若林駅(わかばやしえき)は愛知県豊田市若林東町にある、名古屋鉄道(名鉄)三河線の駅である。駅番号はMY03。
歴史
駅構造
島式ホーム1面2線を配する地上駅。日本の鉄道は通常は進行方向に対して左側に停車するが、この駅は構内踏切の位置の関係で、乗車する客の安全を確保するため、右側に停車する[8]。ホーム上にはワンマン運転支援用のセンサーポールが設置されていたが[9]、高架化事業に伴う仮線移行時に廃止された[10]。
駅集中管理システムを導入した無人駅であり、豊田市駅から遠隔管理されている。なお、2021年1月31日までは特殊勤務駅で、午前7時 - 午前11時まで駅員が駐在していた[3]。改札口とホームとは猿投寄りの構内踏切で行き来でき、改札口付近には自動券売機(新規manaca通勤定期乗車券及び継続manaca定期乗車券の購入にも対応しているが、7:00~22:00以外の時間帯は名鉄ミューズカードでの決済は不可能[11]である)と自動精算機(ICカードの積み増し等も可能)を1台ずつ備えている。
配線図
若林駅 構内配線略図
← 豊田市・ 猿投方面 |
|
→ 知立方面 |
凡例
出典:[16] |
利用状況
旅客
- 『移動等円滑化取組報告書』によると、2020年度の1日平均乗降人員は4,935人である[17]。
- 『名鉄120年:近20年のあゆみ』によると2013年度当時の1日平均乗降人員は5,580人であり、この値は名鉄全駅(275駅)中73位、三河線(23駅)中7位であった[18]。
- 『名古屋鉄道百年史』によると1992年度当時の1日平均乗降人員は6,350人であり、この値は岐阜市内線均一運賃区間内各駅(岐阜市内線・田神線・美濃町線徹明町駅 - 琴塚駅間)を除く名鉄全駅(342駅)中68位、三河線(38駅)中4位であった[19]。
『愛知県統計書』『愛知県統計年鑑』『豊田市統計書』各号によると、一日平均乗車人員および一日平均乗降人員の推移は以下の通りである。
一日平均乗車・乗降人員の推移
年 | 乗車人員 | 乗降人員 | 備考 |
---|
総数 | 定期 | 総数 | 定期 |
---|
1920(大正09)年度 | 40 | | 58 | | 7月5日開業[20] |
1921(大正10)年度 | 63 | | 118 | | [21] |
1922(大正11)年度 | | | | | |
1923(大正12)年度 | | | | | |
1924(大正13)年度 | | | | | |
1925(大正14)年度 | | | | | |
1926(大正15)年度 | | | | | |
1927(昭和02)年度 | | | | | |
1928(昭和03)年度 | | | | | |
1929(昭和04)年度 | | | | | |
1930(昭和05)年度 | | | | | |
1931(昭和06)年度 | | | | | |
1932(昭和07)年度 | | | | | |
1933(昭和08)年度 | | | | | |
1934(昭和09)年度 | | | | | |
1935(昭和10)年度 | | | | | |
1936(昭和11)年度 | | | | | |
1937(昭和12)年度 | | | | | |
1938(昭和13)年度 | | | | | |
1939(昭和14)年度 | | | | | |
1940(昭和15)年度 | | | | | |
1941(昭和16)年度 | | | | | |
1942(昭和17)年度 | | | | | |
1943(昭和18)年度 | | | | | |
1944(昭和19)年度 | | | | | |
1945(昭和20)年度 | | | | | |
1946(昭和21)年度 | | | | | |
1947(昭和22)年度 | | | | | |
1948(昭和23)年度 | | | | | |
1949(昭和24)年度 | *778 | | *1531 | | 期間は1949年5月 - 1950年4月末[22] |
1950(昭和25)年度 | *671 | | *1282 | | 期間は1949年11月 - 1950年10月末[23] |
1951(昭和26)年度 | *858 | | *1669 | | [24] |
1952(昭和27)年度 | 803 | | 1593 | | [25] |
1953(昭和28)年度 | 858 | | 1719 | | [26] |
1954(昭和29)年度 | 830 | | 1660 | | [27] |
1955(昭和30)年度 | 829 | | 1660 | | [28] |
1956(昭和31)年度 | 929 | | 1855 | | [29] |
1957(昭和32)年度 | 1000 | | 1992 | | [30] |
1958(昭和33)年度 | | | | | |
1959(昭和34)年度 | | | | | |
