人間椅子(にんげんいす、英: Ningen Isu)は、日本のスリーピースロックバンド[1][5]。所属レーベルは徳間ジャパンコミュニケーションズ。
1987年、青森県弘前市出身の和嶋慎治と鈴木研一によって結成された。ブラック・サバスを彷彿とさせる70年代風ブリティッシュ・ハードロックのサウンドに、日本語・津軽弁での歌唱、怪奇をテーマとした世界観の歌詞を乗せた、独特の音楽性を特徴とする[6]。
オリジナルメンバーでありフロントマンである和嶋慎治(ギター)と、鈴木研一(ベース)を中心に来歴を列挙する。
1978年、和嶋は弘前市立第三中学、鈴木は弘前市立第四中学校に入学。
両者とも中学校時代から地元のロック鑑賞会を通して親交があった。まだバンド結成にこそ至っていなかったが、鈴木が持ち寄っていたKISSのレコードを和嶋が視聴したり、皆で楽器のセッションをするなど、すでに音楽的な交流の萌芽を見せていた。当時、和嶋はビートルズ、キング・クリムゾン、ディープ・パープル、レッド・ツェッペリン[7]、鈴木はKISS、サクソン、ジューダス・プリーストなどがコピーの中心だった[8]。
1981年、両者がともに青森県立弘前高等学校へ入学、そこから音楽仲間として徐々に交流が深まってゆく。すでに和嶋が宅録で作曲をしていたことを受け、鈴木は『デーモン』という曲を作る。これが『りんごの泪』の原型となった。
1982年(高校2年生)、和嶋は自室にてUFOと遭遇したことにより、精神状態が変容する。この超常現象による音楽性への影響も大きく、作曲の傾向も恋愛や青春から、厭世的で終末思想的なものに一変したという[9]。終末をテーマとした『鉄格子黙示録』を作曲し、音楽仲間に聴かせたところ皆は気味悪がったが、鈴木だけは「今までの曲の中で一番好きだ」と評した[10]。いわば、人間椅子の世界観のひとつが確立された時期でもあり、後にこの曲は人間椅子としての楽曲となっている。
1983年(高校3年生)、音楽仲間によって結成されたバンドに和嶋がギター、鈴木がベース担当として在籍する。文化祭にて、和嶋らが作詞作曲したハードロック調のオリジナル曲を披露したことが、人間椅子としての音楽活動の黎明となった。なおこの時のバンドは、両者にとっては不本意ながらも佐野元春のコピーがメインにもかかわらず、名前が「死ね死ね団」だった[11]。
1984年(高校卒業後)、両者とも浪人生となったが頻繁に文通でやりとりをしていた。当時、鈴木はブラック・サバスに心酔しており、是非とも和嶋にも好きになって貰いたく、「ブラックサバス ベストセレクションVol.1」と銘打ったカセットを手紙と共に送る。そして和嶋が見事にサバスを気に入ったことで、鈴木の思惑は功を奏した。和嶋いわく、サバスの重苦しいサウンドが、浪人中の悶々とした気分にぴったりとハマったのだとか。両者は文通を継続しながらも、大学に合格すればバンドを組むことを約束し合う[12]。
1985年、和嶋は駒澤大学仏教学部、鈴木は上智大学外国語学部ロシア語学科へと入学。両者の交流は活発になり、共に死ね死ね団の残党としてバンド活動を再開させ、ブリティッシュ・ハードロックを中心としたコピーを行う。
1987年(大学3年生)、オリジナルの作曲も始め、都内のライブハウスを拠点として活動を本格化させた。この時に情報誌「ぴあ」で同名のバンドの存在を知り、すぐさま「人間椅子」に改名する。この時のドラマーは上館徳芳[13]だった。
1988年(大学4年生)、就職活動の時期となり、メンバーの間でもバンドは趣味で続けていくほかないという雰囲気が流れていた。ある日、大学卒業が間近となっても就職先が見つかっていなかった和嶋がレコード店でブルースのレコードを物色していた。すると、就職活動帰りの鈴木と偶然出くわし、彼から「和嶋ァ、わ、やっぱり就職やめで、バンドやるごとにしたじゃあ」[注 1]と言われ、本格的な音楽活動に誘われたという[14][15]。鈴木は日立建機に就職が内定していたにもかかわらず、それを蹴った(辞退した)[16]。両者とも、この時の出来事を「運命」と形容している[8]。
