デイミアン・セイヤー・チャゼル [ 1] (Damien Sayre Chazelle , 1985年 1月19日 - )は、アメリカ合衆国 の映画監督 、映画プロデューサー 、脚本家 。
人物
2009年にミュージカル映画『Guy and Madeline on a Park Bench 』で映画監督、脚本家としてデビューした。2014年には、同名の短編映画に基づいて製作されたドラマ映画 『セッション 』で注目を集めた[ 2] 。
チャゼルは、2016年にライアン・ゴズリング 、エマ・ストーン が出演したミュージカル ・ロマンティック 映画『ラ・ラ・ランド 』において監督・脚本を務め、高い評価を得た。第89回アカデミー賞 では史上最多の14ノミネート(13部門)を受け、6部門を受賞した。チャゼル自身も史上最年少となる32歳で監督賞 を受賞した[ 3] 。このほかチャゼルはゴールデングローブ賞 監督賞 を含む多くの映画賞を受賞している。同作は第87回アカデミー賞 において作品賞 、脚色賞 を含む5部門にノミネートされ、3部門を受賞した。ゴズリングとは、ニール・アームストロング を描いた次作『ファースト・マン 』で再びコラボレーションした。
生い立ち
ロードアイランド州 プロビデンス に生まれた。父はフランス ・クラマール 出身の計算機科学者 でプリンストン大学 教授 のバーナード・チャゼル博士。母・セリアはカナダ人家庭出身で、ニュージャージー大学 (英語版 ) において中世史の教師を務めていた。ニュージャージー州 プリンストン において育つ。
幼いころから映画を作ることを夢見ていたが、後に、ミュージシャンになろうとして高校でジャズ・ドラムに打ち込んだ。この時に厳格な音楽教師の指導を受けたことがチャゼルの出世作となった『セッション 』を作る際に、大いに役立ったという[ 4] 。チャゼルは「『セッション』の主役アンディー・ネイマンとは違い、自分の才能では偉大なミュージシャンになることはできないと本能で理解した。」と語っている[ 4] 。プリンストン高校 卒業後、幼いころに夢見ていた映画製作の道を再び歩みだした[ 5] 。ハーバード大学 の視覚環境学部で映画製作を学び、2007年に卒業した。
ハーバード大学では以後映画でもコラボレーションすることとなるジャスティン・ハーウィッツ とキャリア・ハウス (英語版 ) においてルームメイトであり、バンドを組んでいた[ 6] 。また、在学中に出会ったジャスミン・マクグレイドと2010年に結婚したが2014年に離婚[ 7] [ 8] 。2017年10月には『ラ・ラ・ランド』に出演した女優のオリヴィア・ハミルトンとの婚約を発表し、2018年9月に結婚した[ 9] 。
キャリア
初期の作品
チャゼルはハーバード大学のクラスメートだったジャスティン・ハーウィッツ と共に卒業論文の一部として、ミュージカル映画『Guy and Madeline on a Park Bench 』を製作し、映画監督、脚本家としてデビューした[ 10] 。作品は2009年 にトライベッカ映画祭 などで上映された[ 11] 。
2013年 にはホラー映画 『ラスト・エクソシズム2 悪魔の寵愛 』の脚本をエド・ガス=ドネリー (英語版 ) と共に執筆した。また、同年公開のスリラー映画 『グランドピアノ 狙われた黒鍵 』の脚本家としてもクレジットされている。チャゼルは「この2本はいわゆる『雇われ脚本家』として仕事をした。自分が一から書き上げた脚本で映画を作ってみたいと思いながら仕事をした。」と述べている。このほか、J・J・エイブラムス が所有するバッド・ロボット・プロダクションズ に雇われ、『10 クローバーフィールド・レーン 』の脚本のリライトにも携わった[ 12] 。
ブレイクスルーと成功
第40回ドーヴィル映画祭 (英語版 ) にて(2014年)
『セッション』の製作案はプロデューサーたちの関心を引いたものの、出資者が現われなかった[ 13] 。しかし、チャゼルの85頁の脚本が2012年 のブラックリスト (映画化されていない脚本のなかでも特に優れた脚本のリスト)に載ったことで、映画化にこぎつけることができた。その資金集めのために『セッション』のコンセプトを基に短編映画を制作し、2013年1月に開催された第29回サンダンス映画祭 (英語版 ) に出品した。その結果、フィクション短編部門の最優秀賞を獲得した[ 14] 。完成版は2014年1月に開催された第30回サンダンス映画祭 (英語版 ) に出品され、観客賞と審査員大賞(グランプリ)の両方を獲得した[ 15] 。また、第40回ドーヴィル映画祭 (英語版 ) にも出品され、グランプリと観客賞を受賞した[ 16] 。第87回アカデミー賞 ではチャゼル自身の脚色賞 をはじめ、作品賞 を含む5部門にノミネートされ[ 17] 、助演男優賞 (J・K・シモンズ )、録音賞 、編集賞 の3部門を獲得した。
