『バイオハザード』(BIOHAZARD、英語圏の洋題: Resident Evil)シリーズは、カプコンによる日本のコンピュータゲームシリーズ。主なジャンルは「サバイバルホラー」で、派生作品によっては「サバイバルガンシューティング」、「サバイバルアクション」、「サバイバルシューター」などと銘打たれたものも含まれている。
バイオハザードシリーズのモデルとなった作品は黒沢清監督が制作、東宝が配給した日本映画の『スウィートホーム』をカプコンがゲーム化し、1989年12月に発売されたファミコン専用の『スウィートホーム』である[1]。洋館から脱出するというストーリー展開はこの作品から考え出された。
1996年にPlayStationで発売された後にシリーズ化され、携帯アプリも含めて様々なハードで商品展開されている人気タイトル。移植作品を含めた2024年3月31日時点でのタイトル数は174作品にもおよび、全世界でシリーズ累計1億5,700万本以上を売り上げている[2][3]。この実績は同社の代表作である『ストリートファイター』シリーズ、『モンスターハンター』シリーズ、『ロックマン』シリーズ、『デビルメイクライ』シリーズをも上回る。
本作以前にも「ホラーゲーム」と呼ばれる作品は発売されていたが、本作のヒットにより一ジャンルとして確立されて広く一般へ浸透した。同社では本作のヒットをきっかけに基本システムを流用した他のシリーズ作品として『ディノクライシス』シリーズ、『鬼武者』シリーズ、『デビルメイクライ』シリーズなどの作品群も発売している。
数あるアクションゲームの中でも肉体損壊および流血描写の過激さや登場するモンスター達のグロテスクさは群を抜いており、ソフトのパッケージには「このゲームには暴力シーンやグロテスクな表現が含まれています。」といった主旨の注意書きが印字されている[注 1][注 2]。
商品展開としてドラマCD化・小説化・漫画化などが行なわれており、登場人物や世界観をゲームと同一としたフルCGアニメ映画も製作されている。また、ゲーム上の設定を一部取り入れた実写映画が公開されており、こちらもシリーズ化されている。
ジャンルとしては『1』から『0』までのシリーズは探索を重視したホラーであり、『4』[4]から『6』以降はホラーに加えてアクション要素が強くなっているが、『7』以降からはホラー要素を重点に置いている。
表記は基本的に大文字で『BIOHAZARD』(『2』-『3』、『5』-『ヴィレッジ』など)であるが、作品によっては『BIO HAZARD』(『1』)、『biohazard』(『0』、『4』など)、『Biohazard』(『アンブレラクロニクルズ』)などと表記が異なるものもある。
映画のワンシーンのような固定式カメラでの第三者視点からキャラクターを操作する、いわゆるラジコン操作であったため、初期はユーザーから戸惑いの声も多かったが、シリーズ作品や同システムの他作品の定着につれ、薄れていった。『1』-『3』、『CV』、『0』までは上記の操作方法に加え、ホラー要素とアドベンチャー要素が強かった。
しかし、フルモデルチェンジが敢行された『バイオハザード4』以降から、操作キャラクターを後方視点から追う、ビハインドカメラ方式と操作入力がエイミング操作のTPSシステムとなっている。ラジコン操作では方向転換の入力をしなければ前後にしか移動できなかったが、こちらの操作法では倒した方向に瞬時に移動できるようになり、さらに表示されたアクションボタンの操作により、置かれているオブジェクトの調査やアイテムの取得、扉などの開閉の動作が可能になったり、銃を構えた際にラジコン操作では、単純に敵に向けて銃撃するだけであったが、頭部や脚、弱点などより細かな部位に直接的に狙いを付けられるようになったり、体術が使えるようになったりするなど、アクション要素が強い様式に変わっており、こちらの方式はシリーズが進むにつれて新たなシステムやアクション、細やかな演出が取り入れられながら『6』『RV2』まで継承されている。
『7』、『ヴィレッジ』では一人称視点(FPS)でのカメラ方式となっている。なお、『2』のリメイクである『RE:2』と、『3』のリメイクにあたる『RE:3』では、再び『4』や『5』のようなTPS方式が取り入れられており、作品によっては操作方式が変更されることもある。また、フルモデルチェンジされる以前に発売されたPSPで『バイオハザード ポータブル(仮称)』が発売される予定であった[5]が打ち切りになった[注 3]。
