タイリー・グレン(Tyree Glenn、1912年11月23日 - 1974年5月18日)は、アメリカのトロンボーンおよびヴィブラフォン奏者[1][2][3]。
略歴
タイリー・グレンは、地元テキサスのバンドでトロンボーンとヴィブラフォンを演奏した後、1930年代初頭にワシントンD.C.に移り、スウィング時代のいくつかの著名なバンドと共演している[1]。ボブ・ヤングと共演し(1930年)、その後はトミー・マイルズのバンドに参加した(1934年–1936年)。マイルズの元を去った後、西海岸に移り、チャーリー・エコルズが率いるグループで演奏した (1936年)。さらに、エディ・ベアフィールド(1936年)、エディ・マロリーのバンド(1937年)、ベニー・カーター(1937年)と共演し、1939年から1946年までキャブ・キャロウェイと共演した[1]。
彼はドン・レッドマンのビッグ・バンドと共にヨーロッパをツアーした(1946年)。1947年から1951年までは、トリッキー・サム・ナントンに由来するスタイルのワウ・トロンボーン奏者として、またエリントン楽団唯一のヴィブラフォン奏者としてデューク・エリントンと共演し、「リベリア組曲 (Liberian Suite)」でよくフィーチャーされた[1]。その後、ハワード・ビッグス・オーケストラとも共演している。
1950年代、グレンはスタジオで音楽活動を行い[1]、エンバーズでカルテットを率いて、テレビ、ラジオ、演劇の仕事をし、スウィングやディキシーランドを扱うフリーランスとなった。1953年、ジャック・スターリングのニューヨーク・デイリー・ラジオ・ショウに参加し、1963年までそこに留まった。1965年から1968年の間、ルイ・アームストロングのオール・スターズで世界をツアーして廻り、1971年にアームストロングが亡くなるまで演奏した[1]。その後、最後の数年間は、自身のグループを率いた[1]。
また、彼はスタジオ・ミュージシャンにして、俳優でもあった。彼は、デューク・エリントンとエロル・ガーナーによって録音された「Sultry Serenade」を作曲している[1]。アラン・ロバーツが歌詞を追加したことで、この曲は「How Could You Do a Thing Like That to Me?」として知られるようになり、フランク・シナトラによって録音された[1]。
グレンはニュージャージー州イングルウッドに暮らしていたが[4]、61歳で癌によって亡くなった。彼には2人の息子、タイリー・ジュニアとロジャーがおり、どちらもミュージシャンとなった[1]。
受賞歴
インディペンデント・ミュージック・アワード 2013 : Satchmo at the National Press Club: Red Beans and Rice-ly Yours - 最優秀リイシュー・アルバム[5]
ディスコグラフィ
リーダー・アルバム
- At the Embers (1957年)
- 『アット・ザ・ラウンドテーブル』 - Tyree Glenn at the Roundtable (1958年)
- Try A Little Tenderness – Tyree Glenn with Strings (1959年)
- 『レッツ・ハヴ・ア・ボール』 - Let’s Have a Ball (1960年) ※タイリー・グレン・クインテット名義
- 『タイリー・グレン・アット・ザ・ロンドン・ハウス・イン・シカゴ』 - At the London House in Chicago (1961年)
- Trombone Artistry (1962年)
参加アルバム
ルイ・ベルソン & ジーン・クルーパ
- 『ドラムの決闘』 - The Mighty Two (1963年、Roulette)
バック・クレイトン
- 『バック・クレイトン・ジャム・セッション』 - All the Cats Join In (1956年、Columbia)
ジャック・スターリング・クインテット
- Cocktail Swing (1959年、Harmony/Columbia)[6]
クラーク・テリー
- Duke with a Difference (1957年、Riverside)[7]
脚注
- ^ a b c d e f g h i j Colin Larkin, ed (1992). The Guinness Encyclopedia of Popular Music (First ed.). Guinness Publishing. p. 983. ISBN 0-85112-939-0
- ^ “File:William Tyree Glenn Birth Certificate-2.PNG - Wikimedia Commons”. October 6, 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。October 3, 2014閲覧。
- ^ “File:William Tyree Glenn Birth Certificate-1.PNG - Wikimedia Commons”. October 7, 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。October 3, 2014閲覧。
- ^ "Tyree Glenn, Jazz Trombonist In Era of Big Bands, Dies at 61", The New York Times, May 20, 1974. Retrieved November 26, 2007.
- ^ "12th Annual Independent Music Awards Winners Announced!" Independent Music Awards, June 11, 2013. Retrieved September 4, 2013.
- ^ Don Swaim. “WCBS Newsradio 88 - Jack Sterling”. January 8, 2021閲覧。
- ^ Anderson, Pete (April 2004). “The Plunger Mute and Tyree Glenn”. The International Trombone Journal 32 (2).
外部リンク