鯖江市(さばえし)は、福井県にある市。嶺北地方中央部に位置する。鎌倉時代に誠照寺の門前町として発展し、江戸時代には間部氏鯖江藩5万石(のち4万石)の鯖江陣屋を中心とした陣屋町となった。
人口は約6.8万人で、福井市、坂井市、越前市に次ぐ第4位の人口を有する市である。1955年(昭和30年)市制施行。
概要
鯖江市は、日本の眼鏡フレーム生産の約96%、世界でも約20%のシェアを誇っている[1]。多くの世帯がその特産である眼鏡関連の産業[2]、あるいは業務用の漆器生産に関わっている。近年はオープンデータを活用した「データシティ鯖江」の推進や、女子高校生視点によるまちづくりプロジェクト「鯖江市役所JK課」の設置など、地域活性化に向けた新たな自治体モデルを模索している。
キャッチコピーは「めがねのまちさばえ」。
地理
位置
福井平野と武生盆地の間に位置する鯖江盆地が大勢を占め、その中央部南北に細長く伸びる市街地は北端が福井市との境を越えている。
その中にある長泉寺山(113m)も比較的なだらかな海抜50m以下の多くの部分が市街化されている。
市街地は福井鉄道福武線の神明駅を中心とする神明地域とハピラインふくい線(旧:北陸本線)の鯖江駅及び福井鉄道福武線の西鯖江駅を中心とする鯖江地域の2つに分けられる。東端にある河和田地区は山あいとなっている。市北西部には陸上自衛隊鯖江駐屯地が所在する。
地形
山岳
- 主な山
河川
- 主な川
人口
2010年(平成22年)現在、人口増加率が県内の市町村で1位である。また、人口密度も県内1位である。2010年の国勢調査においては敦賀市のほうが上回っていたが、人口減少に伴い県内の人口順位は逆転した。
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鯖江市と全国の年齢別人口分布(2005年)
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鯖江市の年齢・男女別人口分布(2005年)
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■紫色 ― 鯖江市 ■緑色 ― 日本全国
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■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
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鯖江市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
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52,614人
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1975年(昭和50年)
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57,252人
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1980年(昭和55年)
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59,579人
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1985年(昭和60年)
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61,452人
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1990年(平成2年)
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62,283人
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1995年(平成7年)
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62,890人
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2000年(平成12年)
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64,898人
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2005年(平成17年)
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66,831人
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2010年(平成22年)
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67,450人
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2015年(平成27年)
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68,284人
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2020年(令和2年)
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68,302人
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総務省統計局 国勢調査より
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健康
隣接自治体
池田町と接している部分は福井市・越前市を含む4市町境となっている山頂1点のみである。
- 福井県
歴史
近現代
- 昭和
現代
- 平成
政治
行政
市長
- 市長:佐々木勝久(2020年10月17日就任、1期目)
- 歴代市長
代 |
氏名 |
就任年月日 |
退任年月日 |
備考
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初代 |
若泉新一 |
1955年3月6日 |
1957年12月12日 |
死亡による退任
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2代 |
福島文右衛門 |
1958年1月25日 |
1978年1月24日 |
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3代 |
山本治 |
1978年1月25日 |
1986年1月24日 |
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4代 |
西澤省三 |
1986年1月25日 |
1998年1月24日 |
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5代 |
辻嘉右エ門 |
