『バーディー大作戦』(バーディーだいさくせん)は、1974年5月11日から1975年5月17日までTBSで毎週土曜日21:00 - 21:55に放送されていたアクションドラマ。全54回。
映像上の題名は「BIRDIE」。
概要
前作『アイフル大作戦』と作品世界を共有する続編。当初は『アイフル大作戦』から引き続き軽快なエピソードが主流であったが、次第にハードボイルド色を強めていった。
小川眞由美が演じた校長岸涼子が去ったアイフル探偵学校の伊吹裕二が、元生徒の井口マリ、原田三平らと共に警視庁の桜田警部を局長に迎えて探偵局をつくり(桜田の意向により探偵学校は廃校)、様々な事件を解決に導くまでを描いた作品。
オープニングは芥川隆行による「バーディ、一歩先んじてナイスショット!」というナレーションにより始まるが、「バーディー」とはゴルフ用語で、規定数で終了することをパー、それより1打少なくあがることをバーディーと呼ぶ。本作では、転じてチャンス到来という意味で捉え、男性的なハードボイルドタッチのアクション・ドラマを狙っていた(日本コロムビア株式会社のCD「懐かしの東映TV映画主題歌テーマ集」解説書より)。
『キイハンター』『アイフル大作戦』に続いて、本作でも次回予告のナレーションの始まりは固有の表現があり、「バーディー大作戦、次のナイスショット」という語りから始まる。
あらすじ
校長岸涼子がアイフル探偵学校を去ったことで、講師の伊吹裕二が校長に、生徒だった井口、原田らは、岸涼子によって講師に認定され、学校を一新するも、生徒は来ず、探偵の仕事は閑古鳥が鳴く状態。家賃も3日以内に払えなければ立ち退きを迫られる中、都内では拳銃連続強盗が発生。その事件の解決に忙しい桜田門こと桜田警部らの誰か名の知れた人を校長に祭り上げることで、一山儲けようと画策する裕二たちだった。
キャスト
- バーディ探偵局
- 桜田局長:丹波哲郎(第1話〜第33話、第35話、第38話〜第42話、第44話、第46話〜第48話、第50話〜第54話)
- 警視庁の警部だったのが、アイフル探偵学校の伊吹らによって、バーディ探偵局の局長にされてしまった。フルネームは第一話をはじめ“桜田正一”と変化したエピソードも存在した。
- 海外へ旅立った岸涼子に代わってアイフル探偵学校の校長に昇格するも経営難から桜田が開設したバーディ探偵局で局長代理を務める。しかし、最終話で事件解決直後、自転車で進む子供たちを救うため、マリと共に爆死。
- 韋駄典介:沖雅也(第1話、第2話、第5話〜第7話、第9話〜第16話、第18話、第19話、第21話、第22話)
- 設定ではアイフル探偵学校の元生徒。卒業と同時に講師に昇格。三平、マリと共に桜田を探偵学校の校長に仕立てようと画策するが、成り行きから新設されたバーディ探偵局の所属に。オープニングでは第26話まで登場しているが、実際の出演は第22話まで。
- 元アイフル探偵学校生徒。卒業と同時に講師に昇格するも、バーディ探偵局の一員に。
- 元アイフル探偵学校生徒。卒業と同時に講師に昇格も、バーディ探偵局の一員に。しかし、最終話で事件解決直後、自転車で進む子供たちを救うため、裕二と共に爆死。
- 本名及び国籍は不明の怪盗。第26話で泥棒稼業から足を洗い、バーディ探偵局に転職。空手が得意。
- アマチュアレーサーの青年。第27話で訳ありの事情からバーディ探偵局に転職。
- ミッチー:安西マリア(第27話〜第46話、第48話〜第54話)
- 七変化のミッチーを名乗っていた女スリ。改心し第27話からバーディ探偵局に転職。
- バーディ探偵局経営者。アイフル探偵学校校長・岸涼子の幼友達で探偵局に興味を持ったことから岸涼子から経営権を譲り受けるが第3話で探偵局運営にうまみが感じられなくなったと見切りを付け桜田らと決別。経営権を手放す。
- 探偵局のビルの1階のゲームセンター
- ココ:和田アキ子(第1話〜第6話、第8話、第10話、第12話〜第14話、第17話〜第19話、第21話、第23話)
- ゲームセンターのマネージャー。追出刑事とは相思相愛の仲。スリを得意とし、追出刑事に逮捕されたことがある。20歳を超えてから急激に身長が伸びたため、第1話で追出刑事と身長差がなくなったことなど思い出話に花が咲いた。
