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この項目では、アニメーション制作会社(スタジオ)について説明しています。その他の用法については「ピエロ」をご覧ください。 |
株式会社ぴえろ(英: Pierrot Co.,Ltd.)は、日本のアニメ制作会社。日本動画協会正会員。
歴史
1977年4月、アニメーター・演出家の布川郁司が朋映、虫プロダクション、タツノコプロを経て、上梨満雄やときたひろこらと共に演出家のグループとして発足。吉祥寺のマンションで活動を開始した[4]。社名の由来について、布川が幼少期に山王祭りで見たサーカス集団が印象に残っていたことから社名をぴえろにしたという[5]。
『みつばちマーヤの冒険』などを手がけた後、学習研究社からの依頼で、『ニルスのふしぎな旅』を制作するため1979年にアニメの制作スタジオとなり、株式会社に改組。「株式会社スタジオぴえろ」を設立して三鷹市にスタジオを構える。当初は『ニルスのふしぎな旅』を作るためだけに設立されたスタジオで、布川、上梨の他、竜の子プロダクションの演出スタッフであった経歴を持つ鳥海永行、案納正美、高橋資祐、押井守らが参加した。人脈的には同プロダクションの流れにあるスタジオである。また、演出家が集まって作られたため、演出家の力が強いことも当初の特徴の一つであった[6]。制作にあたっても設立当初はスケジュールに余裕をもって良質な作品を作る制作環境であったという[7]。
『ニルスのふしぎな旅』以降もテレビシリーズを制作。設立当初は学習研究社からの発注される仕事が多かった。1984年5月、版権管理事業を行う組織として「株式会社ぴえろプロジェクト」を設立した。これは請負による制作だけでは十分な利益が得られなかったことによるものである[8]。また本体と別会社にしたのは、当時のアニメーション業界では制作会社が作品に対して権利を持ち、商品化を行うことに対する偏見があったためであったという。
1981年から放送されたキティ・フィルム製作の『うる星やつら』のアニメーション制作を担い一世を風靡。1983年に始まる自社オリジナルシリーズの「ぴえろ魔法少女シリーズ」では制作会社から出資も行なう製作会社へと転換を図って[9]、ぴえろのブランドを認知させるとともにこのシリーズから広告代理店の読売広告社と組むこととなる[10]。1983年には世界初のオリジナルビデオアニメ(OVA)作品とも言われる『ダロス』を制作して、アニメ史に名を残した。テレビアニメでは『うる星やつら』以降、フジテレビ系列で放送された作品を多く手がけ、1987年の『きまぐれオレンジ☆ロード』に始まる同社の『週刊少年ジャンプ』原作作品のアニメ化路線は1992年の『幽☆遊☆白書』で視聴率的にも成功を収める結果となり、以後も数多く手掛けることとなった[11]。同じく1987年の『あんみつ姫』からは商品化権の窓口業務を始めるようになる[12]。
1987年にはぴえろ作品の海外リリースを手がけていた企画製作会社のオリエンタル・シネ・サービスと共同でビデオ販売会社の株式会社エスピーオー(Sales company of Pierrot and Oriental Service)を設立[13]。OVA『ハーバーライト物語』など当時のぴえろ作品のビデオは同社を通じてリリースされた[14]。
2002年、「株式会社スタジオぴえろ」と「株式会社ぴえろプロジェクト」の両社を合併し、社名を「株式会社ぴえろ」に変更[8]。2004年から、制作ブランド名として「studioぴえろ」の名称を使用している[注 1]。
2008年、ぴえろ作品をグロス請けしてきたスタジオ旗艦をグループ会社とする。翌年のスタジオ移転を機に社名を「株式会社ぴえろプラス」に改称[3]。2019年には更に「株式会社スタジオ サインポスト」に改め、ぴえろでプロデューサーを務めた萩野賢が代表取締役に就任した。
2012年、動画・仕上を行っていた福岡分室が閉室[15]。同年7月、長年に渡って代表取締役社長であった布川郁司が代表取締役会長に就任し、専務取締役を務めた本間道幸が代表取締役社長に就任した[16]。その後、布川は代表権の無い取締役最高顧問に就任した。
2020年4月25日、映像作品のゲーム化やグッズ・イベント展開の拡大を目的にKLabと資本業務提携を締結[17]。
同年、第14回声優アワードで、特別賞(ぴえろ40周年)を受賞[18]。
2024年7月6日、アニメーション制作の新ブランドとして「PIERROT FILMS」を設立[19]。従来の「studioぴえろ」ブランドと並行して使用する[19]。
同年7月31日、本間道幸が代表権のない取締役会長に就任し、取締役営業統括を務めた上田憲伯が代表取締役社長、専務取締役を務めた逸見圭朗が代表権を持つ代表取締役専務に就任した[1]。
同年8月、韓国のアニメーション制作会社Red Dog Culture Houseと世界市場を視野に入れたアニメーションの共同製作および出資に関する業務提携契約を締結[20]。同年10月11日、高品質な作品を安定的に制作できる体制の強化を進めることを目的に旭プロダクションと業務提携契約を締結[21]。
作品
テレビアニメ
劇場アニメ
OVA
Webアニメ
ゲーム
制作協力
関連人物
アニメーター・演出家
制作
- 布川ゆうじ(創業者・初代代表取締役社長)
- 本間道幸(取締役会長・二代目代表取締役社長)
- 上田憲伯(三代目代表取締役社長)
- 逸見圭朗(代表取締役専務)
- 深草礼子
- 鈴木重裕
- 小澤一由
- 川端信也
- 田中奈都湖
- 富永禎彦
- 礒谷麻依子
- 津野竜之輔
- 高見正人
- 萩野賢
- 押切万耀
- 朴谷直治
- 堀田哲史
- 町山晃一
- 松井将司
- 小松尚実
その他
関連項目
同社スタッフ・OBが独立・起業した会社
現在
過去
脚注
注釈
- ^ それ以前にも、「幽☆遊☆白書」などでこのブランドが使用されていた時期がある。
- ^ a b c d e f チーフディレクター
- ^ チーフディレクター、第14話まで
- ^ チーフディレクター、第15話から
- ^ 第1話 - 第479話
- ^ 第480話 - 第483話
- ^ 第484話 - 第488話
- ^ 第489話 - 第493話
- ^ 第494話 - 第500話
- ^ 第1話 - 第53話
- ^ 第489話 - 第493話
- ^ 第1話 - 第23話
- ^ 第24話 - 第39話
- ^ 第1話 - 第26話
- ^ 第27話 - 第51話
- ^ 総監督:第1話 - 第104話、監督:第282話 -
- ^ 第1話 - 第66話
- ^ 第67話 - 第104話
- ^ 第105話 - 第281話
- ^ 第1話 - 第152話
- ^ 第153話 - 第170話
- ^ a b 途中まで
出典
参考文献
外部リンク
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テレビアニメ |
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- 1:第1回 - 第106回を担当
- 共:共同制作
- カテゴリ
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関連項目 | |
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備考
- 子:子会社
- 開:株式公開を行っている企業
- 正:日本動画協会正会員
- 準:日本動画協会準会員
出典
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