小アンティル諸島(しょうアンティルしょとう、英語: Lesser Antilles)は、カリブ海の東端から東南端にかけて分布する諸島。西インド諸島に属するアンティル諸島の一部である。カリブ海と大西洋の境界となっている。
北部のリーワード諸島と南部のウィンドワード諸島、南西部のリーワード・アンティル諸島に分けられる(英語圏とそれ以外で「リーワード諸島」と「ウィンドワード諸島」の区分けと呼称が異なる。詳細はリーワード諸島 (西インド諸島)を参照)。
リーワード諸島とウィンドワード諸島はカリブ海の東縁に位置しており、これらの地域は東カリブ(Eastern Carib)と呼ばれることもある。リーワード・アンティル諸島は南米大陸縁辺部に分布している。
諸島は、北緯10度から20度にかけて分布し、熱帯性の気候を有する。南アメリカプレートとカリブプレートの接する沈み込み帯の影響により形成された弧状列島であり、火山島が多い。1902年に火砕流により約3万人の犠牲者を出したことで知られるプレー山(1397 m、マルティニーク島)、20世紀後半以降に活発な噴火が続いているスーフリエール・ヒルズ(1050 m、モントセラト)、小アンティル諸島最高峰であるバス・テール島のスフリエール山 (1467 m、グアドループ)、「スフリエール式火砕流」のモデルとなったセントビンセント島のスフリエール山(1234 m、セントビンセント・グレナディーン)などがある。
諸島には小規模な島が多い。最大の島はトリニダード・トバゴのトリニダード島(4827 km2)である。
小アンティル諸島は、8つの小規模な独立国(主権国家)と、ヨーロッパ諸国の海外領土(自治領など)で構成されている。
小アンティル諸島には、以下の8つの独立国(主権国家)がある。
8つの独立国中最大の面積を持つのはトリニダード・トバゴ(5128 km2)であり、最小のセントクリストファー・ネイビス(261 km2)は世界で8番目に小さな独立国(北アメリカ州・西半球最小国)である(国の面積順リスト参照)。いずれも小規模な国家であり、国際連合による小島嶼開発途上国のリストに8か国とも含まれている[1]。
欧米諸国のうち、イギリス、フランス、オランダ王国、アメリカ合衆国がその主権下の海外領土(旧植民地)を持っており、自治領・海外県などとして位置付けられている。
小アンティル諸島地域の国家の政府間組織としては、1981年に設立された東カリブ諸国機構 (OECS)があり、6つの独立国と3つの地域が加盟している( アンティグア・バーブーダ、 グレナダ、 セントクリストファー・ネイビス、 セントルシア、 セントビンセント・グレナディーン、 ドミニカ国、および3つのイギリス海外領土)。OECS では東カリブ中央銀行によって東カリブ・ドルが発行されている。
より広い地域も含めた組織としてはカリブ諸国連合(ACS) や、経済協力機関であるカリブ共同体(CARICOM)などがあり、加盟国の多くは重複している。1982年には7か国(OECS加盟6か国と バルバドス)が安全保障協定として地域安全保障システム(RSS)を結んでいる。
ヨーロッパ諸国(欧州連合加盟国)の海外領土のいくつかは欧州連合加盟国の特別領域に位置付けられている。
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