『ブレンド・S』(BLEND・S)は、中山幸による日本の4コマ漫画作品。『まんがタイムきららキャラット』(芳文社)にて2013年10月号および11月号にゲスト連載され[1]、その後同誌にて2014年3月号から本連載を開始し、2022年6月号をもって完結した[2]。2017年にはテレビアニメ化された。
従業員が各々の「属性」を演じて接客をする喫茶店(コンセプトカフェ[注 1])「スティーレ」[3]を舞台とする4コマ漫画である。
主人公・桜ノ宮苺香は海外留学の資金を貯めるためにアルバイトを探していたが、ことごとく面接で不採用となっていた。生まれつき自分の目つきが悪いためだと考えて悩んでいたところ、ふとしたきっかけで喫茶店を経営するディーノと出会って惚れ込まれ、スカウトされて彼の経営する喫茶店で働くことになる。実は、そこはウェイトレスがそれぞれに与えられた「属性」になりきって接客する喫茶店(コンセプトカフェ)であり、苺香はディーノに「ドS」キャラを演じることをリクエストされる。最初こそドSを演じることに抵抗を感じた苺香だったが、ほどなく天然のドS接客をこなすようになり、他の店員たちとアルバイトを続けていくようすがコメディで描かれている。
作中ではディーノに惚れ込まれてスティーレで働くようになった苺香だが、次第に苺香自身もディーノに対する恋心を意識していく。そして、なかなか進まないふたりの関係を他の店員達が、生暖かく見守るようになる。他にも、同じ喫茶店でアルバイトをする日向夏帆と秋月紅葉の関係など、ラブコメ描写も現れるようになる。
何度か自分の想いを伝えようとするディーノだが、タイミングが悪かったり苺香が鈍感だったりするせいでなかなか通じない。そんな中にイタリアから、ディーノの実母のソフィアがやってきて、実家のカフェを継げとディーノに言ってくる。その時にディーノと苺香が相思相愛だと気づいたソフィアは、ふたりで結婚して実家のカフェを継げばいいと言い出す。 ソフィアは日本語を話せないため彼女の発言の意味は苺香によく伝わらなかったが、ソフィアの帰国後、苺香はディーノの気持ちを確認し、応じて二人は恋人となる。やがてソフィアがヘルニアを患っていたことを知ったディーノは、現在の苺香や夏帆といった店員がいずれ店を辞めた場合、今以上の人材を揃えられるとは思えないということもあり、いずれスティーレを閉めて帰国するつもりであると店員達に告げる。また海外留学を望んでいる苺香に、イタリアで自分と共に暮らすことを提案する。
4年後、夏帆たちスティーレの元店員が久し振りに集まり、イタリアの苺香から届いた手紙を見る。手紙と一緒に入っていた写真には、ディーノの実家のカフェを切り盛りする、ディーノと苺香の姿が写っていた。
2016年12月28日発売の『まんがタイムきららキャラット』2017年2月号にてテレビアニメ化が発表され[83]、2017年10月から同年12月までTOKYO MX・カンテレ・BS11ほかにて放送された[37][82]。監督の益山亮司は今作が監督デビュー作となる[82]。
各話のサブタイトル部分は出演声優の直筆によるものである。また、本編終了後に表示されるイタリア語の短文「Saremo lieti di rivedervi presto」は、日本語で「もうすぐ貴方に会うことを楽しみにしています」を意味する。
第3話では声優の久保ユリカをモデルとしたショップ店員を登場させており、声を久保が演じているうえ、ネームプレートにも「久保」の記名がある。また、同話のアイキャッチには『きんいろモザイク Pretty Days』の大宮忍と、本作と原作掲載誌が同じである『NEW GAME!!』の滝本ひふみが登場しており、各作品の作画スタッフである植田和幸と岡勇一が今回だけのためにアイキャッチの作画を担当したうえ、エンディングには各作品の製作委員会がクレジットされている。
2018年9月から同年10月にかけて『マチ★アソビ vol.21』にて開催された「ニュータイプアニメアワード2017-2018」で、本作はキャラクターデザイン賞の第10位に『ウマ娘 プリティーダービー』と並んでランクインした[84]。
使用楽曲はすべてこだまさおりが作詞を担当している[85][86][87]。
上記の2作品は、カカクコムが運営する情報&コミュニティサイト「アキバ総研」にて行われた2017年の主題歌人気投票において上位に位置している[97][98][99]。「ぼなぺてぃーと♡S」は2017年秋放映アニメ作品のオープニングテーマ部門において3位[97]、2017年の年間を通した主題歌部門において2位をそれぞれ獲得している[98]。一方、「デタラメなマイナスとプラスにおけるブレンド考」も2017年秋放映アニメ作品のエンディングテーマ部門において7位を獲得した[99]。支持率と獲得票数の詳細については右表を参照。
また、劇中挿入歌としてキャラクターソングが使用されており、Motokiyoが作曲・編曲を担当し、日向夏帆役の鬼頭明里による「インスタントマーメイド」が[86]第6話に[100]、千葉"naotyu-"直樹が作曲・編曲を担当し、神崎ひでり役の徳井青空による「明日も世界の真ん中で♡」が[87]第12話においてそれぞれ用いられた[101]。
2017年8月1日より動画番組『TVアニメ「ブレンド・S」スティーレ ニコ生支店 営業中!』がニコニコ生放送にて配信されている[105]。
2017年10月2日から2018年4月2日までWebラジオ『ブレンドS・ラジオ「スティーレスタイル!」』が音泉にて配信された[106]。第1回から第13回まで毎週月曜更新、第14回から第20回(最終回)まで隔週月曜更新。パーソナリティは桜ノ宮苺香役の和氣あず未、日向夏帆役の鬼頭明里、星川麻冬役の春野杏。また、同日10月2日から2018年1月29日までWebラジオ『ブレンドS・ラジオ「スティーレ閉店中!!」』が音泉にて月1回で配信された[107]。パーソナリティはディーノ役の前野智昭と秋月紅葉役の鈴木達央。
Lokasi Pengunjung: 3.144.255.174