また、前3作のレコーディングには、ライヴのサポートメンバーであるJu-ken、Arimatsu、斉藤仁がそれぞれベーシスト、ドラマー、シンセサイザープログラマーとして招聘されていたが、今回の制作に3人は参加していない。そのため本作のベースは、共同プロデュースを担当したケイン・チャーコが基本的に弾いている。なお、今回のリズム周りは、K.A.Zが制作した原型をもとに[13]、ケイン・チャーコとともに制作していったという。また、ハワード・ベンソンがプロデュースを担当した「INSIDE OF ME」と「RISE OR DIE」の制作には、ギタリストとしてフィル・X(フィル・X・アンド・ザ・ドリルズ、ボン・ジョヴィ)、ドラマーとしてジョー・リカルド(イン・フレイムス)が参加している。余談だが、本作を引っ提げて開催したライヴツアーには、前記のサポートメンバー3人が変わらず参加している。
なお、今回のギターの音作りに関し、K.A.Zは前作よりも重ね録りを減らしたと語っている。K.A.Zは本作のギター録りについて「何小節かを延々とループさせている上で、自分はそこに集中して何回も弾いて。例えば4テイク録ったら、そこから2テイク良いのを選んで。その後、今度は音を変えてもう4テイク録ったら、また2テイク選んで、それを左右に振り分けたりとか。バッキングはそういう作業の繰り返しで構築していった[14]」「明らかに重ねてる音が少ないんだよ。曲次第ではあるんだけど、以前はどっちかというとギターを重ねることでテンション感を出したりして構築する曲が多かった。でも、今回は本当にストレートにポーンと芯のテーマとなるフレーズを弾いて。重ねる音が少なくなった分、チューニングもそんなにシビアにならなくていいなっていうところが大きかった。「BLEED FOR ME」とかだと、逆にチューニングを狂わしてやろうっていうぐらい、ラフな弾き方をしたところもあったりして[10]」と述懐している。このように、1音1音緻密に積み重ねていった前作のギターレコーディングとは異なる志向で制作が行われている[10]。ちなみに、今回K.A.Zはアメリカレコーディングを行うにあたり、自身のオリジナルモデルギター「Zodiacworks K.A.Z Signature 27 inch」だけを日本から持って行ったといい[15]、制作で使ったシェクターの7弦ギター[14]とPRSのバリトン・ギターは現地で借りたという[14]。
また、今回のボーカル録りはギター録りと同様に、1行だけのフレーズをループさせて何度も録音したという[7]。HYDEは今回の録り方について「ケインは特に録り方が独特でね。1行だけのフレーズをずっとループさせて、僕はそれを聴きながら、集中して何回も歌うんですよ。いいのが録れたら"OK、じゃあ次にいきましょう"ってなるんですけど、その時点でもうダブルのテイクも録れてる[7]」と述べている。さらに、本作の5曲目に収録された「BLEED FOR ME」などでは[16]、これまでに発表した音源以上に歪みのボーカルエフェクトをかけている[16]。K.A.Zは本作のボーカルの印象について「やっぱり歌にも適度に歪み成分が入ってる方が、こういうサウンドとのマッチングがいいからね。特にヘヴィな曲だと、歌がクリーンすぎない方が楽器の音に馴染む感じがした[7]」と述べている。また、HYDEは今回のボーカルレコーディングを振り返り「ずっと試行錯誤してて、毎年歌い方が違うとは思うんですけど。歪ませ方が今まで安定しなくて、あんまりやってなかったところを、今回どうやったら安定させられるかっていうのを考えながら歌ったら上手くいった気がします[16]」「やっとちょっと職人っぽくなってきたというかね。K.A.Z君やL'Arc〜en〜Cielのメンバーを見てても、職人っぽいなぁ…って思ってたんですよ。自分は全然そこじゃなかったんですよね、ただのエンターテイナーというか。それが、やっと歌に集中できる、そういう歌が歌えるようになってきた気がする。だから今回は、自分が自分の歌や音を楽しむことができるんじゃないかなっていう気がしますね[16]」と語っている。