1960(昭和35)年度 | | | | | |
1961(昭和36)年度 | | | | | |
1962(昭和37)年度 | | | | | |
1963(昭和38)年度 | | | | | |
1964(昭和39)年度 | | | | | |
1965(昭和40)年度 | 1754 | 1396 | 3514 | 2792 | [31] |
1966(昭和41)年度 | 1838 | 1498 | 3682 | 2996 | [32] |
1967(昭和42)年度 | 2202 | 1793 | 4408 | 3586 | [32] |
1968(昭和43)年度 | 2314 | 1897 | 4629 | 3794 | [32] |
1969(昭和44)年度 | 2238 | 1790 | 4475 | 3580 | [33] |
1970(昭和45)年度 | 2323 | 1796 | 4642 | 3592 | [33] |
1971(昭和46)年度 | 2263 | 1746 | 4519 | 3492 | [33] |
1972(昭和47)年度 | 2165 | 1640 | 4325 | 3280 | [34] |
1973(昭和48)年度 | 2122 | 1577 | 4224 | 3154 | [34] |
1974(昭和49)年度 | 2150 | 1576 | 4269 | 3152 | [34] |
1975(昭和50)年度 | 2162 | 1593 | 4288 | 3185 | [35] |
1976(昭和51)年度 | 2109 | 1554 | 4202 | 3108 | [36] |
1977(昭和52)年度 | | | 4242 | 3094 | [37] |
1978(昭和53)年度 | 2223 | 1617 | 4261 | 3068 | [38][37] |
1979(昭和54)年度 | 2172 | 1541 | 4169 | 2921 | [39][40] |
1980(昭和55)年度 | 2369 | 1687 | 4559 | 3204 | [41][40] |
1981(昭和56)年度 | 2420 | 1731 | 4676 | 3306 | [42][43] |
1982(昭和57)年度 | 2516 | 1793 | 5119 | 3640 | [44][43] |
1983(昭和58)年度 | 2668 | 1952 | 5172 | 3750 | [45][46] |
1984(昭和59)年度 | 2725 | 2004 | 5270 | 3840 | [47][46] |
1985(昭和60)年度 | 2703 | 1978 | 5625 | 4112 | [48][46] |
1986(昭和61)年度 | 2715 | 1995 | 5667 | 4200 | [49][46] |
1987(昭和62)年度 | 2713 | 2015 | 5715 | 4290 | [50][46] |
1988(昭和63)年度 | 2678 | 1955 | 5350 | 3910 | [51][52] |
1989(平成元)年度 | 2687 | 1957 | 5371 | 3914 | [53][52] |
1990(平成02)年度 | 2846 | 2110 | 5750 | 4284 | [54][52] |
1991(平成03)年度 | 3090 | 2293 | 6192 | 4602 | [55][52] |
1992(平成04)年度 | 3173 | 2364 | 6350 | 4738 | [56][52] |
1993(平成05)年度 | 3166 | 2356 | 6349 | 4734 | [57][58] |
1994(平成06)年度 | 3093 | 2334 | 6187 | 4668 | [59][58] |
1995(平成07)年度 | 3052 | 2296 | 6011 | 4580 | [60][58] |
1996(平成08)年度 | 3044 | 2276 | 6078 | 4552 | [61][58] |
1997(平成09)年度 | 2858 | 2135 | 5703 | 4270 | [62][58] |
1998(平成10)年度 | 2636 | 1939 | 5534 | 4118 | [63][64] |
1999(平成11)年度 | 2554 | 1887 | 5097 | 3774 | [65][64] |
2000(平成12)年度 | 2513 | 1824 | 5181 | 3804 | [66][64] |
2001(平成13)年度 | 2437 | 1706 | 4849 | 3412 | [67][64] |
2002(平成14)年度 | 2395 | 1655 | 4760 | 3310 | [68][64] |