日本国外における多くの国では『RESIDENT EVIL(レジデント イービル)』という意味のタイトルになっている。これはすでに、『BIOHAZARD』という名称が日本国外において商標登録されていた理由による。
中国語版では、香港と中国大陸の場合は『バイオハザード』を中訳した『生化危機』、台湾(中華民国)では『Resident Evil』を中訳した『悪霊古堡』となっている。
『7』のタイトルにおいて日本版では『バイオハザード7 レジデント イービル』であるが、海外版は『レジデント イービル7 バイオハザード』とメインタイトルとサブタイトルが反対になっている[12]。
『3』においては、サブタイトルが日本版においては『バイオハザード3 ラストエスケープ』であるが、海外版は『レジデント イービル3 ネメシス』と意味合いが異なっている。なお、リメイク版においてはサブタイトルが廃止された[13]。ネメシスとはゲーム内のボスである。
日本国外(特に北米)では難易度の高いゲームが好まれるため、内容面においては、下記のような変更が行われている。
その他、各海外版について。
【各ハード略字】※発売日は国内版のもの。
PS=PlayStation、PS2=PlayStation 2、PS3=PlayStation 3、PS4=PlayStation 4、PS5=PlayStation 5、PSP=PlayStation Portable、PS Vita=PlayStation Vita、GA=ゲームアーカイブス、SS=セガサターン、DC=ドリームキャスト、N64=NINTENDO64、GC=ニンテンドーゲームキューブ、Wii=Wii、Wii U=Wii U、GBC=ゲームボーイカラー、DS=ニンテンドーDS、3DS=ニンテンドー3DS、Switch=Nintendo Switch、X360=Xbox 360、XOne=Xbox One、XSX/S=Xbox Series X/S、PC=パソコン、doc=iアプリ、au=EZアプリ、SB=Vアプリ(または現在のS!アプリ)、iOS=iOS (アップル)(iPhone、iPod touch、iPad)、AC=アーケード
また、バージョン別タイトル欄に記載されていないが、コレクターズ版や廉価版が存在するタイトルもある。
注:『ガンサバイバー3』は、異なるゲーム『ディノクライシス』シリーズを題材にしており、バイオハザードシリーズには含まれない。
(作品内の日付)
バイオハザード アウトブレイク
バイオハザード5 Alternative Edition"DESPERATE ESCAPE"
バイオハザード ヘヴンリーアイランド
『ヘヴンリーアイランド』は漫画作品
"MAIDEN"
※CG映画版、漫画版などの他メディア派生作品群も同一世界の物語として描かれている。
『1』から『3』までや『0』などの初期作品では、ウィルスやB.O.W.などの生物兵器の存在がアンブレラ社やアメリカ合衆国政府によって世間から隠蔽されているという現実的な描写がなされており、「流出した機密がもたらした災害に望まずして巻き込まれた人々の決死のサバイバル」という筋立てが主軸となっている。
『4』以降の作品では、アンブレラ社の崩壊により流出したB.O.W.やウィルス、それらに相当する生物を使ったテロが頻発するようになり、BSAAなどの国連機関やテラセイブなどの民間ボランティア組織がそれらの被害に対処しているなど、B.O.W.やウィルス兵器の存在が世界規模で一般人にも大々的に認知され、「人々が団結してバイオテロに立ち向かう」という独自の世界観に遷移している。
さらに、シリーズ中でたびたび発生するバイオハザードの元凶も『0』までは一貫してt-ウィルスであったが、『4』以降はプラーガやウロボロス、t-Abyss、C-ウィルスといった、t-ウィルスとはまったく別のウィルスや生物が元凶となることが多くなり、ゲームの主軸であるバイオハザード自体も人為的に引き起こされるバイオテロの一種として扱われることが定番となっている。
また、作中で起こるバイオハザードの規模も、『0』や『1』では、洋館や、研究所、養成所、などの閉鎖空間で発生するなど一部を除いて限定された場所で引き起こされていたが、『2』以降はその要因となるt-ウィルスが外部に漏洩し、都市全体でバイオハザードが発生するなど、開放的かつ大規模な範囲で引き起こされる流れに変化していった。その規模もシリーズを追う毎に大きくなっていき、『ダークサイド・クロニクルズ』で描かれた南米のとある地域で発生したバイオハザードや、『アンブレラ・クロニクルズ』で描かれたアンブレラが崩壊する経緯を経た『4』や『RV』以降では、元凶となるウィルスや生物の変化をさせながら、アメリカだけに留まらず、世界各地でバイオハザードが引き起こされるようになっていく。『6』においては、東欧を端緒とするバイオハザードが、アメリカ、中国でほぼ同時に起きるほどの規模の大きさを見せながら話が展開していたが、『7』『8』では再び限定された範囲でのバイオハザードが主流となっている。