1989年、TBS系列で放送されていた深夜番組「三宅裕司のいかすバンド天国」(通称:イカ天)に出演し『陰獣』を演奏。鈴木の奇抜な衣装がゆえんで色物バンドと見られていたが、その見た目とは裏腹に非常に卓越した演奏技術と、圧倒的かつ独特な世界観を見せつけ、辛口の審査員たちからも番組史上数少ない”青ランプ連発”で絶賛され完奏した[注 2]。
バンドブームに乗じて日本で数少ない70年代を基調としたハードロックバンドとして認知されたが、ブーム終息後は浮き沈みを経験。ドラマーの入れ替わりやインディーズでの活動を経ながらもバンドを存続。
1990年、メルダックより『人間失格』でメジャー・デビュー。
1992年、3rdアルバム『黄金の夜明け』の発売後、初代ドラマーの上館徳芳が脱退[17]。
1993年、4thアルバム『羅生門』を発売。後藤マスヒロがサポート・メンバーとして参加[17]。
1995年、インディーズのレーベルであるフライハイトに移籍し、5thアルバム『踊る一寸法師』を発表、2代目ドラマーとなる土屋巌が加入[17]。
1996年、人間椅子のファンであり、漫画『無限の住人』の原作者でもある沙村広明の依頼により、同名のイメージ・アルバム『無限の住人』を発売。当作のツアーを前に土屋巌が脱退。 3代目ドラマーとなる後藤マスヒロが正式メンバーとして加入[17]。
1998年7月、再びメルダックと契約しメジャー・レーベルに復帰[17]。
2003年12月、Shibuya O-WESTでのライブを最後に、後藤マスヒロが脱退[17]。
2004年6月、4代目ドラマーとしてナカジマノブが加入[17]。2007年には、新宿ロフトでの「猟奇大作戦〜赤い夕陽が校舎を染めて、お前の額に釘を打つ」にて、改名のきっかけとなったバンド「死ね死ね団」と初共演。
2009年には活動20周年を記念して『人間椅子傑作選 二十周年記念ベスト盤』をリリース。2011年には通算20枚目のアルバム『此岸礼讃』を発表した。
ライブの動員の増加、CDのセールス向上などにより、それまでの低迷期から人気再燃の兆しが見えはじめ、ついに2013年にロックフェス「オズフェスト」への出演を契機として「絶頂期」と称されるブレイクを迎えることとなる[18]。
2012年11月21日に発売されたももいろクローバーZの『サラバ、愛しき悲しみたちよ』に収録された『黒い週末』にて、和嶋がギター演奏で参加。ブラック・サバスのオマージュである当作に相応しい、トニー・アイオミを思わせるサウンドが演奏可能なギタリストとして和嶋の名が挙がり、筋肉少女帯の大槻ケンヂの紹介によって依頼がおよんだ[19][20]。
2013年5月12日、敬愛してやまないブラック・サバスのオジー・オズボーン主催のオズフェスト(Ozzfest)2013に出演。同年8月にはアルバム『萬燈籠』を発表した。
2014年6月、前作から1年と経たずして通算22枚目のアルバム『無頼豊饒』を発表、同タイトルを冠した25周年記念ツアーを敢行した。
2015年5月13日、筋肉少女帯とのコラボシングル『地獄のアロハ』を「筋肉少女帯人間椅子」名義でリリース。
2015年11月22日、2度目のオズフェストに出演。同年9月27日放送のMBS・TBS系テレビドラマ『JKは雪女』の劇伴を担当。初めて映像作品の楽曲を提供する[21]。
2016年8月6日、ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016に初出演。
2017年10月16日付けで、20thアルバム『異次元からの咆哮』がオリコンチャート18位を記録し、バンド史上最高の順位となった。
2018年1月13日スタートの連続ドラマ『三島由紀夫 命売ります』の主題歌を担当[22]。初のドラマ主題歌のオファーということもあり、同名の新曲を書き下ろしたが、これまで文学作品のタイトルを冠した楽曲を制作していた人間椅子にとっては、至って恒例のことといえる。
2019年6月5日に21stアルバム『新青年』をリリース。これに先立ち、同年5月にYouTubeでリード曲「無情のスキャット」のミュージックビデオを公開[23]。同年6月に再生回数100万回、8月に200万回を記録し、特に海外から賞賛のコメントが集まったことが注目された[24][25]。これが追い風となり、アルバムもオリコンで過去最高の記録となるウィークリー14位を獲得した。
