ディジーズ・クラブ・コカ・コーラ (Dizzy's Club Coca-Cola) - 140席:高名なジャズ音楽家ディジー・ガレスピーの名をとった、こぢんまりとしたジャズ・クラブ。
フレデリック・P・ローズ・ホールには、このほかにも、所縁のある人々の名を冠した施設が組み込まれている。アイリーン・ダイアモンド(Irene Diamond)の名を冠した Irene Diamond Education Center は、おもに教育目的で使用されるリハーサル室や録音室が設けられている。また、ネスヒ・アーティガン(Nesuhi Ertegun)の名を冠した The Nesuhi Ertegun Jazz Hall of Fame (NEJHF) 、ピーター・ジェイ・シャープ(Peter Jay Sharp)の名がついた展示スペース、18フィート(約5m)のビデオの壁を中心としたインスタレーション、インタラクティブに情報を採り出せるコンピュータ・コーナー、画面に触れると立ち現れるバーチャルなプラークなどもある。観覧者は、ジャズの巨人たちの人生、芸術、音楽を讃え、それが芸術としての形態と音楽産業に堅く結び付いていることを学べる。ジャズ・アット・リンカーン・センター(JALC)は、NEJHFの実績に基づいて、ウェブサイトも構築している。
JALCの芸術監督はウィントン・マルサリスであり、執行役員はエイドリアン・エリス(Adrian Ellis)、プログラム・ディレクターはアントニオ・チャッカ(Antonio Ciacca)がそれぞれ務めている。マルサリスが率いるジャズ・アット・リンカーン・センター・オーケストラ(The Jazz at Lincoln Center Orchestra with Wynton Marsalis, JLCO)は、JALCの常設オーケストラとして、フレデリック・P・ローズ・ホールをはじめ世界中で公演をしている。
JALCの教育ミッションは、22のプログラムやリソースに及び、5万人以上の人々に直接提供されるとともに、JALCが提供したカリキュラムや楽譜、オンライン・リソースなどを通して400万人へ間接的に到達したと推定される。「WeBop!」というプログラムでは、生後8か月の幼児から、子どもたちがスイングし、ストンプし、シャッフルすることができる。「Jazz for Young People(若者のためのジャズ)」と題されたコンサート・シリーズは、家族連れや学校のグループに好評であり、「Jazz in the Schools(学校でのジャズ)」のツアーは、ニューヨーク市中の各地の学校にプロのジャズ・アンサンブルを派遣している。 全国各地の学校教員は、こうしたコンサートに参加した経験を「Jazz for Young People」のカリキュラムを通して教室に持ち帰り、また、「NEA Jazz in the Schools(全米芸術基金助成:学校でのジャズ)」[1] によって、ジャズとアメリカの歴史を結びつけている。JALCは、また、こうした教員たちが取り組む教育イベントをオンラインでネット上に流している。
フレデリック・P・ローズ・ホールでは、成人を対象とした「Swing University」や「Jazz Talk」、「the Nesuhi Ertegun Jazz Hall of Fame(ネスヒ・アーティガン・ジャズの殿堂)」によって、もっぱら聴くスキルを磨き、ジャズ史を探求する機会が提供されている。