カリフォルニア大学サンディエゴ校

カリフォルニア大学サンディエゴ校
モットー ラテン語: Fiat lux
種別 公立 四半期制
設立年 1960年11月18日
資金 US $568.7 million (June 30, 2011)[1]
総長 Marye Anne Fox
教員数
2,535人 (Fall 2019)[2]
学部生 30,285人 (2018)[3]
大学院生 8,513人 (2018)[3]
所在地 アメリカ合衆国
カリフォルニア州サンディエゴ
座標: 北緯32度52分51.6秒 西経117度14分16.8秒 / 北緯32.881000度 西経117.238000度 / 32.881000; -117.238000
キャンパス 郊外
2,141エーカー (866 ha)[4]
新聞 UCSD Guardian
運動競技 23競技
マスコット King Triton[5]
公式サイト ucsd.edu
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カリフォルニア大学サンディエゴ校(カリフォルニアだいがくサンディエゴこう、: University of California, San Diego、UCSD)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴ市郊外のラホヤに位置する州立の研究型大学(男女共学総合大学)である。サンディエゴ州立大学(英:San Diego State University、SDSU)や、サンディエゴ大学(英:University of San Diego、 USD)は別の大学である。10校あるカリフォルニア大学システム(UC)のひとつであるこの大学は、UCでは7番目に古い。1960年に世界最大規模にして最古の地球科学と海洋の研究組織である研究機関のスクリップス海洋研究所[注釈 1]の近くに設立された。約30,800人の学部生と8,000人の大学院生を受け入れ、200以上の学部および大学院学位プログラムを提供している。

アメリカ東海岸の名門私立大学連盟アイビーリーグと同じ水準の教育を受けることができる公立大学群パブリック・アイビーの一校として名を連ねている。また、USニューズが発行する2020年度のアメリカズ・ベスト・カレジーズ・ガイドブック[注釈 2]によるとナショナルユニバーシティとして第37位、全米の州立大学では第10位に番付されており、全米でトップレベルの州立大学である。世界的な評価においては東京大学とほとんど同等である。現在(2022年)までに27人のノーベル賞受賞者を輩出しており、この数は世界の大学の中で第17位、カリフォルニア大学システムの中では第2位である。

ガイゼル図書館

構成

学部

UCSDの学部課程では、オックスフォード大学ケンブリッジ大学のようにそれぞれのカレッジに分かれている[注釈 3]。それぞれのカレッジがそれぞれのキャンパス一般教養課程の必要条件、独自の方針を持っている。研究型大学であるUCであるが、学部課程でもかなりの評価を受けている。理系に関しては、国内屈指の実力を持っており、生物工学を始め電気工学生物化学コンピューターサイエンス等々多くの学科で、世界的評価を得ている。UCSDの科学分野が群を抜いて強いが、経済学政治学国際関係等々も全米で上位10位に入る等、社会科学に関してもアメリカ指折りの大学という面ももっている。

7つのカレッジ

UCSDの学部課程ではカレッジシステムを採用しており、7つのカレッジはそれぞれ独自に、一般教養課程履修における必要条件を設定し、個別の管理部門/管理スタッフをもち、卒業時もカレッジ毎に学位を付与する。7つの大学の方針は次のとおり(創立年月日順)である。

  1. ロジャー・リーベル校[注釈 4]1964年伝統的で厳格なリベラルアーツを要求するカレッジとして最初に設立された。
  2. ジョン・ミューア校[注釈 5]は、1967年に『自給自足、個人の選択の精神』という事で、ロジャー・リーベル校に比べ少し緩めの一般教養課程を持つカレッジとして2番目に設立された。
  3. サーグッド・マーシャル校[注釈 6]は、『知識、社会的責任、そして、教養教育は社会における自分の役割の理解を含んでいるという信念』という事を重視する3番目の大学として1970年に創立された。
  4. アール・ウォレン校[注釈 7]は、個人の専攻とは関係ない教科をも訓練させる事により、多才的な生徒を生み出す方針を持つ1974年に創立された
  5. エリーナー・ルーズベルト校[注釈 8]は、1988年に創立された国際(世界主義を含み、学際的で西洋から全ての国々を含む異文化を核とした5番目のカレッジ。
  6. シクスス校[注釈 9]は、『歴史哲学文化芸術、そしてテクノロジーとの関連性』に目をおく2002年に創立された。
  7. セブンスカレッジは、2020年秋に「変化する惑星」をテーマに登録する予定。

