イギリス領ヴァージン諸島
British Virgin Islands
イギリス領ヴァージン諸島 (イギリスりょうヴァージンしょとう、英語 : British Virgin Islands )は、カリブ海 の西インド諸島 にあるイギリスの海外領土 (自治領)である。ヴァージン諸島 の東側半分を占め、西側はアメリカ領ヴァージン諸島 である。東にイギリス領アンギラ がある。主都はロードタウン 。
国名
2007年制定の憲法によると正式名称は単に The Virgin Islands (英語: ヴァージン・アイランズ)だが[ 2] [ 3] 、アメリカ領ヴァージン諸島 と区別するため一般的に British Virgin Islands (英語: ブリティッシュ・ヴァージン・アイランズ)と呼ばれる[ 3] 。略号は、BVI 。
住民は British Virgin Islander (ブリティッシュ・ヴァージン・アイランダー)と呼ばれる[ 3] 。
日本語の表記は、イギリス領ヴァージン諸島 、イギリス領バージン諸島 、英領ヴァージン諸島 、英領バージン諸島 など。
歴史
1493年 にクリストファー・コロンブス により「発見」され、1648年 にオランダ 人が植民を開始したが、1672年 にイギリス に併合された。
政治
イギリスの海外領土 の「第三類型」に属する。イギリス国王の代理人である総督 (governor) が、本国から離れた現地において国家元首 としての儀礼的職務を代行する。
議会 (立法機関)は、一院制 で、「Legislative Assembly」と呼ばれる。全13議席で、9議席を小選挙区制 選挙、4議席を大選挙区制 選挙により選出する。任期は4年。二大政党制 である。
行政府の長である首相 (Premier) は、議会選挙の直後、議員の中から総督によって任命される。多数派政党の党首が任命される慣例となっている。首相が島を48時間以上離れるときには、副首相に首相職務を遂行する権限を与えるものと憲法で定められており、このため首相が休暇などでヴァージン諸島を離れる際には、副首相が一時的に首相権限を代行することが発表される[ 4] 。
国歌はイギリスの国歌と同じである[ 5] が、地域歌として2013年に『ああ美しきヴァージン諸島 (英語版 ) 』を採択している[ 6] 。
法律
地理
地図
トルトラ島ロードタウン
人が定住する島は16で、小さな無人島が50近くある。主な島は以下の4島:
それ以外の島々は、以下の小島で少数の人が住む島もいくつかあるが、ほとんどは無人島である。
亜熱帯 気候。貿易風 の影響により、一年を通して気温は25℃ から30℃辺りで安定している。
ヴァージン諸島最高峰でもあるセージ山 (520m) がある。
経済
経済は、西側のアメリカ領ヴァージン諸島 と密接不可分の関係にあり、通貨 も1959年 以来アメリカ合衆国ドル が使用されている。産業は、国民所得の約半分を観光業 に依存しており、農業用地を確保できないため、ラム酒 製造や漁業 が行われている。
世界的な租税回避地(タックス・ヘイヴン )であり、2010年 9月、英国のシンクタンク により、世界第40位の金融センター と評価されている[ 7] 。
住民
人口の約8割は、18世紀にアフリカ大陸 から奴隷 として連れてこられた黒人 の子孫である。混血 のムラート や白人 も少数いる。
2012年 の国勢調査によると、宗教を信仰している人の90%以上がキリスト教徒であった[ 8] 。主な宗派はメソジスト (17.6%) 、聖公会 (12%) 、チャーチ・オブ・ゴッド (11%) 、カトリック (9%) など[ 9] 。
使用言語は英語 。
交通
3つの空港がある。トルトラ島には空港はないが、すぐ隣にあるビーフ島にテラス・B・レットサム国際空港 があり、トルトラ島とは橋でつながれている。ヴァージン・ゴルダ島とアネガダ島にも空港がある。
イギリス領ヴァージン諸島では船の交通も良く、アメリカ領ヴァージン諸島から船で簡単に行ける。
紋章の象徴
イギリス領ヴァージン諸島の紋章 には、紀元4世紀 のブリタニア 出身の聖女 であり、ドイツ のケルン の守護聖人 である聖ウルスラ の絵が描かれている。またその周囲には11個のランプが装飾として描かれているが、これはウルスラと共に殉教 したとされる伝説 の1万1千人の乙女を象徴している(すなわち、「11 millia の乙女たち」で、ランプ一基が千人の乙女を表す)。
スポーツ
クリケット は人気スポーツの一つである。トップ選手が参加するテスト・クリケット は、他のカリブ海諸国などとの多国籍チームである西インド諸島代表 として国際試合を行っている。
出身者
脚注
関連項目
外部リンク