スウェディッシュ・デスメタル(Swedish Death Metal)は、スウェーデンで発生したデスメタルシーンの呼称。
概要
多くのスウェディッシュ・デスメタルバンドはメロディック・デスメタルムーヴメントと関係している。スウェーデンのデスメタルシーンはパンク・ロックに由来しているところがアメリカのシーンとは異なる点である。ノルウェーはブラックメタルシーンが、ヨーテボリは巨大なメロディック・デスメタルシーンが隆盛をほこっていることで知られている一方で、ストックホルムはより混じり気のないデスメタルシーンが存在することで著名である。
歴史
黎明期
アメリカのシーンとは違い、スウェーデンのシーンではパンク・ロックの影響が強い。特に、D-Beatやハードコアの影響は顕著である[1][2]。また、後のブラックメタルシーンに多大な影響を与えたバソリーはスウェーデンのエクストリームメタルシーンを語る上で欠かせない存在である[3]。1990年代初頭、ヨーテボリ(ユーテボリ)とストックホルムに二つのデスメタルシーンが誕生した。スウェディッシュ・デスメタルの第一波と呼ばれるバンドにはCarnage(カーネイジ)とNihilist(ナイアリスト)がいる。この二つのバンドは後にエントゥームド、ディスメンバー、アンリーシュドに発展することとなる。こういったバンドの多くはサンライト・スタジオ(プロデューサーはトマス・スコッグスベリ)特有の"チリチリとした"ギターサウンドを有していた[要出典]。このサウンドはギターをダウンチューニングし[4]、フルテンにしたBoss HM-2 Heavy Metalというエフェクターにつないで出す[5]。Boss DS-1 Distortionペダルを通したギターを組み合わせることもあった。このサウンドを作り出したのはNihilistのギタリストLeffe Cuznerである。この独特のギター・サウンドはその後年月を経て改良されていくことになる[6]。"オールド・スクール"なスウェディッシュ・デスメタルの形式をとる若手のバンドにはブラッドバス[7]、ペイガナイザー[要出典]とRepugnantなどがいる[8]。
ヨーテボリのシーン
スウェーデンとフィンランドのバンドはグラインドコアをベースにしたリフ、プログレッシブ・ロックの影響を導入し始め、シーンはストックホルムからヨーテボリへと移る[要出典]。Boss HM-2 heavy metalエフェクターの音とNWOBHMからの影響を特徴とするヨーテボリのサウンドはアット・ザ・ゲイツ、ダーク・トランキュリティー、イン・フレイムスによって生み出された[9]。
影響
スウェディッシュ・デスメタルというジャンルはシーンの内外のバンドに影響を与えた。ヨーテボリのメロディアスなサウンドはHimsa、ブリーディング・スルー、トリヴィアムやキルスウィッチ・エンゲイジのようなアメリカ合衆国のハードコアバンドやメタルコアバンドへと受け継がれた。
バンド一覧
参考文献
- エーケロート、ダニエル著、 藤本淳史訳 (2020). 『スウェディッシュ・デスメタル 』パブリブ. ISBN 978-4-908468-43-8
- Purcell, Natalie J. (2003). Death Metal Music: The Passion and Politics of a Subculture. McFarland. ISBN 978-0-7864-1585-4
- Ekeroth, Daniel (2008). Swedish Death Metal. Bazillion Points. ISBN 978-0-9796163-1-0
- Olivier "Zoltar" Badin, "In the Embrace of Evil: Swedish Death Metal New Blood", Terrorizer #182, April 2009, pp. 32–34.
- James Hoare, "Left Hand Pathfinders", Terrorizer #182, April 2009, pp. 28–29.
脚注