紀元2世紀のハドリアヌス帝時代、市は3km北東へ移動し、名をリケア(Licea)またはリティウム(Litium)とされた。レッチェには劇場、円形闘技場があり、ハドリアヌス港(現在のサン・カタルド San Cataldo
di Lecce)とつながっていた。地元でサントロンツォ(聖オロンツォ)と呼ばれるレッチェのオロンティウスは、市初代のキリスト教司教を務めたとされ、レッチェの守護聖人となっている。
サンタ・クローチェ聖堂(Basilica di Santa Croce) - レッチェ最重要の建物。1353年に建設が始まったが、1549年まで工事が停止し、完成したのは1695年だった。動物、グロテスク、野菜などの像で飾られたファサード、巨大なバラ窓がある。隣接するのは、かつて修道院であった建物に入っている庁舎である。
サン・ニッコロ・エ・カタルド教会(Chiesa dei Santi Nicolò e Cataldo) - イタリア=ノルマン建築の一例。1180年、シチリア王タンクレーディが建てた。1716年、ファサードが再建され、数多くの像が付け加えられた。しかし優れた原型の教会出入り口が維持されている。内部は本堂1つと側廊2つで、尖塔アーチ形アーケード、本堂中央のドームを持つ。壁のフレスコ画は15世紀から17世紀のものである。
チェレスティーニ邸(Palazzo dei Celestini、1549年 - 1695年) - ジュゼッペ・ジンバロによるバロック装飾。庭園はガブリエーレ・リッカルディの設計。
サンタイレーネ教会(Chiesa di S. Irene) - 1591年からフランチェスコ・グリマルディが建設。上階と低階とで違った様式を見せる巨大なファサードを持つ。出入り口は、1717年にマウロ・マニエーリがつくった聖イレーネ像が載っている。内部はラテン十字型で、むしろ均斉がとれている。大天使ミカエルの祭壇は、グイド・レーニによって描かれたものの複製である。高い祭壇にはオロンツォ・ティソの手による『聖櫃の運搬』がある。右側廊はレッチェ最大級の祭壇の一つで、聖ガエターノに捧げたものである(1651年)。隣はアヴェッリーノの聖アンドレーアの祭壇(ロココ様式)である。17世紀半ば以降のものは、フランチェスコ・アントニオ・ジンバロによる聖オロンツォの祭壇である。聖イレーネの祭壇にはジュゼッペ・ヴェッリオによる油彩画がある。また、教会内に納められている聖人の9体の胸像、聖人の大きな像がある。
サン・フランチェスコ・デッラ・スカルパ教会(Chiesa di San Francesco della Scarpa) - ファサードのない教会として知られる。19世紀に行われた修復の際に打ち捨てられてしまったためである。最も古い部分は、13世紀から14世紀のものである。内部はギリシャ十字型である。