2003(平成15)年度 | 2400 | 1653 | 4770 | 3306 | [69][70] |
2004(平成16)年度 | 2432 | 1668 | 4827 | 3336 | [71][72] |
2005(平成17)年度 | 2485 | 1698 | 4932 | 3396 | [73][72] |
2006(平成18)年度 | 2453 | 1673 | 4869 | 3346 | [74][72] |
2007(平成19)年度 | 2500 | 1679 | 4961 | 3358 | [75][72] |
2008(平成20)年度 | 2517 | 1680 | 4996 | 3360 | [72] |
2009(平成21)年度 | 2461 | 1680 | 4895 | 3360 | [76] |
2010(平成22)年度 | 2463 | 1684 | 4900 | 3368 | [76] |
2011(平成23)年度 | | | 5105 | 3548 | [76] |
2012(平成24)年度 | | | 5318 | 3722 | [76] |
2013(平成25)年度 | | | 5580 | 3994 | [76] |
2014(平成26)年度 | | | 5566 | 4014 | [77] |
2015(平成27)年度 | | | 5917 | 4324 | [77] |
2016(平成28)年度 | | | 5958 | 4380 | [77] |
2017(平成29)年度 | | | 6051 | 4454 | [77] |
2018(平成30)年度 | | | 6129 | 4484 | [77] |
2019(令和元)年度 | | | 6224 | 4592 | [78] |
2020(令和02)年度 | | | 4935 | | [17] |
* 千人単位からの概算値
貨物
貨物取扱量の推移(トン)
年 | 発送 | 到着 | 備考 |
---|
1960(昭和35)年度 | | | [79] |
1961(昭和36)年度 | | | [79] |
1962(昭和37)年度 | 203 | 7104 | [79] |
1963(昭和38)年度 | 311 | 2071 | [79] |
1964(昭和39)年度 | 10 | 754 | [79] |
時期 | 発送 | 到着 | 資料 |
---|
主要品目 | 主要着地 | 主要品目 | 主要発地 |
---|
1960年代 | | | 肥料 | 山陽・関東地方 | 『豊田市の統計 昭和42年版』[79] |
駅周辺
豊田市南部の田園地帯にある駅である。駅西方には田園風景が広がる。駅本屋及び出口のある駅東側は商店と住宅が混在する若林地区の中心である。その住宅街を抜けて1kmほどのところには豊田南高等学校があるため、朝夕ラッシュ時には高校生で混雑する。駅西側へは駅舎から線路に沿って北へ200mほどのところにある踏切を渡る必要がある。踏切を渡ったところに若林交流館があり、「ふれあいバス」の停留所となっている。田園地帯を抜けてさらに西へ1.5kmほど行くと国道155号にぶつかり、沿うように豊田市立高岡中学校、豊田市役所高岡支所、西三河自動車検査登録事務所がある。
主な施設
バス路線
- コミュニティバス
隣の駅
- 名古屋鉄道
- MY 三河線(山線)
- 竹村駅(MY04) - 若林駅(MY03) - 三河八橋駅(MY02)
名鉄三河線若林駅付近連続立体交差事業
高架化のされていない若林駅周辺では、名鉄三河線により地区が東西に分断されている。そのうえ、周辺道路が脆弱なため、既存踏切付近での渋滞や生活道路での交通の錯綜が発生している。また、既存の踏切は歩車非分離で狭小なため、車両のすれ違いは困難であり、歩行者や自転車の安全確保が急務となっている。
そのため、若林駅とその周辺の2.2キロメートルを連続立体交差事業として高架化し、道路整備により4箇所の踏切を除却する[80]。これにより、安全で円滑な道路交通環境を確保し、東西に分断した地域の一体化の実現を図る。それとともに、駅前広場と一体となって整備を進めることで、鉄道と道路の交通結節点として、安全で円滑な交通を確保し、交通機関相互の乗り継ぎの利便性の向上を図るとともに、安全で快適な魅力あるまちづくりを推進する。
この事業の全体事業費は約334.8億円である。2015年度(平成27年度)の都市計画決定を経て2018年(平成30年)4月3日に都市計画事業認可を受けた。その後、2019年度(平成31年度)に工事が開始されている。2023年(令和5年)3月4日には仮線への切り替えをおこなった。2026年度(令和8年度)には全体事業が完了する予定である[81][82]。
なお、この高架化では、駅間の高架橋は複線幅で建設し、若林駅は2面4線幅で建設する[83]。
脚注
注釈
- ^ 国土交通省が公表した2018年度の再評価結果では、2024年度の予定だった[7]。
