カリフォルニア大学サンディエゴ校 (カリフォルニアだいがくサンディエゴこう、英 : University of California, San Diego 、UCSD)は、アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サンディエゴ市 郊外のラホヤ に位置する州立の研究型大学(男女共学総合大学)である。サンディエゴ州立大学 (英:San Diego State University、SDSU)や、サンディエゴ大学 (英:University of San Diego、 USD)は別の大学である。10校あるカリフォルニア大学 システム(UC)のひとつであるこの大学は、UCでは7番目に古い。1960年 に世界最大規模にして最古の地球科学と海洋の研究組織である研究機関のスクリップス海洋研究所[ 注釈 1] の近くに設立された。約30,800人の学部生と8,000人の大学院生を受け入れ、200以上の学部および大学院学位プログラムを提供している。
アメリカ東海岸の名門私立大学連盟アイビーリーグ と同じ水準の教育を受けることができる公立大学群パブリック・アイビー の一校として名を連ねている。また、USニューズが発行する2020年度のアメリカズ・ベスト・カレジーズ・ガイドブック[ 注釈 2] によるとナショナルユニバーシティとして第37位、全米の州立大学では第10位に番付されており、全米でトップレベルの州立大学である。世界的な評価においては東京大学とほとんど同等である。現在(2022年)までに27人のノーベル賞受賞者を輩出しており、この数は世界の大学の中で第17位、カリフォルニア大学システムの中では第2位である。
ガイゼル図書館
構成
学部
UCSDの学部課程では、オックスフォード大学 やケンブリッジ大学 のようにそれぞれのカレッジ に分かれている[ 注釈 3] 。それぞれのカレッジがそれぞれのキャンパス 、一般教養 課程の必要条件、独自の方針を持っている。研究型大学であるUCであるが、学部課程でもかなりの評価を受けている。理系 に関しては、国内屈指の実力を持っており、生物工学 を始め電気工学 、生物化学 、コンピューターサイエンス 等々多くの学科 で、世界的評価を得ている。UCSDの科学 分野が群を抜いて強いが、経済学 、政治学 、国際関係 等々も全米で上位10位に入る等、社会科学に関してもアメリカ指折りの大学という面ももっている。
7つのカレッジ
UCSDの学部課程ではカレッジシステムを採用しており、7つのカレッジはそれぞれ独自に、一般教養課程履修における必要条件を設定し、個別の管理部門/管理スタッフをもち、卒業時もカレッジ毎に学位を付与する。7つの大学の方針は次のとおり(創立年月日順)である。
ロジャー・リーベル校[ 注釈 4] は1964年 に伝統 的で厳格なリベラルアーツ を要求するカレッジとして最初に設立された。
ジョン・ミューア校[ 注釈 5] は、1967年 に『自給自足 、個人の選択の精神 』という事で、ロジャー・リーベル校に比べ少し緩めの一般教養課程を持つカレッジとして2番目に設立された。
サーグッド・マーシャル校[ 注釈 6] は、『知識、社会的責任、そして、教養教育は社会における自分の役割の理解を含んでいるという信念』という事を重視する3番目の大学として1970年 に創立された。
アール・ウォレン校[ 注釈 7] は、個人の専攻 とは関係ない教科 をも訓練 させる事により、多才的な生徒を生み出す方針を持つ1974年 に創立された
エリーナー・ルーズベルト校[ 注釈 8] は、1988年 に創立された国際(世界 )主義 を含み、学際 的で西洋から全ての国々を含む異文化 を核とした5番目のカレッジ。
シクスス校[ 注釈 9] は、『歴史 、哲学 と文化 、芸術 、そしてテクノロジーとの関連性』に目をおく2002年 に創立された。
セブンスカレッジは、2020年秋に「変化する惑星」をテーマに登録する予定。
主要な部門
大学院及び専門大学院
研究型大学であるため、学部課程に加えて大学院での研究が特に重要視されており各分野での評価は高い。医学、海洋学、工学は勿論、社会学などの分野でも近年は世界的評価を得ている。2005年に新設されたフルタイムのMBAコースは、UCSDのテクノロジーと地域ビジネスを結びつける役割を担うことを期待されている。数多くのノーベル賞 受賞者やその他世界的な賞の受賞者を輩出しているというのも特徴の一つである。2003年 では経済学 の部門で、2人の教授が時系列分析手法の確立を称えてノーベル経済学賞 を受賞した。
Medical Center Hillcrest Biomedical Library
グラデュエイト・スクール・オブ・インターナショナル・リレイションズ・アンド・パシフィック・スタディーズ[ 6]
グラジュエイト・スタディーズ・アンド・リサーチ[ 7]
ジェイコブ・スクール・オブ・エンジニアリング[ 8]
レイディー・スクール・オブ・マネジメント[ 9] Rady School of Management
スクール・オブ・メディシン[ 10]
スカッグス・スクール・オブ・ファーマシー・アンド・ファーマキューシャル・サイエンシーズ[ 11]
研究
同校の2007年から2008年の研究費は7億9800万ドルにのぼる[ 12] 。アメリカ国立科学財団 の発表によると、カリフォルニア大学内で1位、アメリカ合衆国内で6位の研究費支出である[ 13] 。
研究所
入学と費用
入学
西海岸では同じカリフォルニア大学システムのカリフォルニア大学バークレー校 やカリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA )とともに最も人気のある大学の一つである。2018年度の出願者数は新入生とトランスファーを合わせて 118,372人で、カリフォルニア大学群の内ではカリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA )に次いで2番目に多い出願者数である。これらの118,372件の出願のうち、97,899件は、新入生からの出願で、2018年秋の合格者は29,577人で、合格率としては30.2%である。
