WEライナー(ウィ ライナー)は、宮城県仙台市と新潟県新潟市を結ぶ高速バス路線の愛称。
全座席指定制のため、乗車には事前の予約が必要である。
概要
ジェイアールバス東北とi.JTB(コンビニエンスストア発券)ではWEライナー号で案内されているが、新潟交通では仙台線として案内などを行っている。愛称「WEライナー」は、西にある新潟市と、東にある仙台市とを結ぶことに因んで、「West」と「East」の頭文字から命名された。
仙台と新潟を結ぶ公共交通機関として、航空路線が存在する。また、鉄道利用ではかつて直通急行「あさひ」(後に「べにばな」に改称)が走っていた。
- 航空路線:仙台空港 - 新潟空港…フライト時間は50分程度
- 全日本空輸(1978年 - 1992年)YS-11(定員64人)8,850円 → 737(定員126人)→ A320(定員166人)→廃止
- ジェイエア(1986年 - 1994年)(定員19人)15,700円→廃止
- トキエア (2024年 -) (定員72名)9,000 - 16,000 円
- 鉄道:仙台駅 - 新潟駅
航空路線は、1981年(昭和56年)の新潟空港の年間乗降客数の5位が仙台便(5.0万人)[注 1] であり、一定の需要があった[1]。1982年(昭和57年)に東北新幹線および上越新幹線の両線がともに大宮駅以北で開業したが、新潟 - 仙台便は継続された[注 2][1]。これは、当時の両新幹線の最高速度が210km/hだったため、仙台駅 - 大宮駅間が最速1時間59分(2016年現在:最速1時間07分、最高速度320km/h)、新潟駅 - 大宮駅間が最速1時間45分(2016年現在:最速1時間15分、最高速度240km/h)であり、空港までの時間や待ち時間を入れると実質的に3時間程度である新潟 - 仙台便より所要時間が長かったためである。しかし、両新幹線で増発が続き、最高速度も240km/hに引き上げられるなどする中、1987年(昭和62年)の新潟 - 仙台便の年間乗降客数は2.7万人[注 3] と、6年前の半分近くにまで減少[1]。結局、バブル崩壊後に廃止に至った。
一方の直通急行は、所要時間で新幹線(大宮乗り継ぎ)に勝てず、山形新幹線の工事進捗もあり、米沢 - 山形 - 仙台間は段階的に廃止され、快速に格下げされた。その後は新幹線か在来線を乗り継がなければならなかった。
このように、所要時間や利便性では新幹線優位ではあるが、両都市間が約230km(高速経由では260km)なのに片道2万円近い料金が割高であるため、高速バスの参入余地があった。
1990年(平成2年)10月4日の山形自動車道・宮城川崎IC - 笹谷IC開通により仙台市都心部から山形県山形市の関沢ICまで自動車専用道路でつながれたことに伴い、本路線は運賃を新幹線の4分の1以下の片道4,500円(往復8,100円)に設定し、10月23日より昼夜2往復で運行を始めた(1991年(翌年)7月には山形道が山形蔵王ICまで延伸)。1997年(平成9年)10月に磐越自動車道が全通すると福島県経由に変更され、途中休憩を含め約4時間に所要時間が短縮された[2]。現在は昼行便7往復・夜行便1往復の計1日8往復が運行されている。
(昼行便の一部と夜行便は2024年現在、運休中)
かつて運用されていた、バスロケーションシステム・「にいがたバス-i」の対象路線であった。
運行会社
停車停留所
- ▼…仙台発は乗車のみ、新潟発は降車のみ扱い
- ▲…新潟発は乗車のみ、仙台発は降車のみ扱い
- ♯…休憩停車を行うパーキングエリア
運行経路
現在
なお、GW・お盆など東北自動車道の渋滞が予想される時や通行止めとなった場合は、郡山JCTを経由せず国道115号土湯バイパスを経由したり、下記の旧経路(但し、荒川胎内IC以南は日本海東北自動車道経由)で迂回運行する事がある。
1997年10月1日まで
仙台駅東口 - (国道286号) - (仙台南IC) - (東北自動車道) - (菅生PA) - (山形自動車道) - (国道13号) - 小国(JRバス東北小国営業所) - (国道113号) - 下関 - (国道7号) - 中条営業所(その後中条営業所移転に伴い、中条町中心部に中条バス停を開設) - 新発田城北町 - (同・新新バイパス) - 新潟駅前 - 万代シテイバスセンター
運行回数
- 1日8往復(昼行便7往復、夜行便1往復)。
- 各社4往復ずつ運行。内訳は昼行便3.5往復、夜行便0.5往復。
運賃
- 2014年7月14日以降、季節・運行日毎に運賃が異なる「幅運賃」(カレンダー運賃)制度を導入している。詳細は運行各社のサイトを確認のこと。
歴史
使用車両
- 40人乗りハイデッカー4列シート
- 29人乗りハイデッカー3列独立シート(夜行便および昼行便1往復)
- 昼行便は、仙台発が4便目[16]、新潟発が4便目が該当、それぞれの折り返しが夜行便となる。
過去の車両
- 開業~1998年12月3日
- (JR)いすゞ・スーパークルーザー(27人乗り)。後にエアロクィーンI(29人乗り)も導入。
- (新交)三菱ふそう・スーパーエアロIIまたはエアロクィーンM(29人乗り)
- 1998年12月4日~2008年3月13日
- 40人乗りハイデッカー(またはスーパーハイデッカー)4列シート
利用状況
年度 |
運行日数 |
運行便数 |
年間輸送人員 |
1日平均人員 |
1便平均人員
|
2002(平成14)年度
|
365 |
4,633 |
101,112 |
277.0 |
21.8
|
2003(平成15)年度
|
365 |
4,586 |
102,127 |
279.8 |
22.3
|
2004(平成16)年度
|
365 |
4,586 |
103,597 |
283.8 |
22.6
|
2005(平成17)年度
|
365 |
4,652 |
103,578 |
283.8 |
22.3
|
2006(平成18)年度
|
365 |
4,677 |
105,936 |
290.2 |
22.7
|
2007(平成19)年度
|
366 |
4,884 |
112,443 |
307.2 |
23.0
|
備考
夜行便を利用した場合、新潟着の便(新潟交通担当便)を利用し、新潟駅前で下車した場合は、運転手に申し出れば、新潟駅から万代シテイバスセンターまでの路線バス無料券が配布される。
逆に、仙台着の夜行便(ジェイアールバス東北担当便)を利用した場合は、運転手に申し出れば、指定のネットカフェの割引券が配布される(こちらのサービスは、ジェイアールバス東北が担当する他の仙台着の夜行便でも適用される)。
脚注
注釈
- ^ 1981年(昭和56年)の新潟空港の年間乗降客数は、1位が羽田便(20.4万人)、2位が大阪便(14.9万人)、3位が千歳便(11.4万人)、4位が名古屋便(11.0万人)、5位が仙台便(5.0万人)、6位が福岡便(4.2万人)。
- ^ 新潟 - 羽田便は大打撃を受けて1983年(昭和58年)9月に休止に追い込まれた。
- ^ 1987年(昭和62年)の新潟空港の年間乗降客数は、1位が大阪便(18万人)、2位が札幌便(9.9万人)、3位が名古屋便(7.8万人)、4位が仙台便(2.7万人)。
脚注
外部リンク