2020年2月19日 - 2月21日にかけて、初の海外ワンマンツアーを敢行。ドイツのベルリン/ボーフム、イギリスのロンドンの3公演を成功させる。同年7月8日、TVアニメ『無限の住人-IMMORTAL-』第2クール主題歌となる書き下ろし楽曲『無限の住人 武闘編』の配信を開始。同年9月25日、前年12月に行われた中野サンプラザ公演のライブ映像を主としたドキュメンタリー映画『映画 人間椅子 バンド生活三十年』が日本各地の映画館にて公開。
2021年8月4日に22ndアルバム『苦楽』をリリース。
2023年9月6日に23ndアルバム『色即是空』をリリース。
ハードロック・ヘヴィメタルを基調としながらも、ドゥームメタルと類似する点を持ったサウンド、それにのせた津軽弁の歌詞や歌唱法といった独特の特徴がある。鈴木・和嶋両人が熱心なファンだというブラック・サバスを彷彿とさせるハードロックが基調である。技術的には一音半下げのチューニングを多用したヘヴィかつ緻密なリフ、スリーピースのサウンドを埋めるように重くうねるベースライン、1970年代のハードロックバンドを想起させる起伏に富んだ楽曲展開、ハードロックよりもドゥームメタル寄りのミッド・テンポからスロー・テンポの多用などが特徴として挙げられる。また、津軽三味線由来の旋律の応用や和音階を絡めるなど、郷土の青森、ひいては日本の風土からの影響を色濃く受けている。いわば和洋折衷、和魂洋才とも形容できる音楽性とバンドコンセプトである。
また、洋楽を踏襲した本格派の音楽性を意図しているがゆえに、日本の音楽シーンにおいてはその個性が色物のように扱われる結果となったことは、自他共に認めている点である[29]。奇正のギャップ、およびその兼ね合わせとバランスが特徴ともいえる。しかし、近年はサブカルの台頭によって和風ロックバンドが増加し、人間椅子のコンセプトがそれに分類される、もしくは自称していることも多い[29]。
5thアルバムから、楽曲とアートワークがすべてセルフプロデュースによって制作されるようになった。作詞・作曲は主に和嶋と鈴木の2人が中心で、たびたび両者の合作も行われる。和嶋はたゆまず音楽性を変化・進化させること、つまり流動性と進歩性を重視している一方、鈴木は「ヘヴィメタルは変わっちゃいけない」という不変性と保守性を重視している。一見、相反する両者のスタンスだが、この違いが人間椅子の音楽性に好転的な化学反応をもたらしていることは両者も認めているところである[30]。
作曲者以外がボーカルを担当することも多く、和嶋が作詞・作曲した楽曲『孤立無援の思想』や『赤と黒』をナカジマノブが歌っている。また、ドラムスがボーカルを担当するスタイルは、後藤マスヒロがサポート参加していた頃の『人間椅子倶楽部』に端を発している。
影響を受けたハードロックでは、楽曲『Breadfan』を和嶋のオリジナル歌詞に差し替えて『針の山』としてカバーしたバッジー、ライブで度々カヴァーを演奏しているレッド・ツェッペリンやレインボーなどがある。プログレッシブ・ロックやサイケデリック・ロックの要素も大きな割合を占め、重鎮であるキング・クリムゾンのような楽曲構成やロバート・フリップ独特のスケール(和嶋が影響と公言)にくわえ、ホークウィンドやアイアン・バタフライなどをはじめとしたサイケの陶酔感やスペース・ロック的な意匠を用いることもある。
先逹のアプローチをオマージュとして取り上げることも多く、ブラック・サバスばりのオーバー・ダブされたギターソロやキング・クリムゾン的なアルペジオも曲中に登場する。オールディーズなロックの様々な要素を独特の解釈でミックスしたものとなっており、いくつものアプローチを使い分け組み合わせてている。
鈴木は自身のルーツについて、「ベースはやっぱ(ブラック・サバスの)ギーザー・バトラーが大きくて、動きは(KISSの)ジーン・シモンズのつもりなんです。」「声を“ウッ”ってやるのもジーンの影響ですね。自分としてはちょっと(シン・リジーの)フィル・リノットも入ってるかなって。」と語っている[31]。
