株式会社アニメインターナショナルカンパニー (英 : Anime International Co., Inc. 、通称:AIC )は、日本 の企業。かつてはアニメ制作会社 として活動していたが、2016年以降は実制作より撤退し、過去の制作コンテンツ の版権 管理を主な業務としている。
沿革
かつて入居していた本社ビル
1980年のリメイク版『鉄腕アトム 』のグロス請け を機に設立されたスタジオ「ドゥ・ビー」を母体として、1982年7月15日に設立。初代代表取締役 社長 は旧虫プロダクション 出身の演出 ・プロデューサー である野村和史。野村の独立・A.P.P.P 設立後の1985年5月、AIC設立に参加したイージー・ワールド・プロ 出身の三浦亨 が代表取締役社長に就任する。
1980年代 後期のOVA ブームに乗り、『戦え!!イクサー1 』や『破邪大星ダンガイオー 』など、平野俊弘 による(美少女 アニメの要素を多分に含んだ)ロボットアニメ を多数発売したことで、注目を浴びる。1995年にはビデオメーカーのパイオニアLDC 製作による『天地無用!魎皇鬼 』の元請制作を受託し、テレビシリーズに本格進出。1990年代 後半には出版 部門を立ち上げ、アニメ情報とコミックで構成された季刊誌『AICコミックLOVE』を出版(1999年春号から2001年冬号までの8号を刊行し休刊)[ 3] 。さらにはゲームソフト 開発にも進出し、事業を拡大した。『AICコミックLOVE』に紹介されていたことだが、一時期、研究開発中として2次元CG だけでなく3次元CG の技術開発をしていた時期があった。
2003年、制作体制を本社であるAICデジタル (エーアイシーデジタル)、AICスピリッツ (エーアイシースピリッツ)、AIC A.S.T.A. (エーアイシーアスタ、現:AIC ASTA )の3系統に再編。その後は作品制作を各スタジオが請け負い、デジタルは『ああっ女神さまっ 』シリーズやゴンゾ との共同制作、スピリッツは『天地無用!』シリーズや『神秘の世界エルハザード 』シリーズなどAICが過去に制作した作品を中心とした制作やそれに準じた新規制作、A.S.T.A.(ASTA)は外部スタッフを起用しての新規制作を行う[ 注 1] 。
2006年、兵庫県 宝塚市 のアニメ産業拠点構想に応じてAIC宝塚 (エーアイシーたからづか)を設立[ 6] 。西東京市 のAIC PLUS+ (エーアイシープラス)と合わせて5系統の制作体制で、元請制作やグロス請けを行う。
2007年、AIC ASTAが制作したテレビアニメ 『バンブーブレード 』の予算表などがWinny を通じてインターネット 上へ流出する事件が発生。同年10月8日、AIC公式サイトへ三浦の名前によるお詫び文を発表した。2008年、新会社「株式会社アニメインターナショナルカンパニー」を分割設立した。
2009年以降、5系統の制作体制を跨いで制作する作品があるため、その場合はスタジオ名義ではなく「AIC」と統一した名義で発表される作品もある[ 注 2] 。2010年、AIC Build (エーアイシービルド)、AIC Classic (エーアイシークラシック)を立ち上げ、7系統の制作体制となる。
同年9月、パチスロ 機器メーカーのオーイズミ が全株式を買収し、同社の完全子会社となった[ 7] 。次いで2011年3月、携帯電話 のプラットフォーム 制作会社であるアプリックス [ 注 3] がAICの自己株式 を除く全株式を取得し、同社の子会社となった[ 8] 。
2012年6月、元フレックスコミックス の高倉誠司をプロデューサーに起用し、日本国外での展開を視野に入れた作品の制作を開始した[ 9] 。同月頃にはAICフロンティア を立ち上げ、8系統の制作体制となる。2012年9月には、香港で開催した「100 Years Before the Birth of Doraemon」(ドラえもん100展)を共同開催[ 10] 、同展覧会はその後アジア各地を巡展[ 11] 。
2013年2月、AICスピリッツの制作プロデューサーらが独立しプロダクションアイムズ を設立。これにより『そらのおとしもの 』など一部作品の制作が同社へ移行[ 12] 。また、同年5月にはAIC Classicの制作プロデューサーが独立し、AIC出身のあおきえい と共にTROYCA [ 注 4] を設立。
同年8月、アプリックスIPホールディングスが、企画開始から3か月でテレビアニメシリーズの放映を行う体制を構築したと発表した[ 13] 。
2014年1月20日、アプリックスIPホールディングスがAICの全株式を三浦へ8000円(1株あたり1円)で譲渡[ 14] 。AICの2012年12月期決算では3期連続の赤字を計上し、約6.6億円の債務超過 となっていた[ 15] 。
2015年11月、大村安孝 が代表取締役となる[ 16] [ 17] 。同年12月、同社が保有しているIP(知的財産権 )の大半を新規に設立した分割会社AICライツ へ承継。
2016年、制作部門を事実上解体しアニメーション実制作より撤退した。
2019年12月、大村が代表取締役を退任し2020年1月、三浦が代表取締役に再び就任[ 18] 。
作品履歴
テレビアニメ
劇場アニメ
OVA
Webアニメ
配信年
タイトル
制作スタジオ
2001年
魔法遊戯
AIC
ゲーム
制作協力
その他
関連人物
アニメーター・演出家
制作
三浦亨 (2・4代目代表取締役)
野村和史(初代代表取締役)
大村安孝 (3代目代表取締役)
渡辺欽哉
長谷川康雄(現:銀画屋)
生田目聡(現:Acca effe 代表)
福家日左夫(現:スノードロップ 代表取締役)
松嵜義之
青木武
淡野直人
長野敏之(現:トロイカ 代表取締役社長)
笠原直徒(現:トロイカ所属)
岡村繁久(現:トロイカ所属)
田村司
櫻井崇(現:颱風グラフィックス 代表取締役)
吉田昇央(現:BLADE 代表取締役社長)
先川幸矢(現:ゼロジー 代表取締役)
宮城夢乃(現:ゼロジー所属)
大原泰三(現:フロンティアワン代表取締役)
関連項目
同社スタッフ・OBが独立・起業した会社
現存
銀画屋 - プロデューサーを務めた長谷川康雄が設立。
Acca effe - プロデューサーを務めた生田目聡が2009年に設立。
スノードロップ - プロデューサーを務めた福家日左夫と元AIC宝塚所属スタッフが2011年に設立。
トロイカ - プロデューサーの長野敏之、演出のあおきえい 、撮影監督の加藤友宜や津田涼介と元AIC Classic所属スタッフが2013年に設立。
颱風グラフィックス - 編集の櫻井崇と茶圓一郎が2014年に設立。
フロンティアワン - プロデューサーを務めた大原泰三が2016年に設立。
JFK (Quad) - プロデューサーの黄樹弐悠と淡野直人がプロダクションアイムズを経て2018年に設立。
閉業
アナザープッシュピンプランニング - 演出を務めた野村和史が1984年に設立。2021年に解散。
プロダクションアイムズ - プロデューサーの松嵜義之、青木武、淡野直人と元AIC Spirits所属スタッフが2013年に設立。2018年に破産。
ウィルパレット - プロデューサーの笠原直徒、アニメーターの合田浩章 が設立。2018年に解散。
脚注
注釈
出典
外部リンク