マルガレーテン(Margarethen)は、アメリカ合衆国の競走馬、繁殖牝馬。マルガレーゼン[1][2][3] と表記されることも多い。繁殖牝馬として一大牝系の祖となり、子孫に多くの活躍馬を輩出した。
経歴
競走馬時代
競走馬としてはアメリカで64戦を走り抜き、計16勝を挙げた。主な勝ち鞍に1966年のモデスティハンデキャップがある。
繁殖牝馬時代
繁殖入り後は全部で8頭(うち7頭が牝馬)の産駒を送り出した。競走馬として最も活躍したのは1974産の5番仔トリリオン(Trillion)で、1978年のガネー賞に優勝したほか、凱旋門賞、仏オークス、イスパーン賞、サンクルー大賞などG1競走での2着が計10回ある。アメリカでG1競走を4戦連続2着した1979年にはエクリプス賞最優秀芝牝馬に選出された。トリリオンを含めて牝馬の産駒がそれぞれ母として活躍し、マルガレーテン系を構築している。
1973年産のプリ(Prix)の子孫からは香港でG1競走を4勝し安田記念にも勝利したブリッシュラックが出ている。
前述のトリリオンは母としても成功を収め、史上初のガネー賞母仔制覇を達成しG1競走9勝を挙げた「鉄の女」トリプティク(Triptych)を産んだ。その後も牝系は広がり、地方所属馬として交流G1競走を6勝したフリオーソ、36年振りに凱旋門賞連覇を達成した「凱旋門賞の申し子」[4]トレヴ(Treve)などの活躍馬が出ている。
1976年産のヘイルマギー(Hail Maggie)は母として米G1馬を産み、子孫にも仏2000ギニー馬ランドシーア(Landseer)や宝塚記念優勝馬ミッキーロケットなどがいる。
最後の産駒となった1981年産のドフザダービー(Doff the Derby)は母として英ダービー・愛ダービーを制しキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスでも7馬身差の圧勝を飾ったジェネラス、日本で重賞2勝を挙げたオースミタイクーン、愛1000ギニー・英オークス優勝馬イマジン(Imagine)などを輩出する目覚ましい繁殖成績を挙げた。その後の子孫からも欧州でマイル以下のG1を6勝した名牝ムーンライトクラウド(Moonlight Cloud)、皐月賞馬ディーマジェスティ、スプリンターズステークス優勝馬タワーオブロンドンなど多くの大レース勝ち馬が出ている。
産駒一覧
産駒一覧の出典:[5][6]
マルガレーテン系
G1競走優勝馬(太字)、重賞競走に優勝した日本馬を記載。*は日本に輸入された馬。
- Margarethen 1962
- Margravine 1972
- Prix 1973
- Trillion 1974(ガネー賞)
- Hail Maggie 1976
- Noble Chick 1977
- Doff the Derby 1981
その他の近親
本馬の半妹Lady MargueryとTim Marie(共に父はティムタム)も、姉ほどではないものの独自に牝系を広げている。
- Russe-Marie 1956
- Margarethen 1962 →マルガレーテン系
- Lady Marguery 1966
- Redpath 1974
- Race the Wild Wind 1989
- Chasethewildwind 1994
- Chasetheracingwind 1995
- Here Comes Ben 2006(フォアゴーS)[22]
- Gottahaveadream 2008
- King Charlemagne 1998(モーリスドゲスト賞)[24]
- Tim Marie 1968
- Life's Hope 1973(ジャージーダービー・エイモリーLハスケルH)[25]
- Little Happiness 1974
- A Little Love 1980
- More Happiness 1987
- Heart a Dancer 1978
- Ventured 1982
牝系図の出典:Galopp Sieger、牝系検索α
血統表
- 牝系を遡ると7代母セントマーガレット(St.Marguerite、セントマルゲリートとも)に辿り着く。同馬は牝馬ショットオーヴァーがイギリス牡馬クラシック二冠を制するなど活躍し当年のクラシック5競走を全て牝馬が制した世代の出身で、自身も1000ギニーでショットオーヴァーを2着に破り優勝した活躍馬だった。繁殖牝馬としても大きく牝系を伸ばし、子孫に英三冠馬ロックサンドや本馬との間にMargravine・Trillion・Hail Maggieを産んだ名種牡馬ヘイルトゥリーズンが出ているほか、本馬の6代母St.Marinaの牝系にも米三冠馬ギャラントフォックスなどがいる。
注釈
出典
参考文献
外部リンク