- オープニングでは第26話まで登場しているが、実際の出演は第23話まで。ゲームセンターも第20話以降は、バーディ探偵局直営と思しきスナック店へ変更された。
- 警視庁
- 通称「ドデカ」。ココとは相思相愛の仲という設定も、第23話を最後に消滅する。フルネームは追出大五郎。
- 行内(ゆかない)刑事:小林稔侍(第1話〜第54話)
- 追出刑事の部下。加納弘子婦警とは警察学校時代の同期。
- 行内刑事の婚約者。妹のめぐみ(演:斎藤里花)と同居している。警視庁中里署中央交番勤務。
追出・行内コンビは、「おいで」「行かない」という駄洒落でもある。
放映リスト
- 1974年
- 1975年
スタッフ
- プロデューサー:近藤照男、原弘男(TBS)
- 構成:深作欣二、佐藤純弥
- 脚本:「放映リスト」参照。
- ナレーター:芥川隆行
- 撮影:東光一、下村和夫、他
- 照明:大町博信、酒井信雄、渡辺俊亮、他
- 美術:兼子元、他
- 助監督:小林義明、他
- 進行主任:市倉正男、他
- 演技事務:吉田武彦
- 擬斗:西本良治郎、伊達弘
- 記録:佐々木禮子、他
- 美粧:入江プロ
- 衣裳:東京衣裳
- 録音:岩田広一(映広音響)
- 編集:望月徹、エディー編集室 他
- 選曲:武田正彦
- 現像:東映化学
- 音楽:菊池俊輔
- 監督:「放映リスト」参照。
- 製作:東映、TBS
音楽
- オープニング:「愛と死のパスポート」のインストゥルメンタル
- エンディング:「愛と死のパスポート」作詞:佐藤純弥 作曲:菊池俊輔 歌:嶋崎由理
※最終話のみインストゥルメンタル版を使用。
番組の流れ
- 第1話〜第19話
- 前作「アイフル大作戦」からは丹波、藤木、谷、松岡、川口(丹波は『キイハンター』以来1年ぶりの主役復帰)。
- 新メンバーは、バーディ探偵局に韋駄典介に沖(元々アイフル探偵学校の生徒であったという設定)、バーディ探偵局の1階にあるゲームセンターのマネージャー・ココに和田、追出刑事の部下、行内(ゆかない)に小林。
- 第20話〜
- 第22話で沖、第23話で和田と最後に出演が途絶えてしまい、第27話のオープニングで正式な降板が明らかとなった。題名の変更に伴って、殉職などの具体的描写もないまま、この2人は劇中からフェードアウトしていった。
- 第24話より行内の恋人加納弘子婦警(牧)がセミレギュラーとして加入した。
- 第26・27話より新メンバーのドラゴン(倉田)、ミッチー(安西)、一条吾郎(岡本)が加入。このメンバーチェンジの前後よりコミカルな面が抑えられ、ハードなエピソードが主流となる。
- 出演者補足
- 丹波は『キイハンター』『アイフル大作戦』では出演しない回が多かったが、本作では主演エピソードは少ないものの、ほぼ全話近くに出演した。
- 沖は『キイハンター』への途中加入、フェードアウト以来の本格出演であったが、今回もフェードアウトとなった。
- 小林稔侍は本作が大人向けドラマでは初の本格レギュラー。終了後しばらくは再び脇役・端役の時代が続き、レギュラー出演が増えるのは1980年代に入ってからである。
- 最終話で谷隼人は冒頭から坊主頭で登場している。これは最終話の撮影より前に谷がレギュラー出演するドラマ『寺内貫太郎一家2』の撮影が始まっており、第1話で長男役の谷が坊主頭にして改心するシーンがあった為だと1987年9月13日に放送されたテレビ探偵団でのゲスト出演時に語っている。
- 次回作
- 本作後半のハードボイルド路線は次作『Gメン'75』でさらに本格化する。丹波の他、藤木、倉田、岡本は引き続き『Gメン'75』にもレギュラー(刑事)として出演した。
近畿地方のネット局について
近畿2府4県(実質的には、徳島県も含む)では、腸捻転時代の第47話までは朝日放送(ABC)で放送されていたが、腸捻転解消後の第48話から毎日放送(MBS)での放送に変わった[2]。
DVD・CS等での再放送
- CS放送では、2000年代に東映チャンネルにおける放送実績がある。2019年11月より、同じく東映チャンネルにて『アイフル大作戦』の再放送の後を受けて再放送された。
