『Re:ゼロから始める異世界生活』(リ・ゼロからはじめるいせかいせいかつ)は、長月達平による同名のライトノベルを原作とした日本のテレビアニメシリーズおよびOVA。
第1期は2016年4月から9月までテレビ東京ほかにて放送された[3]。第1話は1時間枠で放送され、原作の第一章から第三章までの映像化となる。
2018年10月にOVA第1弾『Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow』が[4]、2019年11月にOVA第2弾『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』が角川ANIMATIONの配給によりそれぞれ劇場上映された[5]。
第2期『Re:ゼロから始める異世界生活2nd season』はAT-Xほかにて、前半クールが2020年7月から9月まで放送され[6][7][注 2]、後半クールが翌2021年1月から3月まで放送された[9]。原作の第三章ラストから第四章が映像化された。
第3期『Re:ゼロから始める異世界生活3rd season』は「襲撃編」が2024年10月から11月、「反撃編」が2025年2月よりTOKYO MXほかにてそれぞれ全8話、合わせて全16話で放送予定[10][11][12]。第3期第1話は、90分拡大版として制作され、2024年8月30日より劇場にて先行上映された[13]。
2015年7月19日に『MF文庫J 夏の学園祭2015』のステージにてテレビアニメ化が発表された[17]。
2015年12月19日には放送開始時期が2016年4月であることが決定し、キービジュアルやメインスタッフ・キャストも発表された[18]。
2016年3月20日にはTOHOシネマズ新宿で先行上映イベントが開催され、主要声優陣が登壇したほか、鈴木このみがオープニングテーマ「Redo」を初披露した[19]。
2016年3月27日にはAnimeJapan 2016のBLUEステージにてトークイベントが開催され、主要声優陣が登壇したほか、PVがスクリーン上映された[20]。
テレビ東京では、第1期放送開始前の2016年4月3日の日曜2時10分 - 2時35分(土曜深夜)に特番『Re:ゼロから始める異世界体験』(リ・ゼロからはじめるいせかいたいけん)が放送された[21]。出演は小林裕介(ナツキ・スバル 役)、内山夕実(パック 役)、高橋李依(エミリア 役)、水瀬いのり(レム 役)、村川梨衣(ラム 役)。
2017年9月10日に新作OVAの制作決定が報じられた[22]。翌年3月20日にはタイトルが『Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow』であることが決定した[23]。
2018年9月23日にTVアニメのBlu-ray&DVD第1巻の初回生産特典である小説『Re:ゼロから始める前日譚 氷結の絆』をアニメ化した新作OVA第2弾『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』の制作決定が報じられた[24]。
2019年3月23日にAnimeJapan 2019にてトークイベントが開催され、主要声優陣が登壇したほか、第2期の制作決定が発表された。またPVとティザービジュアルが公開された。
2020年1月から4月まではパッケージ版をベースに演出を調整し、週1時間枠に構成した「新編集版」が放送された[8][25]。
第2期放送に合わせて、2020年7月6日よりYouTubeにて「『Re:ゼロから始める異世界生活』アフレコアフタートーク」が毎週土曜20時より公開されている[26][27][28]。出演声優が各話のアフレコ終了後にその回の感想などコメントを行っていく。
2023年3月25日にAnimeJapan2023のREDステージにてトークイベントが開催され、第3期の制作決定が発表された。イベント内でティザーPVとティザービジュアルが公開された。
KADOKAWA(旧メディアファクトリー)のプロデューサー・田中翔は、おたぽるのインタビューに以下のように答えている[32]。
メディアファクトリーに所属していた当時、MF文庫Jからアニメ化したい作品を探していたところ、本作がアンテナに引っかかったという。「小説家になろう」で原作を読み、「このセリフを聞いたユーザーは、きっとこのお話を視聴してくれる」と確信した田中は、書籍の担当編集とは一緒に仕事をした経験があるので密に連絡を取っていたが、本作は「小説家になろう」の人気作品のひとつではあったがトップクラスには劣る作品であり、発掘型の作品という考えだった[33]。明確な区切りがないネット小説自体を「それほどアニメ化に向いた作品ではない」とも思っていたが、「ラノベという方程式にあてはまらないものをTVアニメにしたらどうか」との立案から始まり、「どう料理したら面白いTVアニメにしたらどうなるのかな」と始動に至った[34]。
