはバンとキャブ付シャシ (英語版 ) の両方が用意されたが、主にバンはスペイン市場で販売され、キャブ付シャシは輸出された。また、装備を簡素化し、スライドドア ではなくスイングリーフサイドドアを採用したトレードバンも用意された。また、全面ガラス張りを採用した9人乗りのトレードコンビや、ハイルーフのトレードラルゴも用意された。
1989年 12月 に再度マイナーチェンジを実施し、キャラクターラインが変更され、フロントに設置される日産自動車のエンブレムが中央から右側へ移設された[ 2] 。
1991年 にポダデラ・デザイン (スペイン語版 ) のスペイン人 工業デザイナー 、フランシスコ・ポダデラ により、TCと呼称されるマイナーチェンジが実施された。ターンシグナル 組み込み式大型クリアラップアラウンド・ヘッドランプ を採用したオーソドックスなフロント・トリートメントと、モダンなインテリアを採用した[ 2] 。しかし、そのデザインと装備(1990年代 はエアバッグ とABS は非装備)により、輸出先である欧州市場では好調な販売は見込めなかった。また、パワーステアリング はオプションとして用意された。
1993年 に86馬力を発揮する2.8L RD28型ターボディーゼル 搭載車がオプション設定された。同時期、日産自動車はルノー との合弁事業 に参入し、トレードの後継車としてルノー・マスター のOEM車 である日産・インタースター の生産を開始したが、一部市場ではトレードも人気が高かったため、トレードも2001年まで並行生産された。
車名の由来
トレードは交換や売買、つまり「貿易 」を意味する。
脚注
^ Navarro Fortuño, Javier (2017) (スペイン語). Nuestros automóviles clásicos en imágenes (1950-1990) . Temporae. p. [要ページ番号 ] . ISBN 978-84-15801-43-6
^ a b c d “Historia de la Nissan Trade ” (PDF) (スペイン語). IX Foro-Exposición "El Vehículo Histórico: una oportunidad de futuro". p. [要ページ番号 ] . 2024年4月17日時点のオリジナルよりアーカイブ 。2024年8月18日 閲覧。
^ Millar, Alan (ed.). "Ebro Trade in next month" . Commercial Motor (英語版 ) (英語) (3rd August 1985): 22. 2024年5月2日時点のオリジナルよりアーカイブ 。2024年8月18日閲覧 。
外部リンク
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