POWER DoLLS(パワードール)は、1994年に工画堂スタジオより発売されたパソコン用戦術シミュレーションゲームのシリーズである。
工画堂スタジオ内うさぎさんちーむによって開発された。未来の植民惑星を舞台にパワーローダーと呼ばれるロボットによって構成された部隊を指揮して戦闘での勝利を目指すシミュレーションゲームである。ゲーム内の自軍パイロットが全員、美女・美少女で構成されており、美少女ロボット部隊を指揮して戦うゲームという側面から人気を得た。また、ゲーム内容自体は比較的シビアで難易度は非常に高い。後年、いるかさんちーむよりパワードールの入門編と言える『ブルーフロウ』が発売されている。
後にOVA化され、1996年3月20日には『POWER DoLLS -オムニ戦記2540-』(全1話)、1998年3月1日には『POWER DoLLS Detachment of Limited Line Service プロジェクトα』(全1話)のタイトルで発売された。
移民惑星オムニを舞台に、人型陸戦兵器パワーローダーを使う機械化特殊部隊DoLLS(Detachment of Limited Line Service)を指揮し、困難な任務を遂行する。プレイヤーは、パワーローダーユニットに移動、索敵、戦闘などを適切に指示し、「目標構造物の破壊」「人質救出」「一定時間戦線を保持する」といった目標を果たさなければならない。
パワードールシリーズのストーリーは、地球政府軍との戦いから、反政府組織ジアスとの戦いまでを描いた第1世代と、サイフェルト共和国との戦いを描いた第2世代の2つに大きく分けることができる。
システム面でも両者には違いがみられる。第1世代の作品はオーソドックスな戦術級ウォーゲームであったが、プラットホームの主体を移した第2世代からは、リアルタイム性の導入、ポリゴンによる3D描画などの新しい試みを行っている。『POWER DoLLS 5』からはトップビューからクォータービューに視点が変わり、特に『POWER DoLLS 6』ではTPS的な要素が大胆に取り込まれている。
『POWER DoLLS 2 DASH』は『POWER DoLLS 2』の、『POWER DoLLS 5』『POWER DoLLS 5X』は『POWER DoLLS 4』の外伝的な内容になっている。また、『POWER DoLLS FX』はストーリーこそ『POWER DoLLS』だが、登場するオムニ軍の機体が『POWER DoLLS 2』のものであった。そして、ゲームシステムも大きく異なっている。『POWER DoLLS 6』はTPSの要素を取り入れた。
第177特務大隊とは、オムニ独立戦争時、X-1シリーズ開発終了とともに設立された、パワーローダーの特性を生かした運用法や戦術を研究するための、オムニ国防総省直属の特殊部隊である。この部隊は、目的を別とする3つの中隊から成っている。
「DoLLS」として知られているものは第3中隊であり、女性のみで編成されている。女性のみで編成された理由には、以下のような説がある。
この中で、2と3が最も真実に近いといわれている。アイドル部隊としての活動は小説版にて描かれており、第2世代のDoLLSも当初は本当にアイドル部隊になる予定だった。
第3中隊はその任務の性質上、パワーローダーのみではなく支援車両や航空兵力を持ち、自己完結性が高い。ジアス動乱以降に再編成された第177特務大隊は即応部隊、つまりDoLLSのみの編成である。
登場する女性キャラクターは総勢27人。初期段階のメンバーは20人[3]。ミッションをクリアするごとに新たなキャラクターが仲間に加わる[4]展開が進むと全員が自然に仲間になるのかは不明だが、27人を仲間にする方法がある。
女性だけで編成された部隊である『DoLLS』は、戦闘団による緊急展開可能な特務機動部隊として設立された。その設立には軍全体の士気向上という上層部の思惑もあったが、最大の理由は、集まったDoLLSのメンバーが卓越した能力を持っていた[3]。
文化放送系『久川綾のSHINY NIGHT』中で放送された作品。『POWER DoLLS 2』の世界を下敷きにしているが、細部の設定が異なる。タイトルの「ステレオ」という冠は、当時日本の中波AMラジオ放送に導入数年目(1992~)であったAMステレオ放送を活用していることを顕示するため。
『POWER DoLLS FX』をベースとした『POWER DoLLS -オムニ戦記2540-』と、『ステレオドラマ・パワードール』をベースとした『POWER DoLLS・プロジェクトα』の2作が発売された。