スタジオミュージシャンとして活動してきた野崎森男は、中学3年生時に鈴木のベースサウンドを聴いて衝撃を受け、その音が出したくてベースを始めたと述べている[32]。2014年からたびたび対バンを行なっているバンド八十八ヶ所巡礼でベース・ボーカルを担当するマーガレット廣井は、人間椅子の音楽性に影響を受けていることを公言している[33]。金属恵比須は、「人間椅子になりたい」という夢から結成されたプログレッシブ・ロックバンドであり[34]、2015年には、実際に人間椅子の元ドラマーである後藤マスヒロを正式に加入させた。陰陽座でベース・ボーカルを担当する瞬火は、日本的なロックの先達として人間椅子を挙げている[35]。
江戸川乱歩の短編小説『人間椅子』に由来している。和嶋・鈴木、両者の愛読書であった。ブラック・サバスの暗鬱なイメージを踏襲しつつ、あえてロックバンドの主流ともいえる外来語は避け、歌詞の世界観にふさわしい日本語、という条件の下選ばれた[36]。
結成当初は、特撮番組レインボーマンの敵組織「死ね死ね団」を由来とした「死ね死ね団」というバンド名であったが、「大日本帝国初代新所沢愚連隊死ね死ね団」というバンドが存在していることを知り[14]、すぐさま「人間椅子」へと改名する。
なお他のバンド名候補として、同じく江戸川乱歩の小説『二銭銅貨』『心理試験』『ペテン師と空気男』[注 3]『鏡地獄』があった[37]。
大別して和嶋作か鈴木作かによるが、共通するのは津軽弁などによって醸しだされる土着性、グロテスクな表現、とぼけたユーモア、宇宙や地獄などの非日常的なテーマという点が挙げられる。アルバムのタイトルにもなっているように「怪談・死・エロス」に関連した楽曲も多く、これらは和嶋と鈴木が幼いころより触れていた弘前ねぷた祭りの絵と同様のテーマである[38]。
世界観は総じて日本的だが、宗教、歴史、恐怖、オカルトなどのアンダーグラウンドな題材という点では、むしろ海外のハードロック・ヘヴィメタルのスタイルを踏襲しているといえる。そのため極めて日本的なテーマを扱いながらも、ラブソングが主流の日本の音楽シーンにおいては、極めて特異な個性をもつバンドとして知られるというパラドックスが起きる結果となった。
音楽性やサウンドについては長期間活動しているバンドのなかでも稀有な一貫性を保っているが、和嶋も述べているように、2011年の東日本大震災、2013年のオズフェスト出演をきっかけとして、歌詞においては変化がみられるようになった[39]。それまでは退廃的かつ堕落的な題材を歌詞にすることによって、逆説的にカタルシスを与えることを意図した楽曲が多かった。しかし近年では、従来のダークな世界観はそのまま踏襲しつつ、歌詞を達観的かつ高踏的な切り口にシフトすることにより、聴く者が直接的に昇華と悟りを得られることを目指した楽曲が増加した[40]。
また、上館とナカジマは作詞経験がないが、土屋は『三十歳』で歌詞の一部を、後藤は『不眠症ブルース』を担当した。
文体は文学的なものが多く、そのほとんどが明治期から大正期を中心とした日本文学に傾倒したものである。私小説や無頼派、探偵小説などに造詣が深い。その趣味の主な対象、しかもタイトル・歌詞に取り上げられたことのある作家は、谷崎潤一郎や芥川龍之介、太宰治、坂口安吾、稲垣足穂、横溝正史、小栗虫太郎、果ては国外のフリードリヒ・ニーチェやフリードリヒ・ヘルダーリン、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトなど多岐に渡る。わけても江戸川乱歩に対する敬意には並々ならぬものがあり、人間椅子の多くの作品の題材となっている。
