産交バス天草営業所(さんこうバスあまくさえいぎょうしょ)は九州産交バスの子会社である産交バスの営業所の一つ。
かつて、1991年からは本体である九州産業交通より地域毎に分社化され、天草産交発足と同時に同社の本社という役割も担っていたが、2005年4月の子会社再構築により現在は産交バスの営業所として位置する。なお、当営業所には乗車券窓口は無いため、営業所から2kmほど離れた本渡バスセンターが乗車券発券などの一部業務を担っている。
熊本県天草市北浜町 (最寄りバス停:産交車庫前)
他に教良木車庫(1台)、浦車庫(台数不明)、河浦車庫(3台)、赤崎車庫(2台)がある。かつては天草各地に駐在車庫を設けていたが、路線廃止と同時に駐在車庫を閉鎖した所も多い。
元々は主に天草下島全域ならびに上天草市の松島町までといった天草島内のほとんどをカバーしていた。2022年10月1日を以って牛深営業所を統合し、2024年6月1日を以って三角営業所を統合した。それにより、現在は天草島内全域ならびに宇城市三角地区全域、遠くは宇城市の松合地区・不知火地区・松橋地区および宇土市の一部も運行エリアに含まれる(快速バス「あまくさ号」が停車する宇土駅以降の停車箇所は運行エリアから除外)。なお、当営業所前から乗降できる路線は極めて少なく、当営業所管轄の天草島内路線のほとんどが本渡バスセンターを主な乗降拠点としているため、全ての路線が当営業所を出庫し本渡バスセンターまで「回送」ののち各方面へ営業運行をおこない、各方面から本渡バスセンターまでの折り返し営業運行終了後に「回送」で当営業所へ入庫する。かつて九州産業交通発足前においては複数の乗合事業者が天草島内路線を運行しており、当社発足後にそれまでの事業者から産交バスに統合された経緯から路線数もかなり多く、中には重複した系統も多くみられるなど複雑な路線網を形成していたが、2009年10月1日より一部路線の統合・廃止などの大幅再編が実施され、路線数も大幅に整理されると共に、天草市の補助により本渡市街地を巡回するコミュニティバス(のってみゅうかー)の運行を開始している[2]。この再編とコミュニティバス運行開始に際し、天草諸島(天草市・上天草市・苓北町)では高齢者運転免許返納制度を導入し、天草諸島在住の65歳以上で、運転免許証を自主返納した人に産交バスが免許返納者割引乗車証を発行、これを提示した場合天草諸島全域の路線バスが半額となる扱いを開始した。
なお、当営業所が管轄する天草諸島は2000年代以降、地域によっては過疎化や空洞化・少子高齢化が進み、さらには若者を中心としたマイカーの普及などモータリゼーションの加速化の影響によりバスを利用する乗客が年々減少し、乗車率も悪化してきており、逆に沿線自治体からの産交バスへの運行支援補助のための財政負担も年々増加して行ったため、2010年代に入ると天草諸島各自治体における「公共交通連携計画」を策定した上で、それに基づき路線バスの運行区間が年々短縮し、系統分割によって乗り換えを必要とする区間も増えたほか、さらに追い打ちをかけるかのように近年の深刻な乗務員不足とも相まって全体的に運行本数も大幅に減少しており、特に中山間地域や山間地域においては幾つかの路線が廃止となり、それと共に多くの停留所が廃止され、公共交通機関空白地域となった区間も目立ってきている(一部の地域ではその代替としてその地域(旧町域)自治体が巡回バスを運行またはデマンド方式乗合タクシーへの運行補助がなされている)[3][4]。
このほか、上天草市・宇城市・宇土市を経由して県都・熊本市とを結ぶ快速バス「あまくさ号」を運行している。以前は親会社の九州産交バスとの共同運行において担当していた[5]が、2018年11月末日を以って九州産交バスが運行から撤退したため、現在は全便当営業所による担当となった。夕方天草発の便は終点到着後、熊本市中央区琴平にある本荘車庫において夜間停泊し、翌朝の便において折り返し運行を行っている。なお、先述した高齢者のための免許返納者割引乗車証は「あまくさ号」でも使用可能で、天草諸島内(産交車庫前 - 登立)のみでの利用は勿論、天草諸島内いずれかの停留所からの乗車であれば、宇城市・宇土市・熊本市まで利用しても割引が適用(逆に天草諸島外から天草諸島内にて降車する場合も同様)され、これらの区間が全て半額で乗車できる。
尚、当営業所からは直接乗車できないが、市道沿いの「産交車庫前」バス停において下記の路線を利用できる。
一時期は当営業所を出発する天草諸島内全てのバスが利用できたが、2005年頃に利用できなくなり、現在上記以外の天草諸島内完結路線については全て本渡バスセンターからの乗降となる。
主に天草下島地域である天草市牛深地区(旧牛深市)ならびに河浦地区(旧河浦町)を起点に、本渡地区(旧本渡市)・高浜地区(旧天草町)とを結ぶ一般路線バスを担当している。
あまくさ号とは、熊本県熊本市の熊本桜町バスターミナル(以下「桜町BT」と略)~天草市とを結ぶ快速バス。以前は九州産交バス熊本営業部高速バス営業所(現:高速営業所)との共同運行路線であったが、現在は全便を当営業所が単独で運行している。
あまくさ号には快速・超快速の2系統がある。太字は停車停留所。
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