いずれもアメリカ映画で、旧作は続編もののシリーズ作品。
Netflixオリジナルとして、各60分の全8話構成の実写テレビドラマシリーズが決定している[19]。製作は実写映画版を手がけたコンスタンティン・フィルムが引き続き担当するが、原作や過去の派生作品群とは異なる世界観や登場人物のもと、2つの時間軸で物語が描かれる[20][21]。
2015年10月22日から同年11月1日まで『BIOHAZARD THE STAGE』のタイトルで、EX THEATER ROPPONGIで上演された。脚本・演出はヨリコ・ジュン、主演は矢崎広[22]。
本作は『5』と『6』の間で、西暦2010年8月の話を描いたストーリーとなっている[23]。2016年2月にはDVDが公式サイト限定で発売された。
2016年9月30日から11月26日まで『ミュージカル バイオハザード 〜ヴォイス・オブ・ガイア〜』のタイトルで赤坂ACTシアターと梅田芸術劇場メインホールで上演。脚本・演出はG2、主演は柚希礼音[25]。この作品を収録したDVD版が発売されている[26]。
『BIOHAZARD THE Experience』(バイオハザード ジ エクスペリエンス)のタイトルで、2017年2月10日から26日にまで東京・Zeppブルーシアター六本木、3月4日から5日まで新神戸オリエンタル劇場で上演[28]。主演は横浜流星[29]、ヒロインは篠田麻里子が務める[30]。気配・音・風などを本当に感じる体感型ステージになる[31]。
※実写映画版のみ記載
バイオハザード: ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ(2022)
本項では、シリーズに頻出している敵クリーチャーを紹介している。記載されていないクリーチャーについては、各作品別の記事を参照。
本項では、2作品以上登場しているものについて紹介している。特に記述の無いものは、全作品に登場。
ゲーム中で入手できる書物。日記や手紙、手帳、報告書、メールなど、様々な書類の形式でマップに置かれている。
内容はマップの仕掛けや敵クリーチャーの情報、ストーリーの背景、書いたキャラクターの変化などが書かれており、ゲームを攻略する上で重要なヒントになる。
『1』で入手できる「飼育係の日誌」は、T-ウィルスに感染した人間がゾンビになり果てるまでの経過が巧みに表現されたもの。このファイルの最後に記された「かゆい、うま」という文章は、『ブレス オブ ファイア』シリーズなど同社作品でも小ネタとして用いられたほか、2009年にgooの「よく見かけるけど意味がわからないインターネット用語ランキング」で第1位となった[48]。また、他社作品にも影響を及ぼしており、スクウェア・エニックスのDSソフト『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト』ではこのネタを借用したとうかがえるシーンがある。
『3』では、特定の順番でファイルを入手するか全ファイルを入手した後、順番通りにファイルを見ていくと、最後のファイルが「ジルの日記」に変化する。
シリーズ初期において物語の中心となる、アメリカ中西部の架空の工業都市。
"Special Tactics And Rescue Service"の略。ラクーン市警察が保有する特殊部隊。各分野のエキスパートから構成されている。主人公のジル、クリスなどが所属していた。
"Raccoon Police Department"の略。ラクーン市警。ラクーンシティの警察機関で、街の規模に合わせて十分な数の警官を確保し、常時勤務させている。バイオハザード大発生時においては、宿直の警官から非番の警官まで総動員し、対応に追われていたが、署内に残っていた警官のほとんどは署長ブライアン・アイアンズの策略で脱出できず、無意味な死を遂げることとなる。