思想においては、大学時代に専攻していた仏教を骨子としながら[注 4]、叙事詩的なもの[注 5]、変態性欲的な頽廃美[注 6]、自虐的な観念世界[注 7]、土俗的なナンセンス[注 8]、哲学・ニューエイジ・スピリチュアル・精神世界[注 9]について取り扱っており、超俗的なものに限定すれば至って幅広い。哲学的には唯物主義を否定しており、特に近年では精神主義や唯心論などの立場から語られることが多い。その表現は概して古色蒼然な文語調で、一聴しただけでは理解しづらいような漢語や、難読な仏教用語も交えて知性と文学性の一翼を担っている。なかでも多用されているのが「虚空」「涅槃」「おためごかし」「たゆたう」などの一般的ではない語彙である。
和嶋の思想の根幹としてはもちろん、仏教は日本的な世界観を担保するための要素の一つだが、海外のハードロック・メタルバンドがキリスト教的な概念を主軸としていることへの対比にもなっている[41]。なかでも『洗礼』や『恐怖の大王』はキリスト教と仏教の概念が融合された楽曲である。
和嶋とは対照的に軽妙でストレートなものが多いが、妖怪や霊威などの超常的恐怖[注 10]、蟲[注 11]、病魔や汚穢といった不気味なモチーフ、さらに(直接的な性を問わず)淫靡な言葉などが加わって、柔らかくユーモラスなだけにとどまらない独特な言い回しとなっている。特筆すべきは地獄をタイトルに冠した楽曲が多いことで、それらは「地獄シリーズ」と呼ばれている。鈴木によれば「キリスト教のHELLが解らないから、仏教の地獄を歌っている」のだとか。その他には「一日一度は台に座らないと気がすまない」と公言するパチンコなどのギャンブル趣味、ナンセンスなブラックジョーク(和嶋いわく「プラクティカル・ジョーク」)をテーマとすることも。また和嶋とは対照的なのが、歌詞の切り口には変遷が見られないことである。
なかでも特筆すべきは、おおよそロックバンドらしからぬ奇をてらった衣装・メイクなどのヴィジュアルである。現在はメンバー全員が和装で統一している。デビュー以来、多様な衣装を着用して紆余曲折を経たが、現在まで共通しているのは非日常的な装束であることが多いという点である。なおメンバー全員がステージ衣装の下にふんどしを着用していおり、このことからベストフンドシストアワード2013を受賞している[42]。
デビュー時はねずみ男のような衣装がトレードマークであったが、強烈な印象に反して着用していたのはごく短期間である。ジェネシス時代のピーター・ガブリエルを意識しており[14]、使い古して灰色になった鈴木の布団の敷布で作ったのだとか。
1990年の『人間失格』を発売した頃から顔を白塗りメイクにするが、それが現在までの彼の一貫したヴィジュアルとなった。それ以降は、短髪から徐々に伸びていった長髪を振り乱すパフォーマンス、多様ながらも和服をメインとした衣装が定着していた。しかし、2006年の『品川心中』のPVから坊主頭(スキンヘッド)になり、白塗りに加え法衣に身を包むという、怪僧のようなスタイルが通常となった。
法衣は、白衣の上にシースルーの黒い布袍(ふほう)を着用。裸足もしくは草履、下着は白の褌を着用し、全身を僧侶の装いで揃えている。また白塗りといっても単調なものではなく、頬や鼻筋は灰色、目元と唇は黒色という不健康さを醸し出した独特のメイクアップとなっている。
デビュー時は作務衣や洋装など、様々なスタイルをとっていた。2001年の『見知らぬ世界』のPVでは、ウンモ星人を意識した銀色の全身タイツで出演した。2006年の『品川心中』のPVに着物で出演してからは和装が定着し、現在は浴衣に袴、丸眼鏡、草履といった明治・大正期の文豪を思わせるスタイルで統一している。
着物は数種類あり、ライブ毎に異なっている。和嶋工務店など、ほかのバンドやユニットでステージに立つ際は基本的にこの衣装を着ることはない。1990年代中盤から現在までヒゲを蓄えている。デビュー時から髪を伸ばし、しばらくはウェーブのかかった長髪が定着していたが、2000年の『怪人二十面相』の頃から散切りの短髪となった。2012年頃からは再び髪を伸ばし、長髪のオールバックを経て、現在は総髪(ポニーテール)に至った。これらの和服に白髭と長い白髪という風貌が、たびたび「仙人」と形容される所以となっている[43]。
形態に変化はあるが、一貫して眼鏡を着用している。また、インタビュー時などはライブやPVなどの表舞台とは異なる形態の眼鏡をかけていることが多い。
