2021年の国際連合事務総長選出
2021 United Nations Secretary-General selection
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2021年6月8日(安保理) 2021年6月18日(総会)
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2021年の国際連合事務総長の選出(2021ねんのこくさいれんごうじむそうちょうのせんしゅつ、英語: 2021 United Nations Secretary-General selection)は、2021年6月8日および6月18日に行われた国際連合の事務総長の選出(第18回)である。
概要
2021年6月に行われた。現職のアントニオ・グテーレスが唯一の公式候補者だった。2021年6月8日、グテーレスは国連安全保障理事会で満場一致で再推薦され、2期目に再選が決定した。同氏の再選は、2021年6月18日の国連総会において無投票で拍手により採択された。グテーレスは、2022年1月1日から2期目の任期を開始する[1]。
背景
事務総長の選出を規定する正式な規則はほぼ存在しない。唯一の指針となる文言である国際連合憲章第97条には、「事務総長は、安全保障理事会の勧告に基いて総会が任命する。」とだけ記されている。これは最低限の規定であり、プロセスの詳細は手続き規則や慣習によって補完されてきた[2]。事務総長候補の勧告は安全保障理事会しか行えないため、常任理事国5か国は事務総長の選出に際して拒否権を行使できる[3]。
これまで様々な地域の出身者が事務総長を務めてきたが、東ヨーロッパ出身者が事務総長に選ばれたことはない。また、女性も選ばれたことがない[2]。2016年の選出では、東ヨーロッパ出身者や女性を選出しようとする様々なキャンペーンが行われた[4][5][6]が、実際に選出されたのは、西ヨーロッパ出身の男性であるアントニオ・グテーレスだった。
2021年の選出においても、女性を事務総長に選出しようというキャンペーンが展開された[7]が、いずれの加盟国からも支持を得られず、安全保障理事会の審議には上がらなかった。
候補者
候補者が選考を受けるためには、少なくとも1か国の国連加盟国から指名される必要がある[8][9]。候補者を総会に推薦するために安全保障理事会が開催された6月8日の時点で、立候補を表明していた人物は8人いたが、加盟国からの指名を得られたのは現職のグテーレスのみだった[10]。
公式の候補者
現職事務総長のアントニオ・グテーレスは、2期目の選出に立候補することを表明した[11]。現職のアントニオ・グテーレスは、2021年5月までに、常任理事国5か国全て、欧州連合、非同盟運動の支持をすでに得ており、再選はほぼ確実と見られていた[12][13]。
その他の主な立候補表明者
結果
6月8日、安全保障理事会は、アントニオ・グテーレスを推薦する決議2580を全会一致で採択した。同氏の再選は、2021年6月18日の国連総会において、無投票で拍手により採択された[1]。
なお、グテーレスの1期目の就任年齢は67歳8か月で、ブトロス・ブトロス=ガーリの69歳1か月に次ぐ2番目に高い年齢だった。ただ、ブトロス=ガーリはアメリカの拒否権により1期で退任していることから、2期目に入った時点での年齢としては最高齢(72歳8か月)となっている。2023年6月18日、グテーレスはブトロス=ガーリが退任した時点での年齢を超え、最年長の国連事務総長となった。
脚注
- ^ a b “Antonio Guterres Reelected as United Nations Secretary General”. www.msn.com. 2021年6月18日閲覧。
- ^ a b “UN Secretary-General”. UNElections.org. 19 November 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。17 November 2014閲覧。
- ^ Chesterman, Simon (2007). “Introduction”. In Chesterman, Simon. Secretary or General? The UN Secretary-General in World Politics. Cambridge: Cambridge University Press. p. 7
- ^ “The next UN secretary-general: 7 women to consider”. Devex (5 January 2016). 2021年6月23日閲覧。
- ^ “Time for a Woman: United Nations—it's been over 70 years, elect a female Secretary-General”. Equality Now. 15 October 2016閲覧。
- ^ Jordan, Chuck (26 August 2016). “The next UN Secretary General should be from Eastern Europe” (英語). The Hill. 16 April 2021閲覧。
- ^ a b “Could Rosalia Arteaga become the first woman to lead the UN?”. Deutsche Welle (May 8, 2021). 2021年6月23日閲覧。
- ^ “Meet the Canadian millennial running to lead the United Nations”. CBC. https://www.cbc.ca/news/politics/arora-akanksha-united-nations-antonio-guterres-1.5974605 9 April 2021閲覧。
- ^ “Selection and Appointment of the Secretary-General of the United Nations”. www.un.org. General Assembly of the United Nations. 2021年4月15日閲覧。
- ^ “Selection of next UN secretary-general enters phase of vision statement hearing”. www.xinhuanet.com (5 May 2021). 18 May 2021閲覧。
- ^ “Guterres to seek second five-year term as UN Secretary-General” (英語). UN News (2021年1月11日). 2021年3月1日閲覧。
- ^ “Why the UN chief race might wrap sooner than expected”. Devex (2021年5月7日). 2021年5月16日閲覧。
- ^ Picard, Maurin (7 May 2021). “Antonio Guterres défend sa réélection à la tête de l’ONU” (フランス語). Le Figaro. https://www.lefigaro.fr/international/antonio-guterres-defend-sa-reelection-a-la-tete-de-l-onu-20210507 16 May 2021閲覧。
- ^ “Joint letter from the President of the General Assembly and the President of the Security Council, forwarding a communication received from the Permanent Mission of Portugal presenting Mr. António Guterres as a candidate for re-appointment to the position of Secretary-General”. United Nations. Permanent Mission of Portugal (26 February 2021). 2021年6月23日閲覧。
- ^ Gladstone, Rick (February 26, 2021). “Who Is Arora Akanksha, the 34-Year-Old Running for U.N. Secretary General?” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. オリジナルのMarch 18, 2021時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210318201241/https://www.nytimes.com/2021/02/26/world/americas/arora-akanksha-united-nations.html February 27, 2021閲覧。