ルノー・R30 (Renault R30) は、ルノーF1が2010年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カー。2010年開幕戦から最終戦まで実戦投入された。
2012年からタイヤサプライヤーであるピレリのテストカーとして使用されている。
概要
2010年シーズン
前年発覚したクラッシュゲート以後、チーム体制が変貌。フラビオ・ブリアトーレ、パット・シモンズ、フェルナンド・アロンソといった主要スタッフ・ドライバーがチームを去り、株式の大半がジニー・キャピタルに売却されたが、「ルノー」の名で継続参戦した。
新車R30は2009年8月にすでに開発に着手していることが発表され[1]、2010年1月31日にバレンシア・サーキットで正式に発表された[2]。前年までメインスポンサーだったINGグループの撤退などの影響から、1980年代前半の第1期ワークス時代を彷彿とさせる黄色と黒のカラーリングとなった。
R30は太目のハイノーズなど前年不振を囲ったR29と同じようなスタイリングで現れたため、ポテンシャルが不安視された。冬季テスト中も目立ったタイムを残せなかったが、開幕戦バーレーンGPではロバート・クビサが予選でトップ4チームに続く9位に食い込んだ。
続くオーストラリアGPでは悪天候を利してクビサが2位表彰台を獲得した。また、モナコGPではポールポジションを争い、予選2位から決勝でも3位表彰台を獲得した。
マシンのアップデートに関しては、第9戦ヨーロッパGPよりブロウン・ディフューザーを投入[3]。Fダクトは開発が遅れたが、第13戦ベルギーGPから導入すると、クビサがシーズン3回目の表彰台を獲得し、的確な開発が結果に表れた[4]。
シーズン終盤、ルノーのFダクトは他チームを凌ぐ直線速度をみせるようになった。最終戦アブダビGPでは、クビサがマクラーレンのルイス・ハミルトン、ヴィタリー・ペトロフがフェラーリのアロンソに対してオーバーテイクの機会を与えず、ドライバーズチャンピオン争いの結末に影響を与えることになった。
テストカーとしての利用
2011年よりタイヤサプライヤーを務めるピレリは、前年まで使用してきたトヨタ・TF109に代わりR30を2012年から開発用のテストカーに採用した[5]。ドライバーにはルーカス・ディ・グラッシとハイメ・アルグエルスアリの二名が選ばれた。
スペック
シャーシ
エンジン
- エンジン名 ルノーRS27-2010
- 気筒数・角度 V型8気筒・90度
- 排気量 2,400cc
- 最高回転数 18,000rpm(レギュレーションで規定)
- シリンダーブロック アルミニウム鋳造製
- バルブ数 32
- 重量 95kg
- 潤滑油 トタル
- エンジンマネージメント FIA(MES製)標準コントロールユニットTAG310B
記録
脚注
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