ライブでのアンコール時に必ず、イカ天出演時にも着用していた手作りのもんぺを衣装としている。これは中学2年生の時に母親に縫って貰ったものである[44]。
加入時から鯉口シャツ(手ぬぐいを素材としたオーダーメイドが中心)に色眼鏡、リーゼントという江戸っ子もしくは任侠のようなスタイルが基本である。PVやアー写などによっては着流しの場合もある。
ライブでは、開場から開演までの間、メンバーが選曲した他のバンドの曲などが流れる。開演時には自作のSE(2011年頃までは和嶋が10代の頃に作ったSE、2018年頃まで「此岸御詠歌」というオリジナル曲(『萬燈籠』収録)、2019年からは「新青年まえがき」(『新青年』収録))が流され、舞台下手からメンバーが登場する。
現在のライブでの使用楽器は、和嶋はギブソンSGや自身のシグネイチャーモデル「冥王~Pluto」をメインに使用。自作のエフェクターを多用する。友人に作成してもらったオリジナルの琵琶ギター、楽曲によってはギブソン・EDS-1275やテルミンを使用することもある。またボウイング奏法を試みるため、弓 を使うこともある。 鈴木はB.C.リッチ イーグルを使用しており、デビュー当時使用していたリッケンバッカーは、2010年頃一時使用していたがその後見かけなくなった。その後、自身の老化を考慮してフェンダー・プレシジョンベースを導入している。
MCは基本的に、和嶋と鈴木がチューニングをしながら会話し、そこに時折ナカジマが加わるスタイルで行われる。会話の流れやふと弾いたリフから、彼らの愛好するハードロック等のカヴァーになだれ込むこともまれにある。MCの内容は、鈴木による「こんばんは人間椅子です」の言葉に始まり、雨の中(または平日に)来場したファンへの気遣いの言葉(主に鈴木による)、和嶋と鈴木の褒め合い、弘前ねぷた事情、和嶋のオカルト体験談、鈴木の体重についての話、ナカジマの趣味であるダム巡り等、多岐に渡る。
ナカジマはMCで「イエーイ!」を連発、大きな声を活かしてマイク無しでMCを行ったり、半裸で演奏を行うなどのステージングをこなす。ちなみに、バスドラのフロントに書かれた絵や文字はナカジマ自身の手によるもの。
鈴木は1回のライブ中に数回ピック(黒のオムスビ形で、人間椅子ロゴと鬼火が描かれているものなどを使用)を客席に投げるが、和嶋(グレコのオムスビ形、白地に黒字で人間椅子のロゴ入り)は基本的に投げず、アンコール後退場する際に、近くにいるファンにそっと手渡されることが多い。ナカジマもまれにドラムスティックを客席に投げ入れることがある。
アンコールでは、メンバーがツアーTシャツを着て現れることが多い。頭に人間椅子手ぬぐいを巻いていることも。特筆すべきは鈴木の演出だが、その模様はライブDVD『疾風怒濤』にも収録されている。メンバー同士で楽器パートの交換をして演奏することもある。
ライブの物販では、Tシャツの他、手ぬぐい、お札、CD(購入するとサイン色紙がもらえることも)などが販売されている。
ファーストアルバムの発売後はバンドブームが衰退の一途を辿り、人間椅子のセールスも低迷しはじめていたため、レコード会社からはボーカルを加入させることや売れ線の曲を作ることを提案されたが、和嶋と鈴木はそれを拒否した[45]。
1993年、4thアルバムの『羅生門』の発売後は、メルダックとの契約が切れてインディーズレーベルに移籍し、それと同時に和嶋と鈴木はバンドとアルバイト生活を両立させる決意をする。和嶋は弁当のバイク配達、パソコンの回収と納品、ライブハウスの手伝い、流通センターでの肉体労働などを経て、2009年までの16年間アルバイトをしていた。鈴木に至っては、郵便局の配達員として2016年までの23年間アルバイト生活を続けていた[46]。
バンドとアルバイトの二重生活を強いられてはいたが、人間椅子は一度たりとも活動を休止したことはなかった。それに加え毎年のようにアルバムも制作していることから、ただ長期に渡って活動しているという点だけではなく、商業性を否定してでも独自の音楽性を追求し続けたことが、バンドの大きな特徴であるともいえる[47]。