主要な部門

大学院及び専門大学院

研究型大学であるため、学部課程に加えて大学院での研究が特に重要視されており各分野での評価は高い。医学、海洋学、工学は勿論、社会学などの分野でも近年は世界的評価を得ている。2005年に新設されたフルタイムのMBAコースは、UCSDのテクノロジーと地域ビジネスを結びつける役割を担うことを期待されている。数多くのノーベル賞受賞者やその他世界的な賞の受賞者を輩出しているというのも特徴の一つである。2003年では経済学の部門で、2人の教授が時系列分析手法の確立を称えてノーベル経済学賞を受賞した。

Medical Center Hillcrest
Biomedical Library
  • グラデュエイト・スクール・オブ・インターナショナル・リレイションズ・アンド・パシフィック・スタディーズ[6]
  • グラジュエイト・スタディーズ・アンド・リサーチ[7]
  • ジェイコブ・スクール・オブ・エンジニアリング[8]
  • レイディー・スクール・オブ・マネジメント[9]
    Rady School of Management
  • スクール・オブ・メディシン[10]
  • スカッグス・スクール・オブ・ファーマシー・アンド・ファーマキューシャル・サイエンシーズ[11]

研究

同校の2007年から2008年の研究費は7億9800万ドルにのぼる[12]アメリカ国立科学財団の発表によると、カリフォルニア大学内で1位、アメリカ合衆国内で6位の研究費支出である[13]

研究所

入学と費用

入学

西海岸では同じカリフォルニア大学システムのカリフォルニア大学バークレー校カリフォルニア大学ロサンゼルス校UCLA)とともに最も人気のある大学の一つである。2018年度の出願者数は新入生とトランスファーを合わせて 118,372人で、カリフォルニア大学群の内ではカリフォルニア大学ロサンゼルス校UCLA)に次いで2番目に多い出願者数である。これらの118,372件の出願のうち、97,899件は、新入生からの出願で、2018年秋の合格者は29,577人で、合格率としては30.2%である。

USニューズ社が発行する大学ガイドによると、ハーバード大学プリンストン大学などのアイヴィー・リーグ校やスタンフォード大学マサチューセッツ工科大学MIT)などの名門私立校、名門州立校のカリフォルニア大学バークレー校カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)などと並び入学難易度は最難関である「Most Selective」と位置づけられている。UCSDに2019年に入学が認められた学生のうち中間の50%の学生のデータを見ると、GPAは4.03から4.28、SATのレンジは1320-1510、ACTのレンジは28-34であった。入学を許可された新入生のうち、99%が高校での上位トップ10%の成績を修めていた。[1][2][3]

費用(学費)

近くにはBlack's beachがある

カリフォルニア大学群の学費は年々増加傾向にある。特に留学生を含む州外生は、州内生の約3倍の授業料を支払わなければならない(州民ではないので、州税を支払っていない)ため、私立大学とあまり変わらないコストとなる。

州民の年間学費の目安 (1米ドル=110円計算)

  • カリフォルニア州民授業料 14,480米ドル (約1,614,900円)
  • 本代・必要品 1,450米ドル(約159,500円)
  • 健康保険代 2,085米ドル(約229,350円)
  • 個人交通費 2,370米ドル(約260,700円)
  • 寮費(食事込み) 14,680米ドル (約1,614,800円)
  • 計 35,265米ドル(約3,879,200円)

州民以外の年間学費の目安 (1米ドル=110円計算)

  • 他州住民授業料追加分(留学生も含む) 29,754米ドル (約3,272,940円)
  • その他、本代・必要品、健康保険代、個人交通費、寮費、などは州民と同額
  • 計 65,000米ドル(約7,152,000円)

