白鴎型ミサイル艇 (ペックがたミサイルてい、朝鮮語: 백구급 미사일 고속정)は、大韓民国海軍のミサイル艇の艦級。アメリカ海軍からアシュビル級哨戒艇(英語版)1隻を購入したのち、その準同型艇を発注したもので、後期建造分は国産化された。PSMM-5型とも称される。
来歴
朝鮮人民軍海軍は、まずコマール型(183R型)、また1968年からはより大型で強力なオーサ型(205型)を配備して、ミサイル艇戦力を整備していた。また1960年代後半からは、工作船(FIAC)についても、大型化・高速化や武装の強化を進めていった。
これに対し、韓国海軍では、まず1967年よりアメリカ沿岸警備隊のケープ型カッター(英語版)の譲渡を受けて梟(オルッペミ)型として再就役させるとともに、1971年にはアメリカ海軍のアシュビル級哨戒艇(英語版)の1隻である「ベニシア」(PG-96)を購入して「白鴎」として再就役させた。
またこれに続いて、同級を元にした準同型艇の導入にも着手した。その第1陣となる「白鴎52号」は、同級を設計したアメリカ合衆国のシアトル・タコマ造船所で、1975年3月14日に起工された。その後、4番艇「白鴎56号」以降は、装備に小改正を加えたうえで韓国タコマ造船所(現在の韓進重工業)で建造された。
設計
上記の経緯により、基本的な設計はアシュビル級に基づいているが、船体は3.5メートル延長され、基準排水量にして15トンの大型化となった。船体はアルミニウム合金製である。また主機関も、「白鴎51号」ではカミンズVT12-875Mディーゼルエンジン2基とLM1500ガスタービンエンジン(ゼネラル・エレクトリック J79の舶用転用型)1基によるCODOG機関(最大12,500馬力)であったのに対し、AVCO TF-35ガスタービンエンジンによるCOGAG機関(最大16,800馬力)に強化されている。
「白鴎」は、アメリカ海軍在籍中の1971年、試験的にRGM-66D「スタンダード」艦対艦ミサイル(SSM)を搭載しており、韓国への譲渡後の1975年から1976年にかけて再装備された。前期建造艇でもこれを踏襲して、単装発射筒2基に収容して搭載しており、また次発装填装置を備えていた。主砲としては50口径7.6cm単装速射砲(Mk.34 3インチ砲)を備えており、AN/SPG-50追尾レーダーを備えたMk.63 砲射撃指揮装置による統制を受けていた。後期型では、艦対艦ミサイルは新開発のハープーンに、また主砲も76mmコンパット砲とW-120追尾レーダーの組み合わせに変更された。
同型艇
建造時期 |
# |
艦名 |
造船所 |
就役 |
退役
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旧米軍艦
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PGM-11→101 →351 |
白鴎 →白鴎51号 |
シアトル・タコマ |
1971年10月 [注 2] |
1996年から1998年にかけて 順次に退役
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前期型
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PGM-352 |
白鴎52号 |
1975年3月
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PGM-353 |
白鴎53号
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PGM-355 |
白鴎55号 |
1975年2月
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後期型
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PGM-356 |
白鴎56号 |
韓国タコマ
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PGM-357 |
白鴎57号 |
1977年
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PGM-358 |
白鴎58号
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PGM-359 |
白鴎59号
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PGM-360 |
白鴎60号 |
1978年
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脚注
注釈
- ^ 本型の経験を踏まえて、韓国タコマ社で2隻が試作されたミサイル艇。満載140トン、全長32.9メートルでエグゾセ2発を搭載したが、続く大鷲型は、フランス製兵器の導入についてアメリカが難色を示したために、砲艇として建造された。
- ^ アメリカ軍艦としては1970年4月に就役。
出典
参考文献
外部リンク