マウザー BK-27(Mauser BK-27)は、ドイツのマウザー社が開発した27mm口径のリヴォルヴァーカノン。現在はラインメタル社が製造している。BKはドイツ語の"Bordkanone"(ボルトカノーネ:搭載砲の意)の略称である。
BK-27はMRCA(Multi-Role Combat Aircraft)、後のパナヴィア トーネードに搭載するための新型機関砲として、1960年代後期に開発が始まった。初期の空中試射はイギリスにおいて、ライトニング戦闘機のADEN Mk.4を換裝して行われ、後にトーネード IDS試作機でも試験が行われた。
弾薬は、本砲のために新規開発された27x145mm弾を使用する。それまでNATO空軍機に用いられていた30mm口径のADENおよびDEFA 550の両リヴォルヴァーカノンに比べ、若干小口径であるが弾頭重量は上回り、発射速度・砲口初速ともに速くなっている。ヨーロッパではソ連地上軍機甲部隊との交戦を考慮すれば20mmでは口径不足との意見が強く、そのために大口径砲を用いていたが、マウザー社は新型機関砲の口径として、従来の30mmでもなければソビエト連邦で主力となっていた23mmでもなく、その間を埋める理想の口径として27mmを選んで開発した。なお、ADENやDEFAは第二次世界大戦中にマウザーが開発して実戦に間に合わなかった30mm MK 213/C30を原型とするものであり、分家の後継者を本家で開発したこととなる。トーネードをはじめとして、アルファジェット、ユーロファイター タイフーン、サーブ 39 グリペンなど多数の軍用機に搭載されている。
従来はベルトリンクを用いた給弾機構であったが、タイフーンに採用される際に、リヴォルヴァーカノンで初めてM61A1 バルカンのようなベルトコンベア式のリンクレスフィード型に改めており、弾薬の搭載体積の60%削減を実現している[1]。グリペンもE/F型においてリンクレスモデルを装備する[2]。
ボーイングではJSFに搭載するためライセンス生産を提案したが、GAU-12 イコライザーの派生型が選定された[3]。選定されていた場合、アライアントティーチシステムズ(英語版)によってライセンス生産される予定であった[4]。
海軍向けにMN 27 GSやMLG 27(ドイツ語版)なども存在する。