ダブリン司教はもともと修道院外の聖職者から選ばれていたが、次の司教はベネディクト会修道士から選ばれ、その後1163年、クライストチャーチは後の聖人であり2代目のダブリン大司教であるロレンス・オトゥール (en) によってArrouaise(アウグスティヌス系修道会のルールを改めたもの)の教義に従う修道分院 (Priory of the Regular Order of Arrosian Canons) に変わった。教会はその後宗教改革まで聖アウグスチノ修道会としてその修道院長によって率いられた。修道院長は教区の聖職者の序列の2位に位置づけられ、1541年に宗教改革に基づく構造改革が行われるまで首席司祭(Dean。大聖堂の長)ではなかった。
聖堂参事会は首席司祭と先唱者(Precentor。この人物は音楽技術に長けていなければならない)、尚書 (Chancellor)、会計 (Treasurer)、ダブリンおよびグレンダーロッホ主教区の各副主教 (Archdeacons of Dublin and Glendalough)、そして12人のカノン(8人はダブリン主教区から、後の4人はグレンダーロッホ主教区から選出)からなる(カノンから任命される最上位3人はそれぞれ聖マイケル教会 (St. Michael's)、聖ミッチャン教会St. Michan's、聖ジョン教会 (St. John's) の各名誉参事会員 (Prebendary) である[7])。
(首席司祭とその前身である修道院長について詳しくはクライストチャーチ大聖堂首席司祭 (ダブリン)〈en〉も参照)首席司祭はダブリン大主教によって任命され、また1971年に始まった協定によりクライストチャーチ大聖堂小教区連合 (Christ Church Cathedral Group of Parishes) の教会を持つ司祭 (Incumbent) でもある。小教区の日々の管理はは官職任命委員会の特別会議 (special Board of Patronage) によって選ばれた教区司祭 (Vicar) の手で行われている。
大聖堂委員会 (The Cathedral Board) は歴史的には聖堂参事会の聖職者のみで運営されており、1872年から大聖堂は9人の聖職者メンバー(主席司祭、先唱者、2人の教区司祭〈Clerical Vicars〉、他5人の聖職者)で構成される委員会によって運営されており、9人は3年毎に年次イースター教区委員会 (Easter Vestry) で選ばれている。大聖堂委員会は大聖堂の(大主教、もしくは首席司祭と聖堂参事会、もしくは首席司祭による任命以外の)役員の任命および解任を行ったり、給与管理や財産管理の権限を持つ。委員会は小教区の特別教区委員 (Select Vestry of a Parish) と似たような位置付けにある。
大聖堂委員会は小委員会を持っていて、2007年中期では以下のような内容が連なっている。
財産、金融管理、文化(財務委員会を含む)、主教区、建造物、健康と安全性、情報テクノロジー、音楽、委託物とタワーの保護規定。(Administration & Finance, Culture (including the Treasury), Deanery, Fabric, Fundraising, Health & Safety, Information Technology, Music, Safeguarding Trust and Tower.)
そのほかの聖職者
首席司祭の教区司祭(Dean's Vicar, および聖堂参事会の書記Clerk of the Chapter)、大聖堂教区郡の教区司祭、および
副司祭補助 (Curate Assistant) および学生長がある。また普通は名誉教区司祭 (Honorary Clerical Vicars) もある。
音楽
クライストチャーチは長い音楽の歴史を持っており、大聖堂聖歌隊 (Cathedral Choir) と女性聖歌隊 (Girls Choir) がよく知られている。先唱者とともに、楽隊の仕事にかかわっている人たちはオルガニストと指揮者に率いられて、すべての副オルガニストとオルガン・スカラー (en)、キーパーオブミュージック (Honorary Keeper of the Music) とミュージックライブラリアン(どちらも楽譜管理などが仕事)も同じように働いている。2007年にはMusic Development Officerもこれに加わった。
クライストチャーチは歴史的な古文書の範囲にあたるものを保有している他、いくつかの出版物のために長年にわたってそれらを整理しており、また同様に1990年代からウェブサイトを維持管理している。それらの仕事は公文書監督者 (Honorary Keeper of the Archives) とウェブおよびメール編集者 (Web and e-mail Editor) に加え、クライストチャーチ出版社の秘書官 (Honorary Secretary of Christ Church Publications, Ltd.)が監督している。
後援会
大聖堂はボランティアのクライストチャーチ大聖堂後援会 (Friends of Christ Church Cathedral) のサポートがある。これは1929年に設立されたもので大聖堂の当局とともにさまざまな仕事を行っている。
1971年に行われた総会の議論において、クライストチャーチ大聖堂小教区連合 (Christ Church Cathedral Group of Parishes) が作られ、以前は4つの小教区であったものと大聖堂が連合した。そして首席司祭は聖アンドリュー教会 (St. Andrew's)、聖ウェルバー教会 (St. Werburgh's)、全聖人および聖ミッチャン教会 (All Saints (Grangegorman) and St. Michan's)、聖ポールおよび聖メアリ教会 (St. Paul and St. Mary) の各小教区の教区牧師 (Rector) となった。それら小教区は官職任命の特別な委員会によって選ばれた教区司祭 (Vicar) によって日々監督される。