雲南省(うんなんしょう、中国語: 云南省、拼音: Yúnnán Shěng, 英語: Yunnan Province)は、中華人民共和国西南部に位置する省。
省都は昆明市。略称は雲、又は滇(てん)。
省名は雲嶺(四川省との境の山地)の南にあることに由来する。
古代には中国の勢力が浸透して郡県が設置されたこともあったが晋代には再び後退し、諸民族が分立した。
唐代には南詔が出現して統一王国を形成し、宋代には大理国がこれに代わった。
大理国はモンゴル帝国のクビライに征服され、名目的には元代の雲南等処行中書省が置かれたが、クビライの庶子のフゲチを祖とする梁王家の世襲の所領とされた。
クビライが設けた三大王国・二小王国のうちの後者の一つである。この梁王国は大理の旧王家段氏の協力のもと、1390年までこの地を支配し続けた。
明代の洪武帝により梁王国が滅ぼされた際、段氏は梁王家を裏切り、その功績により再びこの地の王として復帰し、大理王国を復活させようと目論んだ。
しかしこの地の東アジア有数の銀山に目をつけていた洪武帝はこの地の統治を段氏に委ねることを拒否、この地を併合して直接支配下に組み込み、南詔以来の独立王国の歴史は終焉を迎えた。
明代には雲南布政使司が置かれ、清代に雲南省が成立した。
明代以後、漢民族が大量に流入して多数を占めるようになり漢民族の地になった。
清末期には、この地に居住するイスラム教徒の回族が反乱を起こし、漢族と回族の紛争が続いた(回民蜂起参照)。
1855年から1873年にかけては雲南省でパンゼーの乱が起こっている。
日中戦争間は援蒋ルートをめぐって中国国民党軍と日本軍との間で攻防戦(拉孟・騰越の戦い・ビルマの戦い)が繰り広げられた。
雲南省と日本国とは複数の航空会社が運航する航空路線で結ばれており、本拠地とする中国東方航空や雲南祥鵬航空により、省内中心都市昆明市の空の玄関口である昆明長水国際空港から日本の三大都市圏(東京・大阪・名古屋)の国際空港との間で定期国際便が運航されている。高いビジネス需要によって、時期によってはこれらの路線にA330などの大型機が投入される事もあり、活況を呈している。
8地級市と8自治州が17市轄区・18県級市・65県・29自治県を管轄する。詳細は下部データボックスを参照。
全体に荒涼とした岩山が目立つ中国のなかで雲南省は緑の森林に恵まれている。
しかも地形が複雑で、南部の低地では亜熱帯性気候もあれば北部の高山地帯では亜寒帯性気候もあり、気候も多様である。
このため、動植物相が豊富で特に園芸の分野では新種の花卉の産地として知られる。
中華人民共和国の最西南部に位置し、南部でベトナム・ラオスと国境を接し、南部から西部にかけてミャンマーと接する。北西部はチベット自治区、北部は四川省、北東部は貴州省、東部は広西チワン族自治区と接する。
東部は石灰岩台地で、カルスト地形の深い峡谷を川が流れる景勝地である。
西部は山地でサルウィン川とメコン川が流れる。
鉱物資源に恵まれ、錫・亜鉛、鉛、カドミウム、インジウム、タリウムの埋蔵は中国最大で、ほかにも鉄、石炭、銅、亜鉛、金、水銀、銀、アンチモンが豊富にある。
雲南省の降水量は中国平均の4倍で、水力発電が盛んである。
省の政府工作報告によれば、2004年の全省生産総額(GDP)は対前年比11.5%増の2959.5億人民元であった。西部大開発政策の進展により、雲南ではベトナム、ミャンマーとの辺境貿易が活発化しており、対外輸出額は前年比33.6%増の22.4億米ドル、輸入額は前年比52%増の15億米ドルであった。財政総収入も前年比20.2%増の666.3億元となっている。
タイとは陸続きではないので、ラオスを中間に挟むトラックによる三国間陸上輸送か、国際河川のメコン河を用いた水運が交通手段となる。メコン河上流の瀾滄江は、普洱市・景洪市を流れる。船舶航行協定によって、普洱市思茅港から景洪市景洪港を通り下流のルアンパバーンまでの全長886キロメートル区間で自由貿易が可能となった。
