アイルランド聖公会(アイルランドせいこうかい、英語: Church of Ireland, アイルランド語: Eaglais na hÉireann[1])は、キリスト教の一派のアングリカン・コミュニオンにおいて自治権をもつ大教区のひとつ。主に北アイルランドとその国境付近のアイルランドで信仰されている。アイルランド地域における国教であった時代もあったため、アイルランド国教会とも訳される。ほかの聖公会各派と同様にカトリックとプロテスタントの中間的な教義であるとされているが[2]、アイルランド聖公会では特に「アイルランドの古伝・公同(カトリック)・使徒継承教会 (the Ancient Catholic and Apostolic Church of Ireland)」と「改革されたプロテスタント教会 (a reformed and Protestant Church)」の2つの要素で形作られているとする独自の解釈をもつ。[3]
国教の地位にあるアイルランド国教会は、全体では少数派であるという事実を無視する形で、その歳入を全アイルランド住民に課せられていた十分の一税から得ていた。しかし十分の一税は1831年から1836年に起こった十分の一税戦争(英語版)のような爆発につながる要因の一つでもあった。その後十分の一税は廃止されたが、より軽い税である十分の一地税(tithe rentcharge)と呼ばれる税に取って代わった。1869年にアイルランド国教廃止法(英語版)が可決され、1871年に施行されると、アイルランド聖公会は国教としての役割を終えた。聖公会はアイルランド政府の支援と政府への影響力を失い、また多くの教会とその財産を政府に明け渡した。それらの補償は聖職者たちに与えられたものの、多くの小教区は使用料を生み出して財政に貢献していた土地と建物を喪失したことにより、非常につらい経済状態に置かれた。1870年にアイルランド聖公会は総会によって運営される統治機構と、財政管理を担当する教会代表法人(Representative Church Body)を制定した。
アイルランド聖公会は2つの大聖堂(カテドラル=主教座聖堂)をダブリンに保有しており、市壁跡の内側にあるのがクライストチャーチ大聖堂(ここにはダブリン大主教の主教座=カテドラがある)で、ちょうど市壁の外側にあるのが聖パトリック大聖堂(1870年に国立大聖堂に指定された)である。なお、大聖堂はほかの主教区にも一つずつ存在する。また、教会はダブリン南部の郊外にあるラスガー(英語版)にアイルランド聖公会神学校(Church of Ireland Theological College)を運営しており、教会の中央事務所はラスマインズ(英語版)にアイルランド聖公会教育学大学(Church of Ireland College of Education)と隣接してある。
1999年に聖公会は聖パトリック旗以外を掲げることを禁止した[6]。しかし、現在でも北アイルランドの多くの教会ではイギリスの国旗を使用している。
教会法および教会の方針は総会によって決定され、方針の変更には主教院(House of Bishops)と代表院(House of Representatives。司祭と一般信徒からなる)の両方で可決されなければならない。ただし重要な変更(たとえば女性を聖職につけるといったもの)については3分の2の可決が必要とされる。投票について代表院は、慣例的にしばしば公開投票をおこなう一方で、主教院は総会で結果が出る以前に非公開で投票を行う傾向がある。これは過去に1度だけ破られたことがあり、1999年5月18日(この年のキリストの昇天の日)、ポータダウン(英語版)近郊のドラムクリー教会(英語版)において、アーマー主教区と総会の代表者たちが難局を打開しようと試みる中、主教院は「アーマー大主教の努力」[13]を認めるために公開投票において満場一致で可決した。
イエスは完全に人でありながら完全に神であり、また一度死んだ後に復活した。(Jesus Christ is fully human and fully God in one person. He died and was resurrected from the dead.)
イエスは信じるものに永遠の命を得る方法を与える。(Jesus provides the way of eternal life for those who believe.)
新旧両聖書(神の言葉を記したもの)は人々によって「聖霊感の元で」書かれた。外典については読む物には加えられているが、教義には反映されない。(The Old and New Testaments of the Bible ("God's Word written") were written by people "under the inspiration of the Holy Spirit". The Apocrypha are additional books that are to be read, but not to determine doctrine.)
二つの偉大かつ重要なサクラメント(聖奠)は、洗礼と聖餐である。(The two great and necessary sacraments are Holy Baptism and The Lord's Supper/Holy Communion/ the Eucharist)
「聖奠的諸式」(通例的に聖奠と呼ばれるが聖書の教義上は聖奠に数えられないもの)としては、堅信、叙任(聖職者按手)、聖婚(婚姻)、告解(個人懺悔)、病者の塗油を認める。(Those "Commonly called Sacraments that are not to be counted for Sacraments of the Gospel" are confirmation, ordination, marriage, reconciliation of a penitent, and unction.)
天国、地獄、そしてイエスの再臨を信じる。(Belief in heaven, hell, and Jesus's return in glory.)
^『コロンバ・プレス』2007年5月23日『From Roman Catholic Priest to Church of Ireland Rector』より(マーク・ハイドンという人物の宗派替えについての記事) [1]Archived 2007年11月21日, at the Wayback Machine.