ニューヨーク市の料理はニューヨーク市にやってきた多数の民族の多くの料理から成り立っている。このニューヨーク市に根付いた民族料理の多くは、その民族が多数居住している地区はもとより別の民族の居住地でもよく知られている[1]。また、ニューヨーク市は年に2回レストランでの料理の料金が一律割り引かれるニューヨーク・レストラン・ウィークが創設された都市でもあり、これに類似した形態のイベントは世界中の各都市に広がっている[2]。ニューヨーク市には12,000店以上のワイン店、惣菜店、食料品店があり、その多くは週7日24時間営業である。
地区毎の代表的な民族料理
ブロンクス区
クイーンズ区
ブルックリン区
スタテンアイランド
マンハッタン区
ニューヨーク市における特徴的な料理
ニューヨーク市に関連・普及した料理
- ホットドッグ - ザワークラウト、スイートレリッシュ、オニオンソース、マスタードを添えて[3]。
アシュケナジム・ユダヤ料理
通常ニューヨーク市に関連付けられている料理の多くは、アシュケナジムユダヤ人とその子孫の大きなコミュニティから部分的に生じている。ニューヨーク市のユダヤ料理の多くは、特にベーグルをはじめ世界中で人気になっている。また、ニューヨーク市のユダヤ人コミュニティは中華料理を好んでいることが有名で、コミュニティの多くのメンバーはそれを彼らの2番目の民族料理と考えている[5]。
イタリア系アメリカ料理
ユダヤ人コミュニティと同じように、イタリア系アメリカ人コミュニティが由来の料理もニューヨーク市に関連する料理の大半を占めている。ニューヨーク市のイタリア料理の多く、特にニューヨーク風ピッツァは世界中で人気になっている。
中国系ラテン料理
ニューヨーク市に関連した中国系ラテン料理の歴史は、概して1800年代半ばのキューバへの中国人移民の最古の移住まで遡る[6]。労働力不足とその後の1949年の中国革命により、1847年から1874年の間に125,000人近くの年季奉公または契約中国人労働者がキューバに移住してきた[7]。労働者や苦力のほとんどは男性であり、そしてそのほとんどが奴隷のアフリカ人と共に砂糖農園で働いていた(en:Chinese Cubansを参照)。1870年代から1880年代にかけて島にとどまった何万人もの中国人が、より肉体的、職業的、さらには社会的流動性を持っていた。彼らは農業労働者の一団に加わり、田舎で野菜を育て、商品を売り、職人として、あるいは町での熟練していない仕事で働いた[8]。最も古く、最も大きいチャイナタウンの1つはキューバのハバナにある。アメリカ合衆国におけるチャイナタウンでは中国系ラテン料理店は滅多に見られない。それどころかニューヨーク市5区のスペイン語圏コミュニティに集まる傾向がある[9]。中国革命から10年後、キューバ革命が起こり中国の商人コミュニティは再び移住を余儀なくされた。ペルー、ニカラグア、ベネズエラ、エクアドルなどのキューバ近辺の国々における政治的および経済的不安定性が、中国人のキューバより北方の国々への移住の流れを決定するうえで重要な役割を果たしていたと言っても過言ではない[10]。キューバ系中国人とラテン系中国人の区別は、1960年代後半から1970年代初頭にかけて何千人もの中国人がアメリカに移住するまでニューヨーク市では見られなかった[6]。
中国系ラテン料理の文化的意義
中国文化とキューバ文化の融合は中国人がキューバに移住し始めたときに確立され、多くの独特な新しい文化が生まれた。キューバのハバナのチャイナタウンで以前レストランを経営していた個人が[11]、個人的な好みへの調整を始めた[12]。これらの以前の事業主がイースト・ハーレムにやってきて定住すると[13]、彼らは地元の人々の文化を尊重しつつ経済的安定性を確立するために、キューバに居た際に学んだ食品のノウハウを活かし新しい事業を確立し始めた。こうして営業が開始されたレストランはやってくる移民のために、まるで本国で食べているかのような味の料理を提供していた。これにより移民たちは自分たちの居住地域内で快適に過ごし、順応することが可能となった。しかし、今日ではこれらのレストランは消えつつあると考えられている。減少している大きな理由としてはキューバから直接移住してくる中国人の数が減っており、料理の伝統を維持することが困難であることが挙げられる。キューバから中国人が直接移住してきたのは1959年が最後であるため[14]、キューバと中国の文化がこのままニューヨーク市で長く進歩し続けられるのかについて疑問が投げかけられた。また、異文化化の過程において若い世代は自分たちの文化のルーツに自然に触れることができなくなり[15]、文化や伝統を存続させるために自分たちのルーツを調べている若い世代の人々と、文化や伝統に興味の薄い若い世代の人々の間で大きな差ができている。
中国系キューバ料理の成り立ち
中華料理とキューバ料理は、共に豚肉などの白身の肉や米などのデンプンを中心に置くなど多くの点で共通している部分がある[16]。しかし、結局のところ中国系キューバ料理のレストランは中華料理とキューバ料理を別々に提供している[7]。中華料理としてはチャーハン、チャーメン、豆豉醤添えエビなど、キューバ料理としてはロパ・ビエハやプラタノス・マドゥロスなどが提供される。中華料理はチンゲンサイやアマランサス、ブロッコリーなどの炒め物など人気のあるメニューの開発が行われている。中華風の料理は、油、ソース、酢、醤油、米酢、ゴマ油、オイスターソースなどに大きく依存している[17]。キューバ料理ではニンニク、クミン、オレガノ、ベイリーフ、コリアンダーなどのスパイスを一握り使用している。また、料理にも玉ねぎ、ピーマン、トマトなどの野菜を多く使用している[18]。キューバ料理は、これらの野菜やスパイスを調理することで非常に風味豊かなものとなっている。
ニューヨーク市の中国系ラテン料理のレストラン