- 2020年5月13日・同年6月10日にはDVD-BOX デジタルリマスター版のPART1・PART2がそれぞれ発売されている。[3]
- 2024年2月1日から、YouTube「東映シアターオンライン」で、第1・2話が常時無料配信されている。
脚注
注釈
- ^ レギュラー出演前、第10話と第13話にゲスト出演している。
- ^ 準レギュラー出演前、第9話と第11話にゲスト出演している。
出典
- ^ 最終回のみロール式クレジット。
- ^ MBSにおける前番組及びABCにおける後番組はNET(現・テレビ朝日)制作の『土曜映画劇場』=同番組には当作品レギュラーの川口厚と後に因縁を作る増田貴光がナビゲーターとして出演していた。詳細は増田の項を参照。
- ^ “ドラマ「バーディー大作戦」特集”. 東映ビデオ. 2021年1月31日閲覧。
外部リンク
前後番組
TBS 土曜21時台 |
前番組 |
番組名 |
次番組 |
|
バーディー大作戦 (1974年5月11日 − 1975年5月17日)
|
Gメン'75(1975年5月24日 − 1982年4月3日)
|
朝日放送 土曜21時台 |
アイフル大作戦 (1973年4月14日 − 1974年5月4日)
|
バーディー大作戦 (1974年5月11日 − 1975年3月29日)
|
土曜映画劇場(1975年4月6日 − 1977年6月25日)
|
毎日放送 土曜21時台 |
土曜映画劇場 (1968年10月5日 - 1975年3月)
|
バーディー大作戦 (1975年4月6日 − 5月17日)
|
Gメン'75 (1975年5月24日 − 1982年4月3日)
|
|
---|
シングル |
1960年代 | |
---|
1970年代 | |
---|
1980年代 | |
---|
1990年代 | |
---|
2000年代 | |
---|
2010年代 | |
---|
|
---|
アルバム |
LET'S SING SONG BEST 12 - Only Yesterday - だってしょうがないじゃない/和田アキ子 全曲集 - 私も…そうだった - よくやるね 和田アキ子 バラード・コレクション - 和田アキ子 グレイテスト・ヒッツ 1968~1991 - 愛、とどきますか - 和田アキ子全曲集〜だってしょうがないじゃない - 和田アキ子全曲集シングルズ1993-1968 - 和田アキ子PERFECT COLLECTION - 和田アキ子全曲集'94 Song(s) for you - Alive/Song(s) for you '95 - テーマソングス'80〜'96 - DYNAMITE SOUL WADA AKIKO - BALLADS バラード全曲集 - グレイテスト・ヒッツ'97 - DYNAMITE GROOVE WADA AKIKO - DYNAMITE-A-GO-GO!!! - VERY BEST OF AKIKO WADA'98 - DYNAMITE PARADE - LOVE BALLAD BEST - 和田アキ子 ベスト・ヒット - 和田アキ子リサイタル〜日劇に於ける実況録音 - (株)ワダアキコ - Haaah! 和田アキ子シングルコレクション - ラブバラード・ベスト - Free Soul Wada Akiko - ベストヒット・コレクション - RAGGA AKIKO - リズム&ブルースの女王 - 今日までそして明日から - わだ家 - World Standard Wada Akiko - Wada Akiko Dynamite Best 1968-2008 - Yell~2011 BEST OF THE BEST~ - AKIKO WADA 45th ANNIVERSARY ESSENTIAL COLLECTION
|
---|
主演映画 | |
---|
テレビドラマ | |
---|
出演バラエティ番組 | |
---|
関連項目 | |
---|
関連人物 | |
---|
カテゴリ |