東金線(とうがねせん)は、千葉県大網白里市の大網駅から同県山武市の成東駅に至る、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(地方交通線)である。
路線データ
- 管轄(事業種別):東日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 区間:大網駅 - 成東駅間[1]
- 路線距離(営業キロ):13.8km[1]
- 軌間:1,067mm
- 駅数:5(起終点駅を含む)[1]
- 東金線所属駅に限定した場合、外房線所属の大網駅と総武本線所属の成東駅[2]が除外され、3駅となる。
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 閉塞方式:自動閉塞式(特殊)
- 保安装置:ATS-P
- 最高速度:85km/h
- 表定速度:48.8km/h
- 運転指令所:千葉総合指令室(総武指令・CTC)
全区間、千葉支社管轄である。
全線が旅客営業規則の定める「東京近郊区間」、及びIC乗車カード「Suica」の首都圏エリアに含まれている。
歴史
東金へ鉄道を敷設する構想は1887年(明治20年)1月に遡る。総州鉄道の安井理民が『千葉県下鉄道敷設ノ意見』を発表。その中で、支線として八街から東金・勝浦への鉄道建設案を展開している。その後1888年(明治21年)に房総馬車鉄道が蘇我 - 東金間の馬車鉄道を出願している[3]。
その後、蘇我駅 - 大網駅間を開業した房総鉄道が1900年(明治33年)に大網駅から東金駅まで開業した路線を、1907年(明治40年)に鉄道国有法により買収し、1911年(明治44年)に成東まで延長した[4]。
1972年(昭和47年)の外房線電化に伴い、大網駅の同線方面へのスイッチバック解消のため同駅が土気駅方へ約0.6km移設されたが、運賃計算に用いる営業キロ改定(改キロ)はされていない。
年表
運行形態
特急列車や快速列車などの優等列車は運転されておらず、普通のみ運転されている。ただし2024年3月15日まで京葉線直通列車は、平日は通勤快速、土休日は快速であった。しかし現在に至るまで全列車が線内の各駅に停車している。
基本的に1時間に1 - 2本(日中は1本)の運転である。大網駅 - 成東駅間線内折返し列車の他に、日中を中心に外房線直通千葉駅発着列車がある。但し、利用者が集中する朝ピーク時の上り(成東→大網)列車は大網行で[注 1]、外房線直通の千葉行は設定されていない[注 2]。また、途中駅を始発・終着駅とする列車として夜間に千葉発東金行・その折返し東金発千葉行・最終列車の大網発東金行が設定されている。
1日1往復のみ京葉線直通列車が運転されている。朝に上り1本・夜に下り1本設定され、外房線・京葉線経由で東京駅まで運転される。使用車両はE233系5000番台(京葉線用)である。1日1往復の運用だが、東金線 - 東京都心を1本で結ぶ唯一の列車である。各駅に停車し、東金線沿線から東京駅までの所要時間は90分程[注 3]であり、平日・土休日、上下列車共に外房線の誉田駅で、上総一ノ宮駅発着の列車と分割・連結作業を行う[注 4]。
ちばフラワーバスが運行する高速バス「フラワーライナー」(千葉駅 - 東金駅入口 - 成東車庫)と「シーサイドライナー」(浜松町駅・東京駅 - 東金駅入口 - 成東車庫)と競合関係にあり、前述のとおり東金線最終電車は大網駅23時10分発東金行きであるため、バスではフラワーライナー・シーサイドライナーともそれより遅くに東金駅・成東車庫に到着する便を設定している。
車両
現在はすべて電車で運転されている。
- 209系2100番台(幕張車両センター所属)
- 先頭車セミクロスシート、中間車ロングシートの車両で、現在は6両編成で運行される。2010年12月4日ダイヤ改正で113系運用を、2011年10月1日の運用改定で211系の運用をそれぞれ置換えた。かつては4両編成も使用されていた。
- E233系5000番台(京葉車両センター所属)
- ロングシート車両で、東金線内では付属編成のみ、4両編成で運行される。外房線・京葉線直通列車に加え、早朝夜間帯には間合いで一部の線内運用にも使用される。
過去の車両
- 電車
-
- 72系(32系からの改造車を含む)(津田沼電車区所属)
- 103系(京葉車両センター所属)
- ロングシート4両編成。京葉線全通当初から同線直通列車に加え、早朝夜間帯には間合いで一部線内運用にも使用された。201系が京葉線に転入したことで撤退した。
- 113系(幕張車両センター所属)
- セミクロスシート4・6両編成。2010年12月4日ダイヤ改正限りで東金線から撤退した。
- 201系(京葉車両センター所属)
- ロングシート4両編成。京葉線直通列車に加え、早朝夜間帯には間合いで一部線内運用にも使用された。E233系5000番台が京葉線に導入されたことで撤退した。
- 211系3000番台(幕張車両センター所属)
- ロングシート5両編成。2011年10月1日の運用改定により209系6両編成に変更となり東金線から撤退した。
駅一覧
- 東金線内は全列車各駅に停車
- 線路(全線単線) … ◇・∨・∧:列車交換可、|:列車交換不可
- 全駅千葉県内に所在。
2022年度の点で、JR東日本自社による乗車人員集計[8]の除外対象となる駅(完全な無人駅)は、福俵駅のみである。
過去の接続路線
- 東金駅:九十九里鉄道(1932年まで九十九里軌道) - 1961年3月1日廃止
平均通過人員
各年度の平均通過人員(人/日)は以下のとおりである。
年度
|
平均通過人員(人/日)
|
出典
|
大網 - 成東
|
1987年度(昭和62年度)
|
12,132
|
[9]
|
2010年度(平成22年度)
|
8,705
|
2011年度(平成23年度)
|
8,704
|
2012年度(平成24年度)
|
8,742
|
2013年度(平成25年度)
|
8,736
|
2014年度(平成26年度)
|
8,458
|
2015年度(平成27年度)
|
8,628
|
[10]
|
2016年度(平成28年度)
|
8,374
|
[11]
|
2017年度(平成29年度)
|
8,149
|
2018年度(平成30年度)
|
8,075
|
2019年度(令和元年度)
|
7,911
|
2020年度(令和02年度)
|
5,249
|
2021年度(令和03年度)
|
6,170
|
[12]
|
2022年度(令和04年度)
|
6,834
|
2023年度(令和05年度)
|
7,106
|
[13]
|
脚注
注釈
- ^ 成東駅を7時台に発車する列車は全て大網行である。
- ^ このため、千葉方面に向かう場合は大網駅で外房線列車に乗換える必要がある。
- ^ 2017年4月現在のダイヤでは、東金駅 - 東京駅間の所要時間は朝の上りが75分(休日の快速は79分)、夜の下りが67分(休日の快速は77分)
- ^ 東金線成東駅発着編成は4両、外房線勝浦駅発着編成は6両で、東京駅 - 誉田駅間は10両編成で運転される。
出典
参考文献
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
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外部リンク
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※在来線の通称線名は除外した。 △全区間を他社移管 ▽一部区間を他社移管 ×廃止 |