『セッション』の成功を受けて、チャゼルはミュージカル ・ロマンティック 映画『ラ・ラ・ランド 』の製作資金を得た[ 18] 。ライアン・ゴズリング 、エマ・ストーン が出演した同作は、第73回ヴェネツィア国際映画祭 においてオープニング作品として上映された[ 19] 。第41回トロント国際映画祭 にて観客賞を受賞した[ 20] 。2016年12月9日にはアメリカ合衆国において限定公開され、同年12月19日に全米公開された[ 21] [ 22] 。作品は批評家に絶賛され、ゴールデングローブ賞 映画部門 作品賞(ミュージカル・コメディ部門) など様々な映画賞を受賞した。チャゼル自身はゴールデングローブ賞 監督賞 、アカデミー監督賞 を、いずれも史上最年少の32歳で受賞した[ 23] 。
2018年、チャゼルはニール・アームストロング を描いた伝記映画 『ファースト・マン 』において、ライアン・ゴズリング と再びコラボレーションした。脚本はジョシュ・シンガー で、ジェームズ・R・ハンセン (英語版 ) によるアームストロングの伝記『ファーストマン: ニール・アームストロングの人生 (英語版 ) 』を原作としている[ 24] [ 25] 。作品は2018年10月12日にユニバーサル・ピクチャーズ において公開され、批評家からは肯定的な評価を得た[ 26] [ 27] [ 28] 。
将来的なプロジェクト
2017年初頭、オーシャンサイド・メディアはチャゼルが脚本を執筆し、2010年のブラックリスト に選ばれたミステリー・スリラー『The Claim 』の映画化権を獲得した[ 29] 。2018年の公開を予定している[ 30] 。
チャゼルはまた、Netflix においてミュージカルドラマのテレビシリーズ『ジ・エディ 』を製作し、第1・2話を監督する[ 31] [ 32] 。ジャック・ソーン (英語版 ) が脚本を執筆し、グラミー賞 を受賞したソングライター のグレン・バラード (英語版 ) とアラン・プール がエグゼクティブ・プロデューサー として参加する。
2018年1月25日、Apple はチャゼルと提携してオリジナルのテレビシリーズを製作することを発表した。チャゼルは全エピソードにおいて脚本を執筆し、監督する[ 33] 。
フィルモグラフィ
映画
テレビ
参照
^ “セッション ”. シネマトゥデイ. 2015年1月10日 閲覧。
^ “Whiplash ”. Metacritic . 2015年1月10日 閲覧。
^ Bruton, F. Brinley (2017年2月27日). “Oscars 2017: Damien Chazelle Is Youngest to Win Best Director ”. NBC . 2017年3月22日 閲覧。
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^ “Damien Chazelle interview, Blacklist ”. The Black List. 2014年10月12日 閲覧。
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外部リンク
1927–1940 1941–1960 1961–1980 1981–2000 2001–2020 2021–現在
1968–1980 1981–2000 2001–2020 2021–2040
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1995 - 2000年 2001 - 2020年 2021 - 2040年
脚本賞(1995–1996年、 2001–2008年 現在は廃止。 ) オリジナル脚本賞(1997–2000年、 2009年–現在) 脚色賞(1997–2000年、 2009年–現在)