図書館

ガイゼル図書館
ガイゼル図書館

UCSD には図書館が計10館あり、右画像の大学内で目玉となる有名なガイゼル図書館[注釈 11]が本部図書館となっている。UCSD の蔵書数は10館合計で総数約310万冊にもなる。 ガイゼル図書館は、その特異な形から"space ship"(宇宙船)とよばれている。

名声と番付

主要世界大学番付

  • CWUR 世界大学ランキング (総合) : 第20位 (2019年)[15]
  • U.S. News 世界大学ランキング (総合):第17位 (2019年)[16]
  • QS 世界大学ランキング (総合) :第41位 (2019年)[17]
  • タイムズ世界大学ランキング(総合):第30位(2019年)[18]
  • タイムズ世界大学ランキング(社会科学):第35位(2019年)[19]
  • タイムズ世界大学ランキング (生物科学) :第13位(2019年)[20]
  • タイムズ世界大学ランキング (自然科学) :第25位(2019年)[21]
  • タイムズ世界大学ランキング (商学, 経済) :第30位(2019年)[22]
  • タイムズ世界大学ランキング (情報科学/工学) :第35位(2019年)[23]
  • タイムズ世界大学ランキング (医学) :第20位(2019年)[24]
  • タイムズ世界大学ランキング (芸術/人文科学) :第57位(2019年)[25]
  • タイムズ世界大学ランキング (教育) :第51位 (2019年)[26]
  • タイムズ世界大学ランキング (心理学) :第31位 (2019年)[27]
  • 上海交通電気大学ランキング:第12位(2008年)[28]
  • ニューズウィーク世界大学ランキング:第23位(2006年)[29]

USニューズ世界大学番付

  • US NEWS Best Global Universities 2015- Best Global Universities Rankings(世界大学総合ランキング): 第18位(2015年度)[30]

USニュース学部課程番付

  • US NEWS Best Colleges 2015- National Universities Rankings(全米大学総合ランキング): 第37位(2015年度)[31]
  • US NEWS Best Colleges 2015- Top Public Schools(全米州立大学ランキング): 第8位(2015年度)[32]

USニュース主要大学院番付

  • 生物医学/生物工学部:第2位[33]
  • 神経科学/神経生物学:第7位[33]
  • 物理学部:第14位[33]
  • 生物物理/構成生物学部:第10位[34]
  • 化学部:第21位[33]
  • 生物化学:第9位[35]
  • 生物学部:第15位[33]
  • 薬学:第32位[33]
  • 工学部:第12位[34]
  • コンピューター工学:第14位[33]
  • 数学部:第20位[33]
  • 経済学部:第10位[36]
  • 歴史学部:第32位[37]
  • 政治学部:第7位[33]
  • 心理学部:第17位[33]
  • 社会学部:第31位[33]
  • 英語学部:第39位[38]
  • 美術:第15位[33]

専門大学院

  • 医科大学院:第14位[39]

その他の番付

  • ジ・ワシントン・マンスリー・カレッジ・ランキングス[注釈 12]:第1位(2010年)[40]
  • ジ・グラハム-ダイアモンド米国大学ランキング:第8位[41]
  • ヒューマン・リソーシーズ・アンド・レイバー・レビュー世界大学ランキング:第16位(2010)[42]
  • キプリンジャーズ・ベスト・バリュー・イン・パブリック・カレジーズ[注釈 13]:第12位(2010)[43]

著名な人々

教授

卒業生

脚注

注釈

  1. ^ : Scripps Institution of Oceanography
  2. ^ : America's Best Colleges guidebook
  3. ^ オックスフォードやケンブリッジの "college" とは全く異なる。両校では様々な異なる分野を専攻する学生がカレッジに所属・寄宿し、カレッジが学生を学部学科の授業・研究に送り出すというシステムである。各カレッジに学部学科が存在するわけではない。
  4. ^ : Roger Revelle College
  5. ^ : John Muir College
  6. ^ : Thurgood Marshall College
  7. ^ : Earl Warren College
  8. ^ : Eleanor Roosevelt College
  9. ^ : Sixth College
  10. ^ : California Institute for Telecommunications and Information Technology
  11. ^ : Geisel Library
  12. ^ : The Washington Monthly college rankings
  13. ^ : Kiplinger's Best Values in Public Colleges