脚本に際しては毎話ごとに次週に向けての引きを作ることに注意したが、第1話の1時間枠は物語の構成上、どうしてもあそこまで見せないと魅力を伝えられないので頑張り、第3話までは苦労した[34]。原作で人気のあるレムより、アニメではスバルの行動理念からもエミリアの方をヒロインとして推していきたいという[35]。
アニメファンの反応については、スバルに対して「死に戻り」がもたらす厳しい展開より、むしろ本作と同じWHITE FOXが制作を担当していた『STEINS;GATE』や、前クールに放送されていたA-1 Picturesの『僕だけがいない街』が知られていることから、「またタイムリープものか!」と言われることを心配していた。スバルの痛々しい言動についても、あまりウザくなりすぎないよう、使う言葉や演出、間を意識しているという。ロズワールの屋敷内だけで物語が進行する第4話は、何も考えていないと全部同じシーンに見える危険性があるため、退屈させないように構成や演出を工夫した[35]。それに先んじ、第2話は平坦な内容だったことから「ここで飽きられてしまうのでは」と不安もあったが、そこも謎解きの一環として楽しんでもらえたことは嬉しい驚きだったという[36]。
第1期第1クールのオープニングアニメーションの逆再生については、監督の渡邊政治が本作のテーマとして最初と最後がつながるような絵コンテを切ってくれたため、「見応えのある良いオープニングになってくれた」と手応えを感じた。ただ、オープニングテーマ「Redo」も逆再生で音楽としてちゃんと聴けることについては、まったく考えていなかったという[36]。
監督の渡邊政治を抜擢した理由として、田中翔は、ドラマもアクションもしっかり描ける人と見込んで依頼した。また、キャラクターデザインの坂井久太は可愛い女の子が描ける人として、さらに、シリーズ構成の横谷昌宏は、コメディとシリアスの両立、タイムリープものの構成、1話ごとの盛り上がり、中二病的要素をすべて満たす人としてそれぞれ依頼したという[36]。
戦闘や「死に戻り」の際などに避けて通れないスプラッタ描写については、テレビ放送の時点でほぼ隠さず、血液も赤く描かれている。
第1・2期ともに次回予告はテレビでの放送はされず、YouTubeを介して公式サイトでの配信のみとなっている(なお、予告中の会話は基本的に本編と関係無い内容となっている)。第13話と第24話の次回予告のナレーションテキストはみかみてれんが、第16話は藍藤遊が、第21話は鹿角フェフが、第23話は理不尽な孫の手が、第18話と第25話は暁なつめが、第19話と第20話と第22話は原作者である長月達平が担当した。
第1期新編集版は一部、セリフの新規収録が行われている[37]。
ライター・のざわよしのりは「本作は死に戻りというタイムリープ設定や、魔女教徒、コメディにもシリアスにも振れる魅力的な登場人物など、ファンを惹きつける原作由来の要素が多くあるが、声と動きが付くアニメになったことにより、原作を知らなかった多くの人に作品が波及した。特に水瀬いのりが声を演じるレムのひたむきな純粋さは、アニメファンの注目の的となり人気を博した」と評している[43]。
第1期第18話「ゼロから」の放送前には、都内主要都市の駅に「最低で、最高で、絶望で、希望で、そして……心灼く25分45秒」と書かれた大型広告が掲示され話題となった[43]。ライター・のざわよしのりはこの広告に対し「本作に賭けるアニメ制作スタッフの意気込みが確かに現れていた」と述べている[43]。
ライターの小林白菜は「2nd seasonは第1期と比較しても、主人公であるナツキ・スバルの『勝利条件』がいっそう複雑化している。」と述べたうえで、「絡み合った複数の『勝利条件』が、ストーリーが進展するにつれ、やがてひと筋の『解法』によって解きほぐされていく気持ちよさは、本作の大きな魅力の1つ」だと評している[44]。
本作は中国のオタク界隈で盛り上がりを見せており、アキバ総研によれば「現地でもお約束的なネタとなっている異世界トリップ系の作品でありながら、お約束通りに『単純に異世界で強くなって大活躍する』わけではないという点も現在の中国における人気や話題繋がっている。」とのこと[45]。また、中国のオタク文化に精通した百元籠羊は「新型コロナウイルスの影響により中国で4月の期待作とされていた本作の2期と『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』3期が放送延期となった際には、何を中心に見ればいいのか迷う人が増えたそうだ。」と述べている[46]。
キャラペディアが実施した「もっとも期待している2016年春アニメ作品 TOP20!」では、男女総合で第10位[47]、男性で第5位[48]、「次週以降も観続けたい2016年春アニメ作品 TOP20!」では、男女総合で第2位[49]、男性で第1位[50]、女性で第8位[51]をそれぞれ記録している。