上記の2曲以外にも、本作には2曲のフィーチャリング楽曲が収録されている。本作の3曲目に収録された「BREAK FREE」の制作には、日本のロックバンド、MAN WITH A MISSIONのベーシスト、Kamikaze Boyがベースで参加している。K.A.Zは本作発売当時に受けたインタビューの中で、Kamikaze Boyが参加することになった経緯について「たまたま彼ら(MAN WITH A MISSION)がLAにレコーディングで来てて、オフのときにラスヴェガスに来るって言うから、"じゃあ、何か弾いてもらおうよ"っていう話になって[13]」と述べている。また、本作の9曲目に収録された「SIN IN JUSTICE」の制作には、フィンランドの弦楽重奏グループ、アポカリプティカが参加している。この曲は、勝つことを正義とする者の中に見え隠れする罪をリリックとしてのせた、ヘヴィかつ流麗なメロディが印象的なロックナンバーとなっており、2015年9月から中南米で開催したライヴツアー「VAMPS LIVE 2015 LATIN AMERICA TOUR」の合間に制作が行われていた[21]。
また、本作の1曲目に収録された「UNDERWORLD」は曲名にアルバムタイトルが冠されており、作品の世界観へ導くようなヘヴィでデジタルなロックナンバーに仕上げられている。なお、この曲は2018年から再開されたHYDEのソロ名義主催のライヴにおいても、頻繁にセットリストに組みこまれている。ちなみにこの曲は、発表から約2年5ヶ月後の2019年9月26日に発売されたゲーム『CODE VEIN』のオープニングムービーに使われている[22][23]。このゲームはポスト・アポカリプスとゴシックを組み合わせた世界観が舞台となっており[23]、2019年7月6日には制作会社のバンダイナムコが開設する公式YouTubeチャンネルにおいて、ufotableがこの曲を使い制作したオープニング映像が公開されている[23][24](外部リンク)。また、10th Street EntertainmentのCEOを務めたアレン・コバックによって設立されたレコードレーベル、Better Noise Musicが開設した公式YouTubeチャンネルにおいて、この曲のリリック・ビデオが公開されている。
本作の6曲目に収録された「IN THIS HELL」は電子音のループとヘヴィなサウンドが印象的なナンバーとなっている。K.A.Zはこの曲の制作を振り返り「曲が始まってからずっと流れてる機械音というか、電子音みたいなところ。あれは、最初に作ったものから緊迫感のあるものに変えた途端、すごく良くなった[14]」と述懐している。なお、この曲も「UNDERWORLD」と同様に、ゲーム『CODE VEIN』に提供されており、ゲーム内に設けられたジュークボックスで聴くことができる。
本作の10曲目に収録された「B.Y.O.B (BRING YOUR OWN BLOOD)」は、ダンサンブルかつヘヴィロックなパーティーチューンに仕上げられている[25]。作曲を担当したK.A.Zはこの曲の制作を振り返り「実は最初にイメージしてたものからすごく変わっていって、自分が持ってないものをケインが出してくれたっていう気がする[14]」と述懐している。また、HYDEはこの曲の仕上がりについて「肉感的になったね[25]」と述べている。
フィジカルとデジタルで同時リリースされている。フィジカルは、初回限定盤A(SHM-CD+BD)、初回限定盤B(SHM-CD+DVD)、初回限定BOX盤(SHM-CD+BD+DVD+GOODS)、通常盤(SHM-CD)の4形態でリリースされた[26]。初回盤A及び初回限定BOX盤には2016年9月17日に行われたライヴツアー「VAMPS LIVE 2016」のZepp Tokyo公演の模様を収録したBlu-rayが付属されている[26]。また、初回盤B及び初回限定BOX盤にはシングル表題曲2曲のミュージック・ビデオとリリック・ビデオ2作、メイキング映像、ツアードキュメンタリーなどを収録したDVDが付属されている[26]。なお、初回限定BOX盤には前記のBlu-rayとDVDに加え、ジャケットデザインを担当したロッキン・ジェリー・ビーンが手掛けたオリジナルスカジャンが同梱されている。