出典

  1. ^ UC Annual Endowment Report Office of the Treasurer of The Regents. Retrieved February 16, 2012
  2. ^ University of California Full-Time and Part-Time Headcount - SMG & MSP, Academic and PSS Personnel” (PDF). Statistical Summary of Staff and Students. University of California Office of the President (2011年10月). 2012年2月16日閲覧。
  3. ^ a b Fall 2010: University of California Statistical Summary of Students and Staff” (PDF). University of California Office of the President - Department of Information Resources and Communications (2010年). 2011年4月20日閲覧。
  4. ^ UC Financial Reports - Campus Facts University of California. 2007. Retrieved February 16, 2012.
  5. ^ UCSD Mascot - King Triton”. University of California, San Diego (2005年9月6日). 2012年2月18日閲覧。
  6. ^ : Graduate School of International Relations and Pacific Studies
  7. ^ : Graduate Studies and Research
  8. ^ : Jacobs School of Engineering
  9. ^ : Rady School of Management
  10. ^ : School of Medicine
  11. ^ : Skaggs School of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences
  12. ^ http://ucsdnews.ucsd.edu/about/index.html#impact
  13. ^ https://meded.ucsd.edu/asa/mstp/research_opportunities/ucsd_general_campus/
  14. ^ http://www.calit2.net/
  15. ^ CWUR World University Rankings 2018-2019”. 2019年4月13日閲覧。
  16. ^ U.S. News Education”. 2019年4月13日閲覧。
  17. ^ QS World University Rankings”. 2019年4月13日閲覧。
  18. ^ http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2010-2011/top-200.html
  19. ^ http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2010-2011/social-sciences.html
  20. ^ http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2010-2011/life-sciences.html
  21. ^ http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2010-2011/physical-sciences.html
  22. ^ The world university rankings”. 2019年4月13日閲覧。
  23. ^ http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2010-2011/engineering-and-IT.html
  24. ^ http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2010-2011/clinical-pre-clinical-health.html
  25. ^ http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2010-2011/arts-and-humanities.html
  26. ^ The world university rankings”. 2019年4月13日閲覧。
  27. ^ The world university rankings”. 2019年4月13日閲覧。
  28. ^ http://www.arwu.org/rank2008/ARWU2008_TopAmer(EN).htm
  29. ^ https://web.archive.org/web/20070516125353/http://www.geocities.jp/worldtheride/newsweek.html
  30. ^ http://www.usnews.com/education/best-global-universities/rankings
  31. ^ http://colleges.usnews.rankingsandreviews.com/best-colleges/rankings/national-universities/page+4
  32. ^ http://colleges.usnews.rankingsandreviews.com/best-colleges/rankings/national-universities/top-public
  33. ^ a b c d e f g h i j k l http://colleges.usnews.rankingsandreviews.com/best-colleges/university-of-california-san-diego-110680/overall-rankings
  34. ^ a b http://grad-schools.usnews.rankingsandreviews.com/grad/eng/search
  35. ^ http://grad-schools.usnews.rankingsandreviews.com/grad/phy/search
  36. ^ http://grad-schools.usnews.rankingsandreviews.com/grad/eco/search
  37. ^ http://grad-schools.usnews.rankingsandreviews.com/grad/his/search/page+2
  38. ^ http://grad-schools.usnews.rankingsandreviews.com/grad/egl/search/page+2
  39. ^ http://grad-schools.usnews.rankingsandreviews.com/grad/med/search
  40. ^ http://ucsdnews.ucsd.edu/newsrel/awards/08-23MonthlyRanks.asp
  41. ^ https://web.archive.org/web/20070416075915/http://www.physics.northwestern.edu/graduate/Graham_Diamond.html
  42. ^ http://www.chasecareer.net/news_detail.php?id=61
  43. ^ http://www.kiplinger.com/tools/colleges/

外部リンク