パリ=シャルル・ド・ゴール空港 (パリ=シャルル・ド・ゴールくうこう、フランス語 : Aéroport de Paris-Charles-de-Gaulle )は、フランス の首都パリ の国際空港 である。フランス の軍人 ・大統領 のシャルル・ド・ゴール にちなんで名付けられた。パリ=オルリー空港 と並ぶ、パリの空の玄関口のひとつ。フランス最大の空港である。シャルル・ド・ゴール国際空港 (シャルル・ド・ゴールこくさいくうこう)とも呼ばれる。
概要
ロワシー=シャルル・ド・ゴール空港(Aéroport Roissy-Charles-de-Gaulle )は、パリ 市街の北北東約23 km のロワシー=アン=フランス (Roissy-en-France)に位置する。通称では地名を取って「ロワシー」と呼ばれることもあるが、IATA空港コード の「CDG(シャルル・ド・ゴールの頭文字)」もよく使われる。なお空港名は、第二次世界大戦 時のフランスの英雄であり、空港建設開始時の同国大統領でもあったシャルル・ド・ゴール にちなんで命名された。
3257haの広大な敷地をもち、ヨーロッパのみならず、世界の重要な航空交通拠点のひとつである。航空貨物の輸送量はヨーロッパ最大である。
歴史
1960年代 の時点で、パリにはル・ブルジェ空港 、オルリー空港 の二つの空港があったが、この2空港ではボーイング707 やシュド・カラベル などの大型ジェット機の就航以降、急激に拡大する航空交通をさばききれないとの見込みから、1962年 より、より大規模な空港建設計画が進められた。ロワシー・アン・フランスに敷地を確保し、1964年 より建設 が始まり1974年 に開港した。
現在、ル・ブルジェ空港はチャーター便、プライベート便の発着やパリ航空ショー の会場として、シャルル・ド・ゴール空港は大部分の主要旅客・貨物路線の発着、オルリー空港はフランス・ヨーロッパ域内および旧フランス領土への旅客・貨物路線の発着が主である。
利用実績
2019年の旅客数は7615万人でヨーロッパの空港ではロンドン・ヒースロー空港 (8080万人)に次いで2位だった。
旅客の多い行き先は、国内線はニース 、トゥールーズ 、マルセイユ 、国際線はアムステルダム 、ドバイ 、ロンドン が上位に位置している。
貨物輸送は210万トンでヨーロッパ1位だった。
元のウィキデータクエリ を参照してください.
施設
空港地図
CDGVAL
「Aérogare 1 (CDG1/第1ターミナル)」、「Aérogare 2 (CDG2/第2ターミナル)」、「Aérogare 3 (CDG3/第3ターミナル)」の三つのターミナルビル が離れて設置されており、設計は1974年 の開港当初より、建築家 のポール・アンドリュー (Paul Andreu ) が担当。第1ターミナルのアバンギャルド な円形建築の設計などが画期的であった。その後、第2ターミナルもアンドリューが設計を担当し、現在に至る。
各ターミナル間は「CDGVAL 」というシャトルシステムが運行している。第2ターミナルEのサテライト K, L, M 間はCDGVAL LISA が運行している。
鉄道駅もターミナル内にあり、パリ市内と結ばれている他、パリ以外のフランスの各都市やベルギー 、オランダ 、ドイツ の各都市を結ぶTGV 、タリス やユーロスター も停車する。
Aérogare 1
Aérogare 1 (第1ターミナル)は円筒形のメインターミナルと、地下道で結ばれたサテライトからなる特徴のある構造を持つ、開港時から使用されている最も古いターミナルである。1970年代の供用開始から50年近くが経過し老朽化が進み、構造上PBB 設置本数が少なかったり、サテライト間の航空誘導路幅が狭く、一方通行航空誘導路多く、大量輸送に追い付いていない施設も多く、近年は拡張を含む改修工事などが行なわれている。主に国際線で使用され、特にスカイチーム 以外の航空会社 やスターアライアンス 加盟航空会社、アジア やアフリカ 諸国の航空会社が利用する。
RER -B線のロワシー・アエロポールC.D.G1駅のあるロワシーポール(Roissypole )や第2ターミナルとは「CDGVAL 」というシャトルシステムで結ばれている。
通常のターミナルビルは上階が出発、下階が到着だが、この第1ターミナルは逆で、出発が1階、到着が3階である。
Aérogare 2
第2ターミナル(2Bと2D)
Aérogare 2 (第2ターミナル)は、ヨーロッパ 圏内路線などを中心にする2A、2B、2C、2D、2Gターミナルと、長距離路線の発着を主とする2E、2Fターミナルからなる最大のターミナル群である。2E (サテライト K, L, M)は国際線で利用される。
エールフランス が加盟するスカイチーム の航空会社や、エールフランスとコードシェア 運航を行うヨーロッパやアジア 、アメリカ の航空会社 が中心で、日本航空 はスカイチーム以外の航空会社(ワンワールド 加盟)として初めてターミナル(2E)を利用している。
ターミナルビルにはRER-B線のロワシー・アエロポールC.D.G2駅のほか、TGVの南東線 と北線 とを接続する東連絡線 上にあるシャルル・ド・ゴール空港TGV駅 が直結していて、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツの各都市(パリ 以外)を結ぶTGV やユーロスター も1日に各数往復ずつ停車する(タリス はTGVに置き換えられた)。