- ^ 名鉄公式サイトにおいては「三河線(知立〜猿投)」と表記される[14]。
出典
- ^ 名古屋鉄道広報宣伝部(編)『名古屋鉄道百年史』名古屋鉄道、1994年、1010頁。
- ^ 神谷力(編)『三河を走って85年―三河線・挙母線とともに歩んだ郷土の歴史と文化』郷土文化社、2000年、235頁。ISBN 978-4876701292。
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- ^ 鉄道高架化通信 第10号 (PDF) - 豊田市建設部街路課、2022年1月8日閲覧。
- ^ “名鉄三河線・三河八橋-竹村間を仮線に切替え…若林駅高架化の第一歩 3月4日(レスポンス)”. Yahoo!ニュース. 2023年1月19日閲覧。
- ^ a b 鉄道高架化通信 第41号 (PDF) - 豊田市建設部街路課、2024年4月23日閲覧。
- ^ 平成30年度 再評価結果 (PDF) - 国土交通省、2024年4月19日閲覧。
- ^ “Wind 2013年1月号” (PDF). 名古屋鉄道. p. 20. 2024年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月4日閲覧。
- ^ 太田修二「信号設備の概要」『鉄道ピクトリアル』第771巻、電気車研究会、2006年1月、94頁。
- ^ “鉄道高架化通信 第24号”. 豊田市建設部街路課 (2022年12月). 2023年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月4日閲覧。
- ^ “名古屋鉄道”. 名古屋鉄道. 2024年9月28日閲覧。
- ^ 清水武「名古屋鉄道各線相互の直通運転」『鉄道ピクトリアル』第246巻、電気車研究会、1971年1月、64頁。
- ^ 太田貴之「輸送と運転 近年の動向」『鉄道ピクトリアル』第816巻、電気車研究会、2009年3月、38頁。
- ^ 三河線(知立〜猿投) 路線・駅情報 - 電車のご利用案内、2021年10月3日閲覧
- ^ a b “若林(MY03)(わかばやし) 路線一覧”. 名古屋鉄道. 2021年10月3日閲覧。
- ^ 川島令三、『東海道ライン 全線・全駅・全配線 第4巻 豊橋駅 - 名古屋エリア』、pp.12-13、講談社、2009年6月、ISBN 978-4062700146
- ^ a b “令和2年度 移動等円滑化取組報告書(鉄道駅)” (PDF). 名古屋鉄道. 2021年10月3日閲覧。
- ^ 名鉄120年史編纂委員会事務局(編)『名鉄120年:近20年のあゆみ』名古屋鉄道、2014年、160-162頁。
- ^ 名古屋鉄道広報宣伝部(編)『名古屋鉄道百年史』名古屋鉄道、1994年、651-653頁。
- ^ 『愛知県統計書. 大正9年 第1編』、(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 『愛知県統計書. 大正10年 第1編』、(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 『愛知県統計書. 昭和24年』、(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 愛知県(編)『愛知県統計年鑑 昭和27年刊行』、愛知県、1952年、330頁
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- ^ 豊田市総務部企画課(編)『豊田市統計書 昭和51年版』、豊田市、1977年、162-163頁
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- ^ 愛知県企画振興部統計課(編)『愛知県統計年鑑 平成16年度刊』、愛知県、2005年、第10章 運輸・通信
- ^ 愛知県企画振興部統計課(編)『愛知県統計年鑑 平成17年度刊』、愛知県、2006年、第10章 運輸・通信
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- ^ 愛知県県民生活部統計課(編)『愛知県統計年鑑 平成18年度刊』、愛知県、2007年、第10章 運輸・通信
- ^ a b c d e 豊田市総務部庶務課(編)『豊田市統計書 平成20年版』、豊田市、2010年、260-261頁
- ^ 愛知県県民生活部統計課(編)『愛知県統計年鑑 平成19年度刊』、愛知県、2008年、第10章 運輸・通信
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- ^ “再評価結果(令和6年度事業継続箇所)” (PDF). 国土交通省. 2024年11月30日閲覧。
- ^ “連立事業パンフレット” (PDF). 豊田市. 2024年11月30日閲覧。
関連項目
外部リンク