グレート・ベイ(Great Bay)の北西岸、オイスター川(Oyster River)の河口に位置していたことから、ダーラムはもとはオイスター・リバー・プランテーション(Oyster River Plantation)と呼ばれていた。この入植地は北隣のドーバー入植地の一部として、1635年に建設された。
初期の入植者の子孫であったベンジャミン・トンプソン(Benjamin Thompson)は、彼の資産とワーナー農場(Warner Farm)の不動産を遺産として残した。トンプソンの遺産は州に寄付され、農業大学の設立のために使われた。もとは1866年、ダートマス大学の学術都市である州西部のハノーバーにニューハンプシャー農工大学(New Hampshire College of Agriculture and the Mechanic Arts)として創立されたが、1893年にダーラムに移転し、1923年に現在のニューハンプシャー大学に改められた。1892年に建てられたトンプソン・ホール(Thompson Hall、冒頭画像)はニューハンプシャー大学のシンボルとも言える建物で、時計塔を有している。このトンプソン・ホールは、大学の礎となった資金と土地を寄付したトンプソンの名を取って命名されたものである。州都コンコードの建築会社ダウ・アンド・ランドレット社(Dow & Randlett)によってデザインされたこのロマネスク様式の建物は、1996年に国の史跡に指定された。
ダーラムの玄関口となる空港はボストンのローガン国際空港である。市の南東約16kmにはポーツマスのピース国際トレードポート(Pease International Tradeport)が位置しているが、同空港の定期便はボストン郊外のベッドフォードにボストン・アンド・メイン航空の便が週5便あるのみと極めて限られている。