USニューズ社が発行する大学ガイドによると、ハーバード大学 やプリンストン大学 などのアイヴィー・リーグ 校やスタンフォード大学 、マサチューセッツ工科大学 (MIT )などの名門私立 校、名門州立校のカリフォルニア大学バークレー校 、カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA )などと並び入学難易度は最難関である「Most Selective」と位置づけられている。UCSDに2019年に入学が認められた学生のうち中間の50%の学生のデータ を見ると、GPA は4.03から4.28、SAT のレンジは1320-1510、ACT のレンジは28-34であった。入学を許可された新入生のうち、99%が高校での上位トップ10%の成績を修めていた。[1] [2] [3]
費用(学費)
近くにはBlack's beachがある
カリフォルニア大学 群の学費は年々増加傾向にある。特に留学生を含む州外生は、州内生の約3倍の授業料を支払わなければならない(州民ではないので、州税を支払っていない)ため、私立大学とあまり変わらないコストとなる。
州民の年間学費の目安 (1米ドル=110円計算)
カリフォルニア州民授業料 14,480米ドル (約1,614,900円)
本代・必要品 1,450米ドル(約159,500円)
健康保険代 2,085米ドル(約229,350円)
個人交通費 2,370米ドル(約260,700円)
寮費(食事込み) 14,680米ドル (約1,614,800円)
計 35,265米ドル(約3,879,200円)
州民以外の年間学費の目安 (1米ドル=110円計算)
他州住民授業料追加分(留学生も含む) 29,754米ドル (約3,272,940円)
その他、本代・必要品、健康保険代、個人交通費、寮費、などは州民と同額
計 65,000米ドル(約7,152,000円)
図書館
ガイゼル図書館
UCSD には図書館 が計10館あり、右画像の大学内で目玉となる有名なガイゼル図書館[ 注釈 11] が本部図書館となっている。UCSD の蔵書数は10館合計で総数約310万冊にもなる。 ガイゼル図書館は、その特異な形から"space ship"(宇宙船)とよばれている。
名声と番付
主要世界大学番付
CWUR 世界大学ランキング (総合) : 第20位 (2019年)[ 15]
U.S. News 世界大学ランキング (総合):第17位 (2019年)[ 16]
QS 世界大学ランキング (総合) :第41位 (2019年)[ 17]
タイムズ世界大学ランキング(総合):第30位(2019年)[ 18]
タイムズ世界大学ランキング(社会科学):第35位(2019年)[ 19]
タイムズ世界大学ランキング (生物科学) :第13位(2019年)[ 20]
タイムズ世界大学ランキング (自然科学) :第25位(2019年)[ 21]
タイムズ世界大学ランキング (商学, 経済) :第30位(2019年)[ 22]
タイムズ世界大学ランキング (情報科学/工学) :第35位(2019年)[ 23]
タイムズ世界大学ランキング (医学) :第20位(2019年)[ 24]
タイムズ世界大学ランキング (芸術/人文科学) :第57位(2019年)[ 25]
タイムズ世界大学ランキング (教育) :第51位 (2019年)[ 26]
タイムズ世界大学ランキング (心理学) :第31位 (2019年)[ 27]
上海交通電気大学ランキング:第12位(2008年)[ 28]
ニューズウィーク世界大学ランキング:第23位(2006年)[ 29]
USニューズ世界大学番付
US NEWS Best Global Universities 2015- Best Global Universities Rankings (世界大学総合ランキング): 第18位(2015年度)[ 30]
USニュース学部課程番付
US NEWS Best Colleges 2015- National Universities Rankings (全米大学総合ランキング): 第37位(2015年度)[ 31]
US NEWS Best Colleges 2015- Top Public Schools (全米州立大学ランキング): 第8位(2015年度)[ 32]
USニュース主要大学院番付
専門大学院
その他の番付
ジ・ワシントン・マンスリー・カレッジ・ランキングス[ 注釈 12] :第1位(2010年)[ 40]
ジ・グラハム-ダイアモンド米国大学ランキング:第8位[ 41]
ヒューマン・リソーシーズ・アンド・レイバー・レビュー世界大学ランキング:第16位(2010)[ 42]
キプリンジャーズ・ベスト・バリュー・イン・パブリック・カレジーズ[ 注釈 13] :第12位(2010)[ 43]
著名な人々
教授
卒業生
脚注
注釈
^ 英 : Scripps Institution of Oceanography
^ 英 : America's Best Colleges guidebook
^ オックスフォードやケンブリッジの "college" とは全く異なる。両校では様々な異なる分野を専攻する学生がカレッジに所属・寄宿し、カレッジが学生を学部学科の授業・研究に送り出すというシステムである。各カレッジに学部学科が存在するわけではない。
^ 英 : Roger Revelle College
^ 英 : John Muir College
^ 英 : Thurgood Marshall College
^ 英 : Earl Warren College
^ 英 : Eleanor Roosevelt College
^ 英 : Sixth College
^ 英 : California Institute for Telecommunications and Information Technology
^ 英 : Geisel Library
^ 英 : The Washington Monthly college rankings
^ 英 : Kiplinger's Best Values in Public Colleges
出典
外部リンク
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