2012年に入り、デビュー30周年を迎えた安全地帯は6月27日に3度目となるSony Music Recordsへの移籍を発表した[7][8][9]。それに伴い自主レーベル「SALTMODERATE」を設立し、以降安全地帯名義、玉置浩二名義のどちらも並行して活動を行う事が発表された[7][9]。レーベル名の「SALTMODERATE」は「塩分控えめ」という意味であり、メンバー全員が50代となり健康に留意し自然体で行こうという思いが込められた[7][8][9]。
8月22日には「SALTMODERATE」レーベルから30周年第一弾作品としてカバー・アルバム『The Ballad House〜Just Old Fashioned Love Songs〜』(2012年)がリリースされ、7月1日には『安全地帯&玉置浩二SALTMODERATE発足記念USTREAM特番「ソルトモ」』が同バンド初のUstream番組として配信された[7][8][9]。9月5日および6日には30周年記念コンサート「ANZENCHITAI 30th Anniversary Concert "The Ballad House"」が東京国際フォーラム ホールCにて開催され[10]、12月12日にはその模様を収録したライブDVD『30th Anniversary Concert "The Ballad House"』がリリースされた[11]。
本作は2013年3月6日にSony Music Recordsの「SALTMODERATE」レーベルからリリースされた[13]。リリースに伴い、NHK総合音楽番組『SONGS』(2007年 - )にメンバー一同が出演し、出身地である旭川でのロケが行われ、玉置が両親の元を訪れた他に母校の中学生たちに歌を贈呈するなどの企画が放送された[13]。
本作を受けてのコンサートツアー「30th Anniversary Concert Tour Encore "The Saltmoderate Show"」は、同年3月24日のよこすか芸術劇場から6月16日のフェスティバルホールまで10都市全14公演に及んで開催された
[17]。同公演の内、4月26日から3日間連続公演となった渋谷公会堂での模様を収録したライブDVDおよびBlu-ray Disc『30th Anniversary Concert Tour Encore “The Saltmoderate Show”』が9月25日にリリースされた[18]。
批評家たちからは本作のショー仕立てになっていることに言及があったほか、音楽性や遊び心のある作風に関して肯定的な意見が挙げられており、音楽情報サイト『CDジャーナル』では、ショー仕立ての構成に関して玉置の遊び心が随所に感じられるとしながらも、「楽曲そのものは至って真面目」と評価し、安定感のある演奏でアップテンポのナンバーからバラードまで多岐に亘るラブソングが収録されている事に関して「まさに愛の伝道師の面目躍如」と称賛した[19]。また、2017年の再リリース盤ではショー仕立ての構成に「唖然とする」としながらも、「じんわりと心温まる名曲がぎっしりと詰まっている」と評した他、メンバー全員が作曲を行っている事を踏まえて「個性とともに音楽性の振れ幅を再認識させる」と肯定的に評価した[20]。音楽情報サイト『TOWER RECORDS ONLINE』では、本作がショー仕立ての構成である事に触れた上で「名曲のオンパレードであることはもちろん、玉置浩二をはじめとしたメンバーの遊び心も随所にみられる作品」と高く評価し、また玉置以外のメンバーの曲が収録されている事に関して「非常に興味深い内容の一枚」と総括した[21]。