カウボーイ(英:CowBoy)は、株式会社ナカノフーズが展開するスーパーマーケット。本項目は、前身となる初代法人株式会社カウボーイ(英称:CowBoy Co., Ltd.)も記述する。
1973年(昭和48年)10月25日に中野晃が資本金200万円で株式会社カネイチを設立し[2]、その後1979年に土日限定の食料品専門店の1号店「カウボーイ伏古店」を開業した[3]。開業後に会社名を株式会社カウボーイに変更した。店名はアメリカ流のショッピングセンターをイメージした店舗を目指し、単なる形にはまった店舗ではなく、「型破りな怖い物知らず」、「日々挑戦者」をイメージした。
開業当初は肉類に特化して廉売を行ったが、魚屋や八百屋から店内の一部を用いる形での出店を依頼されて複数業種の寄り合いによる専門店街に発展した[4]。土日のみ営業の食料品専門店であったが、のちに毎日営業して酒・電気製品・衣料品・スポーツ用品・洋服を取り扱い、酒、米、ガソリンなどの廉売攻勢で集客に成功した。
1990年代にモール型店舗の開発を開始した当時は、モール型店舗の草分けとされた。開発資金はメインバンクの北海道拓殖銀行が不動産を担保として積極的に融資した[5]。
1997年11月15日に北海道拓殖銀行、1998年10月28日に日本長期信用銀行、メインバンクであったそれぞれが相次いで経営破綻して経営に悪影響した。
2000年にイオンやイトーヨーカドーなど大手スーパーが北海道に攻勢し、カウボーイはスーパー事業の他にスーパー銭湯、割烹温泉、ガソリンスタンド、パークゴルフ場、スーパーでは前例がない葬祭業などを手掛けてカウボーイの敷地内に出店し、大手スーパーと差別化を図った。
2001年にアルコール系自動車燃料の廉売を試みるがガソリンとほぼ同等の課税対象となり撤退[注釈 1]した。牛海綿状脳症(BSE)問題では食肉部門が大打撃を受ける。2004年に上越店内で「割烹温泉 上越の湯」を開業させたが新潟県中越地震で悪影響を受ける。
小型スーパー事業で、ニチメンやサンドラッグと提携し、買収したドリームハウスとデイリーカウボーイを入店させたミニ複合施設の展開[6][7]や、東京など首都圏へ進出を企てるなど積極策に出るも、銀行融資が不動産担保重視から収益性重視へ変容して資金調達に困窮し、2001年9月期に684億円あった連結売上高が2006年9月期に492億円へ急落した。
2006年12月、ゴールドマンサックス証券とスパークス証券の支援で経営再建が決まり、創業者の中野は全ての職を辞任した。関連子会社の清算及び譲渡、不採算店舗の閉鎖等を行い、順調に事が進むと思われたが、2008年3月にリーマン・ショックが発生し、経営再建に悪影響が及んだ。同年7月に福岡県発祥の大手スーパートライアルカンパニーがゴールドマン・サックス証券が所持していた発行済み株式の30パーセント弱を譲り受け、カウボーイはトライアルと業務提携した。同年9月から「カウボーイ」から「トライアル」に屋号を変更したが、食品関連はカウボーイが調達した。
その後、2010年1月21日にカウボーイはトライアルに吸収合併され、解散した。
カウボーイの社長を退任した中野は、祖業の業務用食肉卸売部門を存続すべく2007年に食肉加工会社「ナカノフーズ」を設立した[4]。2008年に原点回帰する形でディスカウントショップ「アウトロー」を札幌市内で展開し、金土日限定で営業。一時は3店舗を展開したが、2013年10月に米里店、同年12月に一号店である篠路店をそれぞれ閉店し、2014年以降は本郷店のみの営業となった(その後後述の通り、本郷店は2022年12月にカウボーイに転換している)。一時はネットスーパーも展開していたが撤退し、EC関連では2020年に楽天市場で食肉加工品の販売を開始した。
2021年7月、同社が8月に札幌市清田区にカウボーイの屋号としては約13年ぶりに新規出店すると報じられた[8]。惣菜・鮮魚・製茶・パン・製麺など食品会社18社がテナント出店し、売上の15%を徴収、家賃・敷金は徴収しない形で運営し、ナカノフーズも精肉店を出店するとした[3]。なお旧カウボーイ時代とは異なり、トライアルカンパニーとの資本関係はない。小売業への再進出は新型コロナウイルスの流行に伴う食肉卸部門の得意先飲食店の閉店休業により売上が半減するといった経営悪化を背景に、外食市場への依存からの脱却と在庫の解消を目的としており、当初年商10億円を目標とした[4]。
★は、カウボーイが吸収合併で消滅するまで存続していた店舗を指す。
この項目は、企業に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(ウィキプロジェクト 経済)。