『コットンクラブ』(The Cotton Club)は、1984年のアメリカ合衆国の犯罪映画。
監督はフランシス・フォード・コッポラ(クレジットはフランシス・コッポラ)、出演はリチャード・ギアとグレゴリー・ハインズなど。
1920年代から1930年代にかけてニューヨークハーレム地区に実在した高級ナイトクラブ「コットン・クラブ」を舞台に、華やかなショーやマフィアの覇権争いなどを、実在の人物を交えて描いたフィクションである。
ストーリー
ギャングがマシンガンを撃つ禁酒法時代のニューヨーク(1920年代)。マンハッタンのハーレムにあるコットンクラブは、従業員とダンサーは黒人だが、客は正装した白人に限られる高級ナイトクラブだった。クラブのオーナーであるオウニーとフレンチーは、暗黒街の黒幕的存在で、ギャングたちを牛耳っていた。
ギャングのボスであるダッチは、ハーレムで襲撃を受け、コルネット奏者兼ピアニストのディキシー・ドワイヤー(リチャード・ギア)に命を救われた。ディキシーは巻き添えを食った歌手のベラ(ダイアン・レイン)に一目ぼれするが、ベラはダッチの愛人になる。ベラには、ブロードウェイに自分のナイトクラブを持つという野心があったのだ。ディキシーは、ダッチに顎で使われる立場に嫌気がさし、脱却の機会を窺う。
若手の黒人タップダンサーであるサンドマン(グレゴリー・ハインズ)は、兄のクレイとコンビでコットンクラブのオーディションを受け、合格する。サンドマンは兄との対立や、混血の歌手ライラとの恋に悩みつつ、コットンクラブでの人気を確実なものとして行く。
ディキシーはコットンクラブのオーナーであるオウニーの口利きで、ハリウッドのギャング映画に出演し、スターになる。だが、ディキシーの弟のヴィンセント(ニコラス・ケイジ)は、暗黒街での成り上がりを目指し、フレンチーの誘拐を企てた揚句に射殺される。
大恐慌による不景気の時代がきても、コットンクラブは相変わらずの賑わいだった。トップダンサーとなったサンドマンは、舞台で華麗なタップを踏んでいる。同じ頃、ギャング同士の抗争からダッチが射殺された。ディキシーは、愛人関係から解放されたベラと共にハリウッドへと旅立った。
キャスト
- ディキシー・ドワイヤー
- 演 - リチャード・ギア
- コルネット奏者でジャズピアニストの青年。ダッチの命を救ったことで目をかけられる。
- ビックス・バイダーベック(1903年-1931年)をモチーフにしたキャラクター。
- サンドマン(デルバート)・ウィリアムズ
- 演 - グレゴリー・ハインズ
- コットン・クラブのオーディションに受かったタップダンサー。ライラに一目惚れする。
- ベラ・シセロ
- 演 - ダイアン・レイン
- 歌手。まだ10代だが大人びた容姿を武器に自分の店を持つことを目指している。
- ライラ・ローズ・オリヴァー
- 演 - ロネット・マッキー(英語版)
- 父親が黒人で母親が白人の歌手。肌が白いので白人にも見える。
- ジャズ歌手で女優のレナ・ホーン(1917年-2010年)をモチーフにしたキャラクター。
- オウニー・マドゥン(実在の人物)
- 演 - ボブ・ホスキンス
- コットン・クラブの経営者で暗黒街のドン。アイルランド系。
- ダッチ・シュルツ(実在の人物)
- 演 - ジェームズ・レマー
- 凶暴な性格のギャングのボス。本名アーサー・フレゲンハイマー。ユダヤ系。
- ヴィンス・ドワイヤー
- 演 - ニコラス・ケイジ
- ディキシーの弟。成り上がり志向が強く、ディキシーがダッチの命を救ったことをきっかけにダッチの用心棒になる。
- マッド・ドッグ・コール(1908年-1932年)をモチーフにしたキャラクター。
- アッバダッバ・バーマン(英語版)(実在の人物)
- 演 - アレン・ガーフィールド
- ダッチの部下。
- フレンチー・デマンジ(実在の人物)
- 演 - フレッド・グウィン
- マドゥンの相棒。
- ティシュ・ドワイヤー
- 演 - グウェン・ヴァードン
- ディキシー、ヴィンス兄弟の母。
- フランシス・フレゲンハイマー
- 演 - リサ・ジェーン・パースキー(英語版)
- ダッチの妻。
- クレイ・ウィリアムズ
- 演 - モーリス・ハインズ(英語版)(グレゴリー・ハインズの実兄)
- サンドマンの兄でタップダンスのパートナー。
- ソル・ワインスタイン
- 演 - ジュリアン・ベック(英語版)
- ダッチの忠実な部下。
- バンピー・ローズ
- 演 - ローレンス・フィッシュバーン
- 黒人マフィアのボス。
- バンピー・ジョンソン(1905年-1968年)をモチーフにしたキャラクター。
- アーヴィング・スターク
- 演 - トム・ウェイツ
- コットン・クラブのスタッフ。サンドマンにオーディション合格を告げる。
- パッツィ・ドワイヤー
- 演 - ジェニファー・グレイ
- ヴィンスの妻。
- キャブ・キャロウェイ(実在の人物)
- 演 - ラリー・マーシャル(英語版)
- 黒人ジャズ歌手。コットン・クラブでパフォーマンスを見せる。
- グロリア・スワンソン(実在の人物)
- 演 - ダイアン・ヴェノーラ
- ハリウッドの大女優。ディキシーに映画俳優になることを勧める。
他にもデューク・エリントン、チャールズ・チャップリン、ジェームズ・キャグニー、ファニー・ブライスが実名で登場する。
日本語吹替
作品の評価
Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「エネルギッシュで記憶に残る役者たちが勢揃いした『コットンクラブ』は、その視覚的および音楽的な力強さで楽しませてくれるが、プロットは儀礼的な拍手喝采を集めるだけに終わっている。」であり、29件の評論のうち高評価は76%にあたる22件で、平均点は10点満点中6.46点となっている[3]。
Metacriticによれば、14件の評論のうち、高評価は8件、賛否混在は6件、低評価はなく、平均点は100点満点中68点となっている[4]。
出典
関連項目
外部リンク
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