省都昆明市の昆明長水国際空港を始めとして、保山市・昭通市・麗江市・普洱市・臨滄市の各地級市、芒市・シャングリラ市・大理市・景洪市といった各県級市に空港が設置され中国各地と結ばれている。昆明長水国際空港は国際空港として東南アジア・南アジア・欧米各国の他、日本との航空路線も持つ。
昆明市を中心に峨広線(中国語版)(成都方面)・滬昆線(貴陽方面)・南昆線(南寧方面)といった各鉄道路線が放射状に延びており、ベトナム国境の河口ヤオ族自治県までは昆玉河線が運行されている。ラオス国境の勐臘県までは玉磨線が運行されており、その先は中国ラオス鉄道に接続している。ミャンマー国境の瑞麗市までは大瑞線が建設中。またチベット自治区とを滇蔵線で結ぶ計画が存在しており、シャングリラ市まで開通している。
2012年には雲南省で初の地下鉄となる昆明軌道交通が試運転を開始した。
2016年末には滬昆旅客専用線、南昆旅客専用線といった高速鉄道路線が相次いで開業した。
主な高速道路として、首都放射線を構成する京昆高速道路、南北縦貫線を構成する渝昆高速道路、東西横断線を構成する杭瑞高速道路・滬昆高速道路・汕昆高速道路・広昆高速道路が省内を通過している。ミャンマー国境の瑞麗市までは杭瑞高速道路、ラオス国境の勐臘県までは昆磨高速道路、ベトナム国境の河口までは開河高速道路が開通済みである。
雲南第五回人口調査広報2002年1月7日雲南省統計局によると、2001年4月28日6歳及び6歳以上の人口の中に,高等教育(大学以上)の人口は85.3万人,約2.23%;中等教育(高校、専門学校など)の人口は278.0万人,約7.27%;初等教育(初中)の人口は899.4万人,約23.53%;小学教育人口は1896.3万人,約49.60%。
雲南省で最も多い少数民族はイ族で、400万を越えている。
中国では雲南省にしかいない少数民族が15ほど存在する。
省都の昆明に雲南民族村が観光用にある。
この項目は、中国の地理に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(P:中国/PJ:中国)。
1 大陸沿岸の一部島嶼は中華民国が福建省・金馬地区として管轄している。
2 全域が中華人民共和国の管轄外にあるため、実体のある地方政府が存在しない。(詳細は台湾問題を参照。)
1 中華民国の領域(中国語版)のうち、1955年の大陳島撤退作戦以降も中華民国政府が実効支配する地区は台湾地区(自由地区)、台湾地区以外の境域を大陸地区と呼称。行政区分は2006年刊行の「中華民國九十四年年鑑」に基づく。同書を最後に、政府は大陸地区に関する行政公告を出していない。
2 金馬地区(金門県と連江県の一部)は台湾地区に、金馬地区以外は大陸地区にそれぞれ属する。
3 全域が台湾地区に属する。1912年の建国時点では日本(日本領台湾)に属していたが、日本の降伏を契機として1945年に国民政府が中華民国に編入した(台湾光復)。ただし、台湾では中華民国への編入に対し異論も存在する(詳細は台湾地位未定論参照)。
4 1949年の遷台以前(大陸統治時代)、香港はイギリス(イギリス領香港)の、マカオはポルトガル(ポルトガル領マカオ)の植民地であった為、両地域には大陸地区の行政区分が適用されていない。(詳細は台湾香港関係、または台湾マカオ関係(中国語版)参照。)
滇 - 夜郎 - 爨 - 六詔 - 南詔 - 大理国 - 大中国 - 後大理国 - 梁王国 - 雲南省(大理ペー族自治州)
座標: 北緯25度03分 東経101度52分 / 北緯25.050度 東経101.867度 / 25.050; 101.867
Lokasi Pengunjung: 3.145.154.219