1998年1月25日 |
2004年8月28日 |
リコールによる失職
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6代 |
牧野百男 |
2004年10月17日 |
2020年10月16日 |
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7代 |
佐々木勝久 |
2020年10月17日 |
現職 |
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議会
市議会
- 鯖江市議会
定例市議会は年4回、3月、6月、9月、12月に行われる。
県議会
- 福井県議会
鯖江市から選出される福井県議会議員の定数は3議席である。現任期の満了日は、2027年(令和9年)4月29日(福井県HPより)である。
国会
- 衆議院
鯖江市は、敦賀市、小浜市、越前市、今立郡、南条郡、丹生郡、三方郡、大飯郡、三方上中郡とで構成される福井県第2区が選挙区となる。なお、当選挙区の衆議院選挙比例代表区選出議員については、比例北陸信越ブロックを参照のこと。
- 参議院
鯖江市は、参議院・北陸信越ブロックに属する。福井県選挙区は参議院一人区の1つ。
官公庁
国家機関
- 防衛省
裁判所
施設
警察
- 本部
- 交番
- 神明交番(鯖江市三六町二丁目)
- 駅前交番(鯖江市日の出町)
- 駐在所
- 立待駐在所(鯖江市杉本町)
- 吉川駐在所(鯖江市大倉町)
- 豊駐在所(鯖江市下野田町)
- 中河駐在所(鯖江市中野町)
- 北中山駐在所(鯖江市落井町)
- 河和田駐在所(鯖江市西袋町)
消防
- 本部
- 消防署
- 分遣所
医療
- 病院[6]
福祉
郵便局
- 主な郵便局
- 郵便番号
集配郵便局(集配区域)郵便番号の順に記載
- 鯖江郵便局(以下の集配区域を除く市域) 916-00xx、916-8xxx
- 北中山郵便局(北中山地区、片上地区) 916-11xx
- 河和田郵便局(河和田地区) 916-12xx
図書館
- 主な図書館
対外関係
姉妹都市・提携都市
国内
経済
- 主な産業
特産品の眼鏡枠、漆器、繊維の三つが地場産業として発達している。2000年の国勢調査までは第二次産業人口が過半数となる工業主体の都市であったが、21世紀に入り第三次産業への転換が急速に進んでいる。
- 産業人口(2005年国勢調査)
- 第一次産業:00627人
- 第二次産業:15,562人
- 第三次産業:18,794人
株式上場企業
第一次産業
農業
- 農業協同組合
第二次産業
福井県は、眼鏡フレームの生産で日本市場の96%を誇り、鯖江市はその生産の中心を担う。成人式では新成人に眼鏡を配っている[7]。また、マリンバなどの打楽器製造会社の拠点にもなっている。
工業
第三次産業
商業
- 主な商業施設
情報・通信
マスメディア
放送局
- ケーブルテレビ・ラジオ
生活基盤
ライフライン
電力
電信
- 市外局番
鯖江市の市外局番は料金単位区域(武生MA)と同一の範囲を持つ0778で統一されており、以下の区域への通話は市外局番不要かつ市内通話料金が適用される。
教育
高等専門学校
- 国立
高等学校
- 県立
中学校
- 市立
小学校
- 市立
交通
市内のほぼ中央を、南北に3本の鉄道路線、高速道路の基幹路が縦断している。市内をJR西日本の北陸新幹線が通過しているが、駅は設置されていない。
鉄道
中心となる駅:鯖江駅
鉄道路線
- ハピラインふくい
- 福井鉄道(福鉄)
バス
路線バス
- 福井鉄道
- 北鯖江駅起点、神明駅を経由する越前町への路線(鯖浦線)があるほか、福井市から越前町への路線の一部(福浦線)が通っている。
- 鯖江市 つつじバス(コミュニティバス)
- 鯖江駅、嚮陽会館(西鯖江駅近く)、もしくは神明駅、公立丹南病院を拠点として市内各地9路線が運行。
高速バス
COVID-19の影響により運休・減便を実施している事業者・路線あり。
タクシー等
- さばえ定額周遊タクシー
- 鯖江市が鯖江タクシー、相互タクシーの2社へ運行を委託して行っている。市外住民のみ市内の乗降スポット間の移動に限り利用可能で、事前のタクシーチケット購入とタクシー会社への配車が必要。
- 丹南地域定額タクシー
- 丹南広域タクシー協議会がエリア内のタクシー会社へ運行を委託して行っている。越前市、鯖江市、越前町、南越前町の住民以外の人がエリア内の乗降スポット間の移動に限り利用可能で、事前のタクシーチケット購入とタクシー会社への配車が必要。
- 河和田地区自家用有償旅客運送「ちょいボラ交通」
- 一般社団法人地域公共交通鯖江による自家用有償旅客運送(交通空白地有償運送)・ライドシェア。乗車にはあらかじめ利用登録が必要。
道路
高速道路
- 中日本高速道路(NEXCO中日本)
国道
県道
- 主要地方道
- 一般県道
道の駅
観光
名所・旧跡
- 主な城郭・館
- 主な神社
- 主な寺院
- 主な遺跡
- 主な史跡
観光スポット
- 公園
- 文化施設
- うるしの里会館
- めがね会館
- 繊維会館
- 恵美写真館
- 鯖江現代美術センター
- 娯楽施設
文化・名物
祭事・催事
- すりばちやいと(中道院:2月20日、3月2日)
- つつじまつり(5月上旬)
- もみじまつり(11月)
名産・特産
団体
- まちづくり
出身関連著名人
鯖江藩の人物も参照。
幕末鯖江藩の人物も参照。
出身著名人
ゆかりのある人物
- 間部詮勝(幕末の鯖江藩主、幕府の老中)- 嚮陽渓を開いた。
- 禿すみ(明治~昭和時代の教育者)- 福井仁愛学園を作った。
- 松田昌士(実業家、東日本旅客鉄道(JR東日本)社長、同社会長)- 父親が鯖江出身。
- 進士五十八(造園学者、農学者、福井県立大学学長)- 幼少期から小学校高学年まで旧吉川村で育った。
- 引田天功(奇術師、イリュージョニスト)- 2007年7月22日、鯖江市で公演中、機材トラブルに見舞われて怪我をした[注釈 1]。新聞報道では、「警察ではたいしたことはないといっている」だったが、事務所は「2ヶ月の重傷」と発表した。重傷を押して2日で退院し、次の名古屋公演に出演したことで話題になった。
- 若新雄純(実業家、プロデューサー)- 2014年4月から「鯖江市役所JK課」プロデューサーを務めている。
- 宮田笙子(体操選手)- 鯖江高校に在籍していた。
マスコット
- 自治体のマスコットキャラクターとして、近松門左衛門と所縁が深いことをPRするために1998年に制作された「ちかもんくん」がある。
鯖江市を舞台とした作品
アニメ
- メガネブ! - 2013年10月-12月に放送されたアニメ。鯖江市及びメガネが取り上げられている。
ドラマ
オリジナル映画
めがねのまちさばえ大使「仮面女子」とのコラボレーション事業の一環として制作された[10]。
その他
- 2011年5月5日、つつじまつり会場にて、県内外の学生や市民・眼鏡企業関連者などからなる「めがねギネス実行委員会」が中心になり、「さばえ・めがねギネス」が行われ、2万2千個以上の眼鏡を長さ2,011メートルに繋げられ、ギネスワールドレコーズジャパンの公式認定員も立ち会い、ギネス世界記録に認定された。
関連項目
脚注
注釈
- ^ 16本の鉄製の剣で入った箱ごと串刺しにされるという内容の脱出マジック中に発生した。剣を射出するタイミングを制御するコンピュータの誤作動による事故であったという。
出典
外部リンク