同市警察の特殊部隊『S.T.A.R.S.』は、『0』『1』のアークレイ山中事件にてメンバーの大半が殉職し、機能停止となってしまっていた。その代わりとして、急遽R.P.D.選抜警官隊が創設された。同部隊はS.T.A.R.S.に代わり、ラクーン市警のSWATとして機能するはずであった。そのため、S.T.A.R.S.ほどではないが隊員たちは厳しい選考課程を突破した、優秀なラクーン市警の選抜警官である。主な武装はベネリM3、H&K MP5A5。
災害が発生した当初は、署内で同部隊が大いに活躍すると期待されていたが、ゾンビの数は市警の予測を遥かに上回っていたため、出動後に間もなく壊滅する様子が『3』のオープニングにて描かれている。
国際規模で事業展開している1968年創設の巨大製薬企業。秘密裏に生体兵器の研究開発・販売を行なっていた。『赤と白の傘』の社章が特徴。ラクーンシティの事件後、主人公達の活躍とアメリカ合衆国連邦政府による業務停止命令によって株価が暴落し壊滅したが、2007年に会社更生法の適用により対バイオテロ専門の民間軍事会社として再建され、社章も『青と白の傘』に変更された[49]。
Bioterrorism Security Assessment Allianceの略。「アンブレラ社の瓦解によって拡散した生体兵器が世界中で悪用される」という事態に直面した製薬会社の組合「製薬企業連盟」が国際世論からの責任追及を危惧し、共同で資金を拠出して2003年から2004年にかけて結成されたバイオテロ対策部隊。
設立当初は民間の一団体に過ぎず、各国の警察や軍隊がバイオテロに関する事案を扱う際にオブザーバーとして関わる程度で、先に設立されていた同じく対バイオテロ組織「FBC」の補助的な存在でしかなかったが、2005年にクイーン・ゼノビア事件をきっかけとしてFBCが解散し大部分がBSAAに吸収されたことに加え、これまで以上にバイオテロの脅威が増していく中で補助的な役割ではすぐに限界が来ることは見えていた。そこで直接的にバイオテロに対処するための即応性のある実動部隊を編成することが求められ、一民間組織から国際連合管轄下の公的組織として再編されるに至った。場所や国を問わず迅速に活動できるように、バイオテロや関連する事件が起きた際は当事国がBSAAに対して無制限の活動権限を与えることを大半の国連加盟国(一部の国は条件付きではあるものの)が承認し、世界規模で迅速かつ大規模な活動が可能となった。
欧州に本部を構え、世界各地に支部(北米・南米・極東・中東・東部アフリカ・西部アフリカ・オセアニア)を持ち、バイオテロの情報収集・予防・制圧を行なっている。予想外の事態によって派遣部隊が危機的状況に陥ったり全滅したりしても、撤退を命令するのではなく増員を送るなど、隊員の人命よりも作戦の完遂を優先する傾向が強く、作中でもそのように描かれている。
BSAAの隊員には大きく分けて2種類存在している。
1つはSOU(Special Operations Unit)と呼ばれる特殊活動部隊であり、各国の軍隊・警察・特殊部隊・諜報機関などの経験者たちで構成される実戦部隊(アルファ・チーム、デルタ・チームなどの複数のチームが存在する)。一個チーム12名編成で構成され、B.O.Wや変異体などの駆除を任務としている。それゆえに殉職率の高い危険な仕事であり、遺体も原形を留めない場合が多い。『5』ではダン・デチャント、ジョッシュ・ストーンが、『6』ではエージェントから実働部隊に異動したクリス・レッドフィールド、『HI』では欧州本部に所属しているパーカー・ルチアーニが相当する。
もう1つはSOA(Special Operations Agent)と呼ばれる隊員であり、SOUのバックアップを行うほか、テロ組織やブラックマーケットおよびその売人の調査などの情報収集活動を行う、通称「エージェント」。先の実戦部隊とは違い、主に1-2名の極少数での捜査、諜報活動を任務とする。『5』では、クリスとシェバ・アローマが2人のみでブラヴォーチームとして活躍している。『マルハワデザイア』(以降『MD』)では、単独でメラ・ビジが活躍している。
エージェントには各種の技術や戦闘能力だけでなく、心理的適性も大きく考慮されて抜擢される。また、SOUと違って単独行動が多いために技量がSOUより高く見られることもあるが、前述通り心理的適性が大きく考慮される形が多いことから、実際の戦闘能力面はSOUの方が高いことも少なくない。また、極少数での活動ゆえ、多数の敵に襲撃されるとピンチに陥ることもしばしばある。『5』では、クリス、ジル・バレンタイン、シェバ、レイナード・フィッシャーなどが、『MD』ではメラが相当する。
