イハルクトスクス

イハルクトスクス
ホロタイプの頭蓋骨
地質時代
後期白亜紀
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
上綱 : 四肢動物上綱 Tetrapoda
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜型下綱 Archosauromorpha
階級なし : 偽鰐類 Pseudosuchia
上目 : ワニ形上目 Crocodylomorpha
階級なし : 新鰐類 Neosuchia
階級なし : 正鰐類 Eusuchia
: ハイラエオチャンプサ科 Hylaeochampsidae
: イハルクトスクス Iharkutosuchus
学名
Iharkutosuchus Ősi et al.2007
  • I. makadii Ősi et al.2007

イハルクトスクス学名Iharkutosuchus[1]は、絶滅したワニ形上目正鰐類の基盤的な化石ハンガリーのバコニー山脈に分布する上部白亜系サントニアン階の Csehbánya Formation で発見された[2]

特徴

イハルクトスクスはほぼ完全な頭蓋骨であるホロタイプ標本 MTM 2006.52.1 に基づいて記載されており、他に部分的頭蓋骨、単離した頭蓋骨の骨、および無数のが知られている。イハルクトスクスは小型のcrocodyliformであり、頭骨長は11.1センチメートル、推定全長は0.8メートルである。 頭蓋骨は上下に低く、吻部は短い。イハルクトスクスの特徴として異歯性があり、本属の歯のいくつかはは哺乳類と同様に複数の咬頭を有していて複雑な形状をなす。頭蓋骨の構造からは、下顎を動かして食べ物を擦り潰すことが可能であることが示唆され、繊維質の植物性物質を摂食したことが歯の形状も合わせて考えられる[2][3]

分類

本属は2007年にAttila Ősi らが記載し、タイプ種は László Makádi にちなんだ I. makadii とされた[2]。2011年の系統解析では、イハルクトスクスは基盤的な正鰐類であるハイラエオチャンプサ科に置かれた。以下にクラドグラムを示す[4]

正鰐類
ハイラエオチャンプサ科

Hylaeochampsa vectiana

Iharkutosuchus

Pietraroiasuchus ormezzanoi

Pachycheilosuchus trinquei

Allodaposuchus

ワニ目

出典

  1. ^ 歯を調べて分かった、ワニが「ベジタリアン」の時代があったという事実”. 朝日新聞GLOBE+. 朝日新聞社 (2019年8月9日). 2023年2月8日閲覧。
  2. ^ a b c Ősi, Attila; Clark, James M.; Weishampel, David B. (2007). “First report on a new eusuchian crocodyliform with multicusped teeth from the Upper Cretaceous (Santonian) of Hungary”. Neues Jahrbuch für Geologie und Paläontologie, Abhandlungen 243 (2): 169–177. doi:10.1127/0077-7749/2007/0243-0169. 
  3. ^ Ősi, Attila; Weishampel, David B. (2009). “Jaw mechanism and dental function in the Late Cretaceous basal eusuchian Iharkutosuchus”. Journal of Morphology 270 (8): 903–920. doi:10.1002/jmor.10726. PMID 19206154. 
  4. ^ Buscalioni, A.D.; Piras, P.; Vullo, R.; Signore, M.; Barbera, C. (2011). “Early eusuchia crocodylomorpha from the vertebrate-rich Plattenkalk of Pietraroia (Lower Albian, southern Apennines, Italy)”. Zoological Journal of the Linnean Society 163: S199–S227. doi:10.1111/j.1096-3642.2011.00718.x.