ロマン・トマ [ 1] (Thomas Romain 1977年 8月1日 [ 2] - ) は、フランス 出身・日本 在住のデザイナー、イラストレーター、アートディレクター、演出家。おもにゲームやアニメの美術設定やメカニックデザイン を手がける。Studio No Border株式会社の経営者[ 3] 。
経歴
フランス東部のブザンソン で生まれ、パリ で育つ[ 2] 。大学で物理学 を専攻したが、中退後エンタテインメント関連の仕事に就こうと画の勉強を始める。19歳の頃、『オーバン・スターレーサーズ 』の原作者であるサヴァン・イェットマン=エッフェル (Savin Yeatman-Eiffel) と知り合い、Sav! The World Productions[ 4] でアニメ化プロジェクトに関わる。また、パリの映像専門学校ゴブラン (Gobelins l'Ecole de l'Image ) でアニメーション制作技法を学ぶ。学校の仲間と制作した短編アニメがテレビアニメシリーズ"Code Lyoko "へ発展する(日本では『CODEリョーコ 』として放送)。
2004年、『オーバン・スターレーサーズ』をハルフィルムメーカー (現TYOフィルムメーカー)と日仏合作するため来日する。2年半の滞在中に日本のアニメ業界に馴染んだことや、日本人女性と結婚したこともあり、完成後もフリーデザイナーとして日本で働く。
2008年、自身のオリジナル企画『バスカッシュ! 』がサテライト で採用され、アニメ化を機に同社所属となる。本作ではブリュネ・スタニスラス 、ルガル・ヤン らとフランス人美術チームを組み、以後も『アクエリオンEVOL 』『戦姫絶唱シンフォギア 』『AKB0048 』などのサテライト作品のデザインワークを手がける。また、『超速変形ジャイロゼッター 』(スクウェア・エニックス )や『スペース☆ダンディ 』(ボンズ )など、他社企画のメカニックデザインにも参加している。
2018年5月、サテライトから独立し、フランスのメディア企業アンカマ (Ankama ) から出資を受け、Studio No Border を設立[ 3] 。企画・デザインを中心に、日本製アニメに関心をもつ海外企業との橋渡し役を目指す。また、フランス人クリエイターの日本のアニメ業界への就業を支援する"Furansujin Connection"(フランス人コネクション)というコミュニティを立ち上げている[ 5] 。
2020年、俳優の香川照之 がプロデュースする昆虫絵本シリーズ『INSECT LAND』のキャラクターデザイン・イラストを担当する[ 6] 。
親子デザイン工房
2017年、息子の樹(8歳)と竜之介(10歳)がスケッチブックに描いたイラストの自由な発想に刺激を受け、デザイナーの父親としてこれらの「原案」を再解釈し、プロレベルの水彩イラストに仕上げてみた[ 7] 。その対比画をツイッター 上で公開したところ、海外の国々から取材依頼が来るほど話題になった[ 8] 。
その後もSNS アカウントやYouTube チャンネルで「親子デザイン工房 」を展開し、2018年には親子3人の連名による画集がフランス[ 9] と日本[ 10] で発売された(2019年にはアメリカでも出版予定)。これらのプロジェクトは、普段は接点のない人々からフォローしてもらう機会になり、自身の独立・スタジオ立ち上げのきっかけにもなったという[ 11] 。
人物・エピソード
参加作品
テレビアニメ
webアニメ
アニメ映画
OVA
ゲーム
その他の仕事
2001年 Molly,Star Racer - 共同監督(『オーバーン・スターレーサーズ』のパイロットフィルム)
2013年 The 2 Queens 二人の女王 - 美術監督(劇場パイロットフィルム)
2015年 東京アニメアワードフェスティバル 2016 キービジュアル
2017年 ガールズ&パンツァー 最終章 - フランス語 指導
2020年 INSECT LAND(インセクトランド) ホタルのアダムとほしぞらパーティー - 絵
画集
LOST IN ANIME ロマン・トマ DESIGN WORKS
2015年7月31日、メディアパル発行、ISBN 9784896109498
Traits de Famille - Le Bestiaire fantastique d'un pere et de ses fils
2018年3月8日、Kurokawa発行、Itsuki,Ryunosuke & Thomas Romain 名義
親子デザイン工房
2018年9月25日、玄光社 発行、ロマン・トマ&竜之介、樹 名義、ISBN 9784768311134
脚注
^ 本来は「トマ・ロマン」であるが、日本語風に姓を前にする「ロマン・トマ」名義で活動している。
^ a b 『アニメージュ』2015年10月号、125頁。
^ a b c “フランス人らしくない 自分だからこそできる、日本のクリエイティブシーンと世界をつなぐ。(ロマン・トマ) ”. シリーズ企画「20人に聞く」<4> . CGWORLD.jp. p. 2/2 (2018年11月12日). 2018年11月18日 閲覧。
^ "Sav! The World Productions公式サイト "(日本語)
^ “FURANSUJIN CONNECTION とは? ” (仏語(日本語訳)). Furansujin Connection (2016年7月). 2018年11月18日 閲覧。
^ “香川照之プロデュース 自然教育絵本 INSECT LAND(インセクトランド) ”. 公式サイト (2020年). 2020年5月21日 閲覧。
^ 五月アメボシ (2017年1月25日). “息子の自由な発想のスケッチをクリエイターのパパが見事にイラスト化 "親子デザイン工房"がステキすぎる!” . ねとらぼ . https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1701/24/news136.html 2017年2月2日 閲覧。
^ ThomasRomain ロマン・トマ [@Thomasintokyo] (2017年1月27日). "「親子デザイン工房」プロジェクトは思っていた以上に話題になりました。" . X(旧Twitter) より。
^ “Traits de Famille - Le Bestiaire fantastique d'un père et de ses fils ”. Kurokawa (2018年3月8日). 2018年5月2日 閲覧。
^ “親子デザイン工房 ロマン・トマ&竜之介、樹 ”. 玄光社 (2018年). 2018年9月20日 閲覧。
^ “ロマン・トマさんインタビュー:「親子デザイン工房」で伝えたいのは「面白いアイディアを生み出すことは誰にだってできる」こと ”. PICTURES . 玄光社 (2019年2月22日). 2019年2月22日 閲覧。
^ “フランス人らしくない 自分だからこそできる、日本のクリエイティブシーンと世界をつなぐ。(ロマン・トマ) ”. シリーズ企画「20人に聞く」<4> . CGWORLD.jp. p. 1/2 (2018年11月12日). 2018年11月18日 閲覧。
^ 『グレートメカニックDX.28』、93頁。
^ 『アニメージュ』2015年10月号、127頁。
^ 『アニメージュ』2015年10月号、124頁。
^ "クリエイターズ・セレクション vol.24 ロマン・トマ インタビュー (2/3) ". バンダイチャンネル.(2015年8月28日)2015年12月25日閲覧。
^ "『スペース☆ダンディー』のロマン・トマ氏による「パースの描き方」がとてもシンプルで分かりやすいと好評! ". panseponse7. Togetter.(2015年)2015年12月25日閲覧。
^ ”「マクロスΔ」のサテライトが海外クリエイターと組み送り出す「キャノン・バスターズ」がNetflixで配信決定 ”. (2017年8月3日). 2018年9月20日閲覧。
^ "マシン紹介|超速変形ジャイロゼッター ". (スクウェア・エニックス)
参考文献
外部リンク
テレビアニメ 劇場アニメ OVA Webアニメ 関連人物 関連項目