さらに、特に優秀なエージェントはレベル10の行動権が認められており、支部を越えた捜査や作戦の参加などが認められるようにもなっている。作中では、クリスが該当する。
『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ』でクリスとジルが所属した対バイオハザード私設部隊が前身になっており、クリスやジルなどBSAAの創設メンバー11人は、「オリジナル・イレブン」と呼ばれる。国連の公的組織になった後も製薬企業連盟から批判逃れと宣伝目的で多額の出資を受けているため、製薬企業連盟が未だに大きな権限を持っている。
世界各地に展開する国際的な組織という側面から、隊員の装備品はS&W M29、コルト・パイソン、M1911、グロック17、ベレッタM92F、ベレッタM93R、ベネリM3、M4A1、SCAR、ACR、SG556、G36、レミントンM700、H&K PSG1、M24E1 ESRやRDI ストライカー12、M134、RPG-7など、様々な国で製造されたものとなっている。
機動戦力として、陸上ではハンヴィー、VAB装甲車(火力支援型)、イヴェコ LMV(『VD』ノベライズ版)、航空機はF-16、UH-1、UH-60、CH-47、V-22を保有している。他にも海上戦力がある。
さらに、『VILLAGE』ではクリスにすら知らせずに人型のB.O.W.を兵士として戦力に用いていたことが明らかとなっている。
クリス率いるBSAAの精鋭部隊。元々BSAA内の特殊部隊であったが、ハウンドウルフ隊を私的に利用した事や、BSAAのコンピューターに無許可でアクセスした事が発覚し、目を付けられたので隊員と共にBSAAを離反、以後はクリスの私兵として活動しているのか新生アンブレラの部隊として行動しているのかは不明。
プレイヤーの現在の体力や状態を表す。心電図のような形式で表示され(『4』以降のシリーズでは廃止されていたが、『7』から復活している。)、以下のパターンがある。『アウトブレイク』ではこれに加え、ウィルス感染度を示すウィルスゲージが表示される。詳しくは、バイオハザード アウトブレイクを参照。
『3』『4』『5』『6』『VILLAGE』に登場するミニゲーム。
シリーズ共通のやりこみ要素の一つとして、ナイフ以外の武器を使わずにクリアするナイフクリアが挙げられる。このナイフクリアは元々、開発陣の意図していないやりこみ要素の為、後述のHDリマスター版『1』でトロフィーが取れる以外、クリア特典などは特に設けられていない。
この方法を使うと敵撃破の難易度が上がるので、戦闘回避や、倒さねばならないボスをナイフだけで倒せるテクニックが必要になるが、初代の時点で「倒さねばならない敵をナイフだけで全滅させる」ことは不可能である[注 34]ため、実際は一部だけナイフ以外の攻撃を解禁して行う。
『バイオハザード HD リマスター』のトロフィー「ナイフで十分」では「モンスタープラントへの除草剤」、「ネプチューンへの通電」、「プラント42へのV-JOLT」、「スーパータイラントへのロケットランチャー」の場合と操作キャラ以外からの銃撃に限り、ナイフ以外で攻撃が認められている[注 35]。
PlayStation(PS)での初代『バイオハザード』発売以降、様々な機種に移植や関連シリーズの発売がなされてきたバイオハザードであるが、その度に製作者の口から出た発言が波乱を生み続けている。
まず一作目がPSで発売された時、「セガサターン(SS)はポリゴン処理能力が低く、移植が不可能」と発言されたが、結果的にPS版と比べクオリティは著しく劣るもののSSにも移植されている。続いて二作目はPS・SSの両機種で同時発売と謡っていたものの、当時のSSは既にドリームキャスト(DC)への移行が始まっていた。そのためSS版は発売中止とし、後にセガとのプロジェクト(開発協力)として『バイオハザード CODE:Veronica』を製作することになった。また『CODE:Veronica』の発売と同時期に『2』と『3』もPS版に新しい要素を加えてDCで発売された。
『CODE:Veronica』に関しては、当時ゲーム開発部門を統括していた岡本吉起が、発売当時の雑誌のインタビューで他機種に「移植はしない」と発言していた。しかし、セガの家庭用ゲーム機事業の撤退が決まった2001年春に、追加要素を加えた「完全版」がDCとPlayStation 2(PS2)の2機種で同時発売され、実質的にPS2への移植がなされた。DC版はPS2版に比べて定価が1000円安く、隠し要素の出現条件などの仕様が有利に設定されているなどの配慮があった。