アニメイトTVが実施した「みんなが観たい!2016春TVアニメランキング」では、男女総合で第17位、男性で第4位をそれぞれ記録している[52]。dアニメストアが実施した「2016年一番○○なアニメは?アワード2016」では「もう一度、最初から見たいアニメ部門」「一番感動したアニメ部門」の2部門で1位、「1番好きなアニメ部門」で2位を獲得した[53]。
「SUGOI JAPAN Award 2017」のアニメ部門にて1位を獲得している[54]。AnimaniA Award 2017にてBester Online-Anime(オンラインアニメ賞)を受賞した[55]。「第1回Crunchyrollアニメアワード」にて2部門でノミネートされ、レムがBest Girl(最優秀女性キャラ)を受賞した[56][57]。第5回Crunchyrollアニメアワードにて4部門でノミネートされ、本作がBest Fantasy(最優秀ファンタジー作品賞)、小林裕介がBest VA Performance (Japanese)(最優秀声優賞日本語部門)を受賞した[58][59]。「読者が選ぶアニメキャラ大賞2019」では「かわいかったで賞」でレムが7位を獲得している[60]。
「ニュータイプアニメアワード」での結果は以下の通り。
アメリカのアニメ評価サイト「Anime Trending」が主催した「Anime Trending Awards」での結果は以下の通り。
『Re:ゼロから始める休憩時間』(リ・ゼロからはじめるブレイクタイム)および『Re:ぷち Re:プチから始める異世界生活』(りぷち)は、AT-Xで本編終了後に放送された短編アニメ。監督・脚本・演出は芦名みのる、ぷちキャラクターデザインはたけはらみのる、アニメーション制作はスタジオぷYUKAI。
『Re:ゼロから始める休憩時間』は本編で尺や展開の都合から触れることのできなかった事柄や設定を補足する内容が多い[75]。『Re:ぷち』は本編とは関係がないスピンオフアニメとなる。
『Memory Snow』では冒頭、劇場マナーCMが挿入。2019年には本作のコラボぷちアニメ『異世界かるてっと』が放送。
アニメ第2期放送に合わせて、2020年7月10日からは『Re:ゼロから始める休憩時間 2nd season』がYouTubeにて、毎週金曜20時に各話2週間限定で公開されている[76]。#14以降はAT-Xでも、第2期後半クールの各話終了後に放送されている[77]。
アニメ第3期放送に合わせて、2024年10月2日からは『Re:ゼロから始める休憩時間 3rd season』がYouTubeにて[78]。
『異世界かるてっと』は、KADOKAWA刊行の本作を含む4作品(『オーバーロード』、『この素晴らしい世界に祝福を!』、『幼女戦記』、『Re:ゼロから始める異世界生活』)の登場人物が一同に会し、プチキャラ化して登場するクロスオーバーアニメ[79]。2019年4月から6月まで第1期、2020年1月から4月まで第2期が放送された。
『Re:ゼロから始める異世界ラジオ生活』は、アニメ作品の魅力や情報を生配信で伝えるインターネットラジオ番組(タイムシフト視聴対応)。パーソナリティはエミリア役の高橋李依[80]。2016年3月28日開始。第1回から第27回までは毎週月曜21時30分から[80]、第28回以降は隔週月曜21時30分からニコニコ生放送にて配信。同年12月19日(第33回)で一旦終了。また、音泉でも同年3月31日より、毎週木曜日にニコニコ生放送の配信分と『Re:ゼロから始める異世界ラジオ裏生活』と題した音泉のみのおまけ放送分がアーカイブ配信された[81]。第21回、第23回、第25回は録音配信であった。2017年2月20日[注 22]、2018年4月9日[注 23]にはSP配信された。
劇場上映されるOVA『Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow』の公開に合わせて、2018年8月18日(第34回)から2020年5月25日(第55回)まで、ニコニコ生放送で毎月1回不定期で復活配信された(後日に音泉でも配信)[82]。
アニメ第2期の放送に合わせて、2020年7月2日(第56回)より、毎週木曜21時30分にニコニコ生放送にて再度毎週更新が行われた[83]。 同年10月15日(第71回)から12月24日(第76回)まで毎月1回不定期配信だったが、後半クールの開始に合わせ、2021年1月7日(第77回)より、2021年3月25日(第88回)まで毎週更新が行われた。
スマートフォンゲーム『Re:ゼロから始める異世界生活 Lost in Memories』の配信に合わせ、第72、74、76回は映像付きのリゼロス出張版として配信された[84]。
2017年3月15日に発表された第3回アニラジアワードにおいて、「BEST FEMALE RADIO 最優秀女性ラジオ賞(新人枠)」を受賞した[85]。