なお、2Eターミナルは、2004年 5月23日 午前7時に起きた死者4名負傷者3名の屋根崩落事故[ 1] により、一時閉鎖後、2005年 から一部プレハブづくりの建物で再供用されていた。
Aérogare 3
Aérogare 3 (第3ターミナル)は、元来は大規模なハンガーとして計画された建物を改装したもので、ロワシーポール (Roissypole ) に近接している。T0(ターミナル・ゼロ)と呼ばれる計画だったが、新ターミナルという意味でT9(フランス語の neuf には「9」と「新しい」という二つの意味がある)として供用を開始し、後に現在の名称に変わった。格安航空会社 やチャーターなど不定期便の発着が中心である。
ホテル
ヨーロッパ圏内の主要空港として、大陸間飛行の乗り継ぎ地点として利用されることも多い為、空港内にあるシェラトンを始め、空港周辺には高級ホテルから格安のモーテル まで数十の宿泊施設が存在する。なお、これらのホテルと各ターミナルの間には、10–20分間隔でホテルが運行するシャトルバス が運行されている。
主な周辺ホテル
拠点・焦点都市としている航空会社
拠点空港
焦点都市
就航路線
Aérogare 1 (CDG1)
第1ターミナル俯瞰
Aérogare 2 (CDG2)
ターミナルA(CDG2A)
ターミナルB(CDG2B)
ターミナルC(CDG2C)
ターミナルD(CDG2D)
ターミナルE(CDG2E)
ターミナルF(CDG2F)
注意:Terminal 2Fは、シェンゲン協定 加盟国間を移動する便と、一般的な国際便とで東西二つのウイングに分かれている。前者は西、後者は東に位置する。これらはターミナル名は同じであるが双方のウイングの間にパスポートコントロールがあるという構造になっている。このため双方をまたいで移動するような利用の際には移動時間などに注意を要する。
ターミナルG(CDG2G)
Aérogare 3 (旧 T9)(CDG3)
貨物便
過去に就航していた航空会社
など
就航都市一覧
ヨーロッパ
アフリカ
北アフリカ
西アフリカ
中部アフリカ
東アフリカ
南部アフリカ
アジア
東アジア
東南アジア
南アジア
中央アジア
西アジア
南北アメリカ
オセアニア
コンコルド
シャルル・ド・ゴール空港に現在も展示されているコンコルド
ド・ゴール空港をハブとするエールフランスは、かつてフランスとイギリス が共同開発した超音速旅客機 、コンコルド を運航していた。しかし、2000年に墜落事故 が起きたことや、様々な未解決問題を抱えていたことなどから2003年には退役してしまった。ただし、コンコルドの機体は現在も、ド・ゴール空港に展示されている。型番は「F-BVFF」であるが、日本には1990年9月の「'90長崎旅博覧会 」のイベントとして、長崎空港 に飛来している。
空港へのアクセス
パリ市内
ロワシー・アエロポールC.D.G2駅
シャルル・ド・ゴール空港TGV駅
鉄道
Aérogare 2 (CDG2/第2ターミナル)にはRER B線 の「ロワシー・アエロポールC.D.G2駅」があり、パリ北駅 などのパリ市内の駅との間を25-30分程度で結んでいる。なお今後、パリ東駅 までノンストップで運転するCDGエクスプレス の新設を予定。
バス
タクシー
タクシー でパリ市内へ行くことも可能である。ワゴン やミニバン のタクシーも用意されている。
レンタカー
Aérogare 1の到着階、Aérogare 2のターミナルAとCの間の地下1階、ターミナルEの出口2とターミナルFの出口2の間、合計3ヶ所に以下の6社のカウンターがある。
エイビス・レンタカー
営業時間(各ターミナル):毎日6:00 - 24:00
バジェット・レンタカー
営業時間(Aérogare 1):毎日7:30 - 20:30
営業時間(ターミナルAC、ターミナルEF):平日6:00 - 22:30、土曜7:00 - 18:00、日曜・休日7:00 - 19:00
Enterprise
営業時間(Aérogare 1、ターミナルAC):毎日6:00 - 24:00
営業時間(ターミナルEF):始発便 - 最終便
ヨーロッパカー
Hertz
Sixt
上記のほかに以下の各社もカウンターを設けている。
Firefly
カウンター:Aérogare1到着階出口30
営業時間:毎日8:00 - 24:00
TT Car Transit
オルリー空港との接続
RERを経由して「オルリーバス」かオルリーヴァル を使う方法がある。
フランス国内及び隣接国
脚注
^ 原因については同年事故調査委員会の初期報告書で設計ミスの可能性が指摘されたが、その後も調査中としつつ結論は提出されていない。設計者が同空港公団副総裁を務めた事から、ミスの隠蔽を指摘する声もある。
^ RATP が運行。乗車券は地下鉄駅でも購入可能。
^ “Restructuration du réseau de bus parisien - Bus | RATP ”. www.ratp.fr . 2019年8月23日 閲覧。
^ 以前はエールフランス が運行し、「エールフランスバス」と呼ばれていた。
関連項目
外部リンク
Aéroports de Paris - 当空港が所属しているADPグループ公式サイト(日本語) (フランス語) (英語) ※サイト上部に英・仏以外の日本語を含む言語アイコン(国旗)も見えるが、上記空港運営団体公式サイトとしては英・仏2か国語のみの対応となっている
パリ空港 - 当空港およびオルリー空港 の公式サイト《空港発着案内等掲載》(フランス語) (英語)
日本語解説サイト
空港情報 (ICAO:LFPG · IATA:CDG)
空港概要 気象情報 その他