スタテンアイランドフェリー(英語:Staten Island Ferry、スタテン島フェリー)は、ニューヨーク市マンハッタン区とスタテンアイランド区の間を航行するフェリー。
概要
フェリーは、バッテリー・パーク近くのマンハッタンの南端に位置する、ホワイトホール・ターミナルから出発し、スタテンアイランドのリッチモンド郡役所付近にある、セント・ジョージ・ターミナルへ到着する。フェリーは、365日24時間営業している。また、96パーセントは、時間通りに航行している。フェリーは、1905年からニューヨーク市が運営しており、5.2マイル(8.4㎞)の距離で、毎年2100万人を輸送している。
所要時間は約25分、料金は無料である。乗客は、どちらかに上陸しなければならず、沿岸警備隊などの規則により、往復する場合でも、一度ゲートの外へ出てからもう一度入らなければならない[2]。自転車も積み込める場合がある。昔は、自動車も1台3ドルで輸送できたが、アメリカ同時多発テロ以来、許可されていない。
フェリーの料金は、もともとニューヨーク市地下鉄と同じ5セントだった。1948年に地下鉄の料金が10セントに値上げされてからも、そのままであった。1970年には、当時の市長、ジョン・リンゼイが25セントまで値上げすることを提案し、1975年8月4日に、25セントとなった。1990年には50セントまでにもなったが、1997年から無料化されている。無料化は2024年現在も継続中[3]。
乗客は主に通勤客で、セント・ジョージ・ターミナルは、スタテンアイランド鉄道の終着駅であり、駐車場には、多くの人が車を駐車している。また、航行中に自由の女神像が見えることから、観光客にも人気がある。
歴史
現役の船隊
スタテンアイランドフェリーは、5.2マイル(8.4㎞)の距離を約25分で、毎年1900万人以上もの乗客を輸送しており、24時間営業している。1日に5隻ほどの船で、約104回航行し、7万5千人を輸送している。年間では、3万3千回以上も航行している。
ラッシュアワーでは、通常15〜20分間隔で運行しており、昼間や夜間は30分間隔まで減便される。深夜・早朝には60分間隔になる。週末は、30分、60分間隔で運行されていたが、2006年11月から午前中は30分間隔となった。これは、歴史的に大きな変化である。
現在、現役の船舶は、4種類の8隻である。
- 1965年に建造。乗客定員:3500人、積載台数:40台、全長:297フィート(91メートル)、全幅:69フィート10インチ(21.3メートル)、喫水:13フィート6インチ(4.1メートル)、総トン数:2,109トン、航海速力:16ノット(30㎞/h)、エンジン:6,500馬力(4.8MW)。
- 1981、1982年に建造。乗客定員:6000人、積載台数:0台、全長:310フィート(94メートル)、全幅69フィート10インチ(21.3メートル)、喫水:13フィート6インチ(4.1メートル)、総トン数:3,335トン、航海速力:16ノット(30㎞/h)、エンジン:7,000馬力(5.2MW)。
- 1986年に建造。乗客定員:1280人、積載台数:0台、全長207フォート(63メートル)、全幅40フィート(12.2メートル)、喫水:8フィート6インチ(2.6メートル)、総トン数:499トン、航海速力:16ノット(30㎞/h)、エンジン:3,200馬力(2.4MW)
- 乗客定員:4500人、積載台数:40台。マニトウォク・マリン・グループにより、古いニューヨークのフェリーを再現して建造された。最初に建造されたのは、ガイ・V・モリナリ号で、スタテンアイランド区長などをつとめたガイ・V・モリナリの名をとって命名された。同船は2005年に就航した。第2船は、ニューヨーク州議会議員のジョン・マルチの名をとっている。第3船であるスピリット・オブ・アメリカは、フェリーがB&O鉄道からニューヨーク市に引き継がれたことの100周年を記念し、2005年10月25日に就航した。
主なトラブル
大衆文化におけるスタテンアイランドフェリー
文学
映画・テレビ
出典
- ^ “Mayor’s Management Report Fiscal 2017”. nyc.gov. City of New York. p. 272 (September 2017). September 19, 2017閲覧。
- ^ http://www.flickr.com/photos/hbomb/11426956
- ^ “米NYの観光詐欺ツアー、地元出身のアレック・ボールドウィンさんも被害に”. CNN (2019年10月9日). 2019年10月9日閲覧。
- ^ “Tanker Collides With N.Y. Ferry”. Los Angeles Times. (February 9, 1958). http://latimesblogs.latimes.com/thedailymirror/files/1958_0209_cover.jpg 2010年2月13日閲覧。
- ^ Blum, Howard (November 8, 1978). “173 Hurt in Staten Island Ferry Crash”. The New York Times. http://select.nytimes.com/gst/abstract.html?res=F50B11FF3D5511728DDDA10894D9415B888BF1D3 2010年2月21日閲覧。
- ^ McFadden, Robert D. (July 8, 1986). “Man with Sword Kills 2 and Wounds 9 on S.I. Ferry”. The New York Times. http://www.nytimes.com/1986/07/08/nyregion/man-with-sword-kills-2-and-wounds-9-on-si-ferry.html 2010年2月21日閲覧。
- ^ Barron, James (September 20, 1997). “Long Drive Off Short Ferry Puts Commuter in the Bay”. The New York Times. http://www.nytimes.com/1997/09/20/nyregion/long-drive-off-short-ferry-puts-commuter-in-the-bay.html 2010年2月21日閲覧。
- ^ DAnna, Eddie (July 2, 2009). “Transformer failure caused Staten Island Ferry crash, officials say”. Staten Island Advance. http://www.silive.com/northshore/index.ssf/2009/07/transformer_failure_caused_sta.html 2010年2月13日閲覧。
- ^ Rosenberg, Chloe; Goldiner, Dave (July 2, 2009). “Staten Island ferry crash at St. George Terminal caused by faulty transformer”. Daily News (New York). http://www.nydailynews.com/ny_local/2009/07/02/2009-07-02_faulty_transformer_caused_staten_island_ferry_hard_.html 2010年2月13日閲覧。
- ^ Chapman, Ben; Nocera, Kate; Kemp, Joe; Lemire, Jonathan (May 8, 2010). “Staten Island Ferry in Fatal 2003 Crash Slams into Terminal Again”. Daily News (New York). http://www.nydailynews.com/ny_local/2010/05/08/2010-05-08_staten_island_ferry_with_hundreds_onboard_slams_into_st_george_dock_more_than_a_.html 2010年5月9日閲覧。
外部リンク