また、2010年代に至ってセールスやライブ動員が向上し、2017年に発売された20thアルバム『異次元からの咆哮』がオリコンチャート18位にランクインというバンド史上最高の順位となり、バンド生活が25周年を越えてから「絶頂期」と称されていることも含め、人間椅子の特殊性が音楽性のみならず、その活動自体にあることも評価対象の一つとなっている[48]。
9: 和嶋がギターを演奏。
10:和嶋と鈴木がコーラスを担当。
11:和嶋が「シーモンキーズ」としてギターを演奏。
9:編曲・演奏を担当。
10:後藤マスヒロがドラムを担当。
(大槻ケンヂのソロプロジェクト)
作曲・編曲・演奏。
5:和嶋がギターを演奏。
12:作曲・編曲・演奏。
15:和嶋がギターを演奏。
18:和嶋がギターを演奏。
主に高校時代。後に青森県ローカルのテレビ番組「人間椅子倶楽部」にて披露された。
7: キング・クリムゾンのカバー。
1.夜叉ヶ池 - 2.幸福のねじ - 3.もっと光を! - 4.刀と鞘 - 5.泥の雨 - 6.針の山
indies.人間椅子 - 1.人間失格 - 2.桜の森の満開の下 - 3.黄金の夜明け - 4.羅生門 - 5.踊る一寸法師 - 6.無限の住人 - 7.頽廃芸術展 - 8.二十世紀葬送曲 - 9.怪人二十面相 - 10.見知らぬ世界 - 11.修羅囃子 - 12.三悪道中膝栗毛 - 13.瘋痴狂 - 14.真夏の夜の夢 - 15.未来浪漫派 - 16.此岸礼讃 - 17.萬燈籠 - 18.無頼豊饒 - 19.怪談 そして死とエロス - 20.異次元からの咆哮 - 21.新青年 - 22.苦楽 - 23.色即是空
1.ペテン師と空気男〜人間椅子傑作選〜 - 2.押絵と旅する男〜人間椅子傑作選 第2集〜 - 3.人間椅子傑作選 二十周年記念ベスト盤 - 4.現世は夢 〜25周年記念ベストアルバム〜
1.疾風怒濤〜人間椅子ライブ!ライブ!! - 2.威風堂々〜人間椅子ライブ!!
三宅裕司・相原勇
初代:SLUT&SLASH BAND|2代目:GEN|3代目:☆FLYING KIDS|(仮:パニック・イン・ザ・ズゥ)|4代目:イエロー太陽s|5代目:RABBIT|6代目:JITTERIN'JINN|7代目:セメントミキサーズ|8代目:突撃ダンスホール|9代目:ダイヤモンズ|10代目:宮尾すすむと日本の社長|11代目:NORMA JEAN|12代目:☆BEGIN|(仮:カブキロックス)|13代目:サイバーニュウニュウ|14代目:☆たま|15代目:☆マルコシアス・バンプ|16代目:Stone Crazy|17代目:THE BOOTS|18代目:RAMBLE-FISH|19代目:☆LITTLE CREATURES|20代目:SOLID BOND|21代目:LANPA|22代目:悪名エレキショー|23代目:ジョリーロジャー|24代目:COLLAGE|25代目:☆BLANKEY JET CITY|(仮:P-MACHINE)|26代目:☆PANIC IN THE ZU:|27代目:GLU|28代目:EDITION DELUXE
福田眞純 ・ ブラボー ・ remote ・ THE NEWS ・ KUSU KUSU ・ えび ・ 人間椅子 ・ PINK SAPPHIRE ・ AURA ・ A-CHIEF ・ The 5.6.7.8's ・ GROUND NUTS ・ C-BA ・ SEEK ・ マリア観音 ・ 突然段ボール ・ ナムチェバザール
萩原健太 ・ 中島啓江 ・ 吉田建 ・ 伊藤銀次 ・ グーフィ森 ・ 村上“ポンタ”秀一 ・ 湯川れい子 ・ 内藤陳 ・ 四方義朗 ・ ラッシャー木村 ・ PANTA ・ NOBODY(相沢行夫・木原敏雄) ・ 斎藤ノブ ・ 鳴瀬喜博 ・ 是方博邦 ・ 難波弘之 ・ 森雪之丞 ・ 田中一郎
TBSテレビ・出場バンド ・ 土曜深夜族 ・ 平成名物TV(えびぞり巨匠天国・ますこっとたわー) ・ 星期六我家的電視(三宅裕司の天下御免ね! ・ ルーキーショー) ・ めざせ!イカ天 ロックンOL物語 ・ いか天 ザ・50 ・ イクゼ、バンド天国!!
Lokasi Pengunjung: 18.225.175.201