• Jardín De China Restaurant
• El Pabellón de Oro
• La Caridad 78
• La Dinastía
• La Preciosa China
• La Nueva Victoria
中国系ラテン料理
チャーハン
Fried Pork Chop
上海春巻き
Sesame Chicken
Chicken and Broccoli
Egg Drop Soup
Oxtail stew
CUBAN CHICHARRONES DE POLLO
シュハスコと黒豆を添えた白ごはん。
ニューヨーク発祥の料理
ストリートフード
有名な飲食会社
脚注
- ^ Zelinsky, W. (1985). “The roving palate: North America's ethnic restaurant cuisines”. Geoforum 16: 51–72. doi:10.1016/0016-7185(85)90006-5.
- ^ Gergely Baics, Feeding Gotham: The Political Economy and Geography of Food in New York, 1790–1860 (Princeton UP, 2016)
- ^ a b c Let's Go New York City. Let's Go. (2008-11-25). ISBN 9780312385804. https://books.google.com/?id=Ewr8FJP32jQC&pg=PA74&dq=%22new+york+city+cuisine%22#v=onepage&q=%22new%20york%20city%20cuisine%22&f=false May 14, 2011閲覧。
- ^ a b c d e f g Gilbert, Jonathan (2010). Michelin Green Guide New York City. Portugal: Michelin España. ISBN 9781906261863. https://books.google.com/?id=syKHJ_wEveYC&pg=PA341&dq=%22new+york+city+cuisine%22#v=onepage&q=%22new%20york%20city%20cuisine%22&f=false
- ^ Tuchman, Gary; Harry Gene Levine (October 1993). “New York Jews and Chinese Food: The social construction of an ethnic pattern”. Journal of Contemporary Ethnography 22 (3): 1. doi:10.1177/089124193022003005. http://jce.sagepub.com/content/22/3/382.full.pdf+html 9 May 2013閲覧。.
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- ^ Chiu, Lisa Chiu Lisa. “Cuban-Chinese Cuisine Is a Specific Take on Chino-Latino Food Fusion” (英語). ThoughtCo. 2019年5月10日閲覧。
- ^ “Chinese Ingredients Glossary - What you will need for Chinese cooking” (英語). The Woks of Life (2015年6月19日). 2019年5月10日閲覧。
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- ^ Editorial (5 March 1915). Chicken a la King Inventor Dies. New York Tribune, pg. 9, col. 5
- ^ Barron, James (December 8, 2005). “The Cookie That Comes Out in the Cold”. ニューヨーク・タイムズ. https://www.nytimes.com/2005/12/08/nyregion/08cookie.html
- ^ Knafo, Saki. “Decline of the Dog”. ニューヨーク・タイムズ. https://www.nytimes.com/2007/07/29/nyregion/thecity/29hala.html?_r=0 9 May 2013閲覧。
- ^ “Serendipity 3”. March 10, 2009閲覧。
参考文献
- Baics, Gergely. Feeding Gotham: The Political Economy and Geography of Food in New York, 1790–1860 (Princeton UP, 2016) xviii, 347 pp.
- Hauck-Lawson, Annie; Deutsch, Jonathan, eds (2010). Gastropolis: Food & New York City. New York: Columbia University Press. ISBN 978-0-231-13652-5
- Sietsema, Robert. "10 Iconic Foods of New York City, and Where To Find Them." ヴィレッジ・ヴォイス. Friday February 17, 2012.
関連項目
外部リンク