これより少し前の話として、『バイオハザード0』は、発表当初はNINTENDO64(N64)でのリリースが予定されていた。これはN64末期に『2』の移植が発売された後に最新作(番外編)としてリリースされるはずであったが、N64からGCへの市場の移行が進められた事もありN64版の開発を中止、日本国内におけるGC用ソフトとして発表された最初のタイトルとなった。また、この時はGCへのシリーズ独占供給計画は発表されていない。
PS2が発売されてしばらくして、『バイオハザード4』は公式にPS2で開発されていることが公表された。そのうち、開発中止となったバージョンの一つが形を変えて、PS2ソフト『デビルメイクライ』として発売された[51]。しかし2001年9月13日、任天堂の新型ゲーム機のニンテンドーゲームキューブ(GC)発売前日にバイオハザードの生みの親である三上真司によって、GCだけに今後のバイオハザードシリーズの新作を独占供給していく事業計画が発表され、PS2向けの『4』は開発中止となった。三上は「ゲーム製作にストイックな任天堂に感銘を受け、決断した」と語っており、この席には任天堂の宮本茂まで招きその決意の強さを示した。しかし、この件で岡本はソニーの久夛良木健に呼び出しを受け、「バイオハザードは作ったのはカプコンだが育てたのはソニーだ」と叱られたという[52]。以降、GCへのバイオハザードのプラットフォーム化の一環として、初代『バイオハザード』が任天堂の技術協力の元、GCでリメイクされ、『2』『3』『CODE:Veronica(完全版)』も移植された。そして完全新作として、『0』『4』を発表した。
また、任天堂への供給を決定した背景として、当時開発チームを集めてアンケートを行った結果、個人的にPS2を所持している者の大多数がゲーム機としてよりDVD再生機として使っていた(ゲームソフトよりDVDを多く所有している)という事実により、PS2への見切りを付けたという裏話もある。
GCでの独占供給以降、売り上げ低下が懸案事項となった同シリーズであるが、三上は「他の機種でバイオハザードの新作が発売されたら腹切りますよ」と、当初の公約の継続を力強く宣言していた。「公約破棄」は移籍発表の時点から囁かれており、実際に『ガンサバイバー4』や『アウトブレイク』がPS2で出される度に公式発表で「正統シリーズはGC独占」と念を押していた(ただし、『アウトブレイク』は「ネットワーク版」としてGC移籍前から発表済み)。しかし、2003年頃からバブル期に行った不動産投資の失敗、大作ソフトが軒並み散々な結果に終わったことからカプコンの業績が悪化し、「GCでは独占するが、次世代機では分からない」といったような弱気な発言が見受けられるようになった。そして2004年の秋、表向きは「より多くの人にプレイする機会を供給したい」という理由ではあったが、GC版『4』が発売されるよりも前にPS2への移植が発表された。このことはGCというハード自体が末期であったことを考慮する必要がある。三上は北米におけるPS2版『4』発売後の2005年11月にカプコンを退社しており、結果的にではあるが宣言通り「腹切り」することになった。2007年4月6日発売の週刊ファミ通4/20号においてWii版『4』が発売されることが告知されたが、その誌面上で5年ぶりに三上が公式の場に現れ、GC版『4』とPS2版『4』を買ったユーザー双方に対し謝罪のコメントを述べた。
以降は、PlayStation 3(PS3)・Xbox 360の2機種向けに『バイオハザード5』、Wii向けに『クロニクルズシリーズ』やGC版の移植作品など、様々なハードにシリーズ作品が供給されるようになり、件の『4』も世代を跨いで多数のハードで発売された。
後年、岡本はGC独占供給と公約破棄など供給媒体の変遷は「カプコンが生き残る術だった」と語っている。当時、大手が次世代ハードを発売する中で、どのハードが勝つかを想定し、PS2、GC、Xboxでそれぞれ3:2:1の予想を立てた。それに基き、カプコンのヒットタイトルをそれぞれのハードに予想数の分だけ振り分けるとし、GCに振り分ける2本のうち1本に選ばれたのがバイオハザードであった。しかし独占供給の結果は想定していたような数字にはならなかったため、売れているハードで売り直すために任天堂に釈明し、公約破棄に至った[52]。
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