『まんがで読む古典』(まんがでよむこてん)は、NHK(NHK総合テレビ)で1988年から1992年にかけて放送された教育番組のシリーズである。
1988年放送の第1作『まんがで読む枕草子』(まんがでよむまくらのそうし)の好評を受けて1989年よりシリーズ化され、のちに『枕草子』も当シリーズに組み入れられた。
なお本項では、レギュラー終了後の集中放送である『まんがで読む古典スペシャル』についても取り扱う。
番組構成
司会は、全シリーズとも清水ミチコが務めた。取り上げた作品の作者もしくは主人公を俳優が演じ、作品の成立背景などを解説する。作品は、始め原文が加賀美幸子の朗読つきで画面に現れ、次に該当部分を若者口調(橋本治が提唱する桃尻語訳)で現代語訳したものがアニメーション[1]で流れる一風変わったスタイルであった。『徒然草』からは専門家の解説コーナーが追加され、『伊勢物語』までは各回にゲストが登場した。
まんがで読む枕草子
橋本治『桃尻語訳 枕草子』(河出書房新社)がベース。
まんがで読む古典
主題歌:爆風スランプ「それから」
徒然草
第1回のみ、「放送ライブラリー」(神奈川県横浜市)にて視聴することができる。
更級日記
現在[いつ?]当作品は、NHKアーカイブス(埼玉県川口市)内にある「番組公開ライブラリー」、または全国のNHK支局に併設されている同施設にて視聴することができる。
蜻蛉日記
- 原作:藤原道綱母『蜻蛉日記』
- 脚本:林真理子
- 出演
- 番組内では「蜻蛉(かげろう)さん」と呼ばれる。
- 第1回の冒頭のみ、前作『更級日記』の藤谷も出演した(菅原孝標女が道綱母の姪のため)。
- キャラクターデザイン:桜沢エリカ
- 解説:高橋いづみ
- 放送期間:1989年11月7日 - 12月12日
伊勢物語
レギュラー放送は本作が最後となった[2]。原作者不明作品という性質上、作品の主人公役(在原業平)が登場する唯一の作品であった。
まんがで読む古典スペシャル
雨月物語
1990年の夏休み期間に集中放送[3]された。江戸時代の作品は本作が唯一である。
源氏物語
1991年の春休み期間に集中放送された。当作品が「まんがで読む古典」の最後の新作である。
単行本
- 角川書店刊
- ホーム社漫画文庫(ホーム社発行・集英社発売)
- NHKまんがで読む古典1 枕草子
- NHKまんがで読む古典2 更級日記・蜻蛉日記
- NHKまんがで読む古典3 源氏物語・伊勢物語
- 金の星社
- NHKまんがで読む古典1 源氏物語(原作:紫式部、画:鳥羽笙子)
- NHKまんがで読む古典2 蜻蛉日記(原作:藤原道綱母、画:羽崎やすみ)
- NHKまんがで読む古典3 枕草子 上(原作:清少納言、画:面堂かずき)
- NHKまんがで読む古典4 枕草子 下(原作:清少納言、画:面堂かずき)
- NHKまんがで読む古典5 伊勢物語(画:細村誠)
脚注
- ^ ただし、アニメーションといっても動きの乏しい紙芝居に近い。
- ^ 終了後は、NHK教育テレビにて過去作品が再放送された。
- ^ なお番組最後には、漫画化してほしい古典作品の募集告知が流れた。
外部リンク