『長谷川町子全集』(はせがわまちこぜんしゅう)は日本の漫画家、長谷川町子の著作を収録した個人全集である。1997年(平成9年)4月から1998年(平成10年)8月にかけて朝日新聞社から全33巻と別巻1巻が刊行された。
概要
長谷川町子の生前、その著作は姉の長谷川毬子が代表を務める姉妹社から刊行されていたが1992年(平成6年)に町子が死去し、また毬子が高齢のため姉妹社を自主廃業したことにより代表作『サザエさん』を始めとする単行本の大部分は絶版となった[注 1]。『サザエさん』が連載されていた朝日新聞の発行元である朝日新聞社は同作を全45巻に再編集して1994年(平成6年)より朝日文庫から刊行していたが、姉妹社が発行していたその他の作品を含めた個人全集の刊行が1997年(平成9年)4月配本の『サザエさん』1・2から毎月2巻のペースで開始され、1998年(平成10年)8月配本『カラー版 よりぬきサザエさん』と別巻『思い出記念館』の刊行により完結した。
収録作品の大半は姉妹社から刊行されていた単行本を底本としており、新聞・雑誌に掲載されながらも姉妹社版の単行本には未収録となった作品の採録などはほとんど行われていない。また、大政翼賛会による広告宣伝の一環として新日本漫画家協会が創作したキャラクターの「翼賛一家」を起用したシェアード・ワールド作品で『アサヒグラフ』1941年2月5日号から5月14日号まで連載された『翼賛一家大和さん』(単行本の表題は『翼賛漫画 進メ大和一家』)は掲載誌と同じ発行元ながら収録されていないが、別巻『思い出記念館』掲載のエッセイでは「アサヒグラフで『大和さん』を連載していた」との記述がみられる[1]。それとは別に、朝日文庫版と同様に姉妹社版の単行本に収録されていた作品でも現代の人権感覚では不適切とされる表現を含む作品の収録が見送られている場合がある[注 2]。
2008年(平成20年)に朝日新聞社の出版事業を分社により継承した朝日新聞出版では、本全集の完結後も『サザエさんえほん』など姉妹社から刊行されていた出版物の復刻を行っている[2]。
各巻
出典・注釈
出典
- ^ 13ページ。
- ^ “「サザエさんえほん」約40年ぶりに復刊! 全巻購入特典はサザエさんぬりえ”. コミックナタリー (ナターシャ). (2015年1月17日). https://natalie.mu/comic/news/136384 2015年12月18日閲覧。
脚注
- ^ ただし、傑作選『よりぬきサザエさん』全13巻と『いじわるばあさん』全6巻のみ財団法人長谷川町子美術館が当面刊行を引き継ぎ、朝日文庫に収録されるまでは館内限定の扱いで販売していた。
- ^ 『サザエさん』姉妹社版68巻収録の「ひょうりゅう記」など。
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