サーチップ県(サーチップけん、英語: Serchhip district)は、インドのミゾラム州にある11県のうちのひとつ。県の面積は、1,421.60平方キロメートル (548.88 sq mi)である。行政の中心地はサーチップ(英語版)の町である。この県は、1998年9月15日に、より大きいアイゾール県から分離する形で創設された[1]。このため、この県にはイースト・ルンダール・テシル (East Lungdar Tehsil) の一部とティングスルトリア・テシル (Thingsulthliah Tehsil) の一部が含まれている[1][2]。
2011年の国勢調査(英語版)によると、サーチップ県はインドの中でも最も高い水準の識字率をもち、当時のミゾラム州の8県の中では、シアハ県(英語版)に次いで人口が少ない方から2番目であった[3]。
地理
サーチップ県は、北および北西側はアイゾール県、西および南側はルンレイ県(英語版)、南東側はミャンマー、東側はチャンパイ県と境を接している[4]。
この県は、全体的に山がちで、川沿いには堆積段丘が発達しており、農業に利用されている[5]。サーチップ県は、マット川とトゥイクム川 (Tuikum River) に挟まれている。トゥイクム川は、サーチップの町の飲料水の水源となっており、マット川はサーチップの水田地帯であるゾールプイ (Zawlpui) に農業用水を供給している[1]。ミゾラム州で最も落差が大きい滝であるバントーン滝(英語版)は、テンゾール(英語版)の町から南へ5キロメートル (3.1 mi)ほどのラウ川 (Lau River) にある[1][6]。
当地の平均標高は、888メートル (2,913 ft)[7]、年間を通しての平均気温は 15 °C から 27 °C ほどであり、一定の降水もある[4]。
行政区画
この県の行政長官はデビュティー・コミッショナー (deputy commissioner) の肩書をもち、その事務所はサーチップの町に置かれている。県の下には郡に相当するテシルとして、サーチップ・サダル (Serchhip Sadar)、ノース・バンライパイ (North Vanlaiphai)、テンゾール (Thenzawl) の3つが置かれており、その下に合わせて41の村がある[4][8]。
州議会選挙区は、トゥイクム (Tuikum)、フラントゥルゾ (Hrangturzo)、サーチップ (Serchhip) の3つがある[4]。アイゾール県に属する3つの村 (Darlawng, Phulmawi, Tlungvel) は、トゥイクム選挙区に組み入れられており、フラントゥルゾ選挙区には、チャンパイ県に属するビアテ(英語版)の町が含まれている[4]。
県内のおもな町は、サーチップ、テンゾール(英語版)、ノース・バランパイ(英語版)である。町に準じる規模の集落としては、チーングチップ (Chhingchhip)、イースト・ルンダール (East Lungdar) がある。特筆すべき村には、フリアントラン (Hriangtlang) やルンポー (Lungpho) がある。
人口
2011年の国勢調査によると、サーチップ県の人口は、64,937人で、概ねマーシャル諸島と同じである[9]。インド国内の640県の中では、626番目の人口規模である。人口のおよそ3分の1は、サーチップの町かその周辺に住んでいる。人口密度は、46人毎平方キロメートル (120/sq mi)である。2001年から2011年にかけての人口増加率は、20.56% であった。チャンパイ県における性比は、男性1000人に対し、女性が977人となっており、識字率は 97.91%.である[10]。人口の大部分は、農業に従事している[4]。
人口推移 |
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年 | 人口 | ±% p.a. |
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1971 | 34,381 | — |
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1981 | 37,803 | +0.95% |
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1991 | 46,222 | +2.03% |
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2001 | 54,460 | +1.65% |
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2011 | 64,937 | +1.78% |
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source:[11] |
自然保護
1991年、35 km2 (13.5 sq mi)の広さをもつコーンルン (Khawnglung) 野生動物保護区(英語版)がサーチップ県に設けられた[12][13]。
脚注
- ^ a b c d “District Census Handbook, Serchhip: Village and town Wise Primary Census Abstract (PCA)” (PDF). Census 2011, Mizoram. Directorate of Census Operations, Mizoram. 2015年8月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月7日閲覧。
- ^ Bhatt, S. C.; Bhargava, Gopal K., eds (2006). “Chapter 7. Government and Politics”. Land and People of Indian States and Union Territories, volume 19 Mizoram. Delhi, India: Kalpaz Publications. pp. 65–70, page 69. ISBN 81-7835-375-X
- ^ “District Census 2011”. Census2011.co.in (2011年). 2011年9月30日閲覧。
- ^ a b c d e f “Serchhip District: District Profile” (PDF). District Election Plan. Office of Deputy Commissioner, Serchhip District (2008年). 2015年8月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月7日閲覧。
- ^ “District Agriculture Plan (C-DAP), District serchhip, Mizoram”. Department of Agriculture, Government of Mizoram. p. 8. 2015−08−25時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月7日閲覧。
- ^ “Vantawng Falls”. India9.com Guide to India. Online Highways (2005年6月7日). 2012年8月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月7日閲覧。
- ^ “Serchhip District At A Glance”. Office of Deputy Commissioner, Serchhip District. 2014年8月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月7日閲覧。
- ^ Other sources state the total number of villages as forty-two. “Serchhip District At A Glance”. Office of Deputy Commissioner, Serchhip District. 2014年8月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月7日閲覧。
- ^ US Directorate of Intelligence. “Country Comparison:Population”. 2011年10月1日閲覧。 “Marshall Islands 67,182 July 2011 est.”
- ^ census2011. “Serchhip District : Census 2011 data”. census2011.co.in. 2013年6月15日閲覧。
- ^ Decadal Variation In Population Since 1901
- ^ Indian Ministry of Forests and Environment. “Protected areas: Mizoram.”. 2011年8月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年9月25日閲覧。
- ^ “Protected Area Network in India”. Wildlife Division, Ministry of Environment and Forests, Government of India. p. 27. 2013年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月7日閲覧。
外部リンク
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座標: 北緯23度18分36秒 東経92度51分00秒 / 北緯23.31000度 東経92.85000度 / 23.31000; 92.85000