VTKは当初、Prentice-Hallから出版された書籍 "The Visualization Toolkit: An Object-Oriented Approach to 3D Graphics" の付録ソフトウェアとして、1993年に作られた。この本とソフトウェアは、当時GE Researchに在籍していた3人の研究者(Will Schroeder, Ken Martin, Bill Lorensen)によって書かれた(本の執筆とソフトウェアの構築はGEの許可を得ていた一方、彼ら自身の時間を使って行なわれたものなので、ソフトウェアの著作権はこれらの著者らに帰属している)。VTKのコア部分が作られたのち、世界中のユーザと開発者はソフトウェアの改善と実世界の問題への適用を始めた。とりわけ、GE Medical Systemsやその他のGEの事業部は、快く貢献した。Penny Rheinghans を始めとする何人かの研究者は、この本を使って教育を始めた。他にも、ロスアラモス国立研究所のJim Ahrensや、多くの名も無き人々が、初期の支援者として貢献した。近年では、サンディア国立研究所が、VTKに情報可視化を追加することにフォーカスして、強力な支援者及び共同開発者となっている。
大きく、活動的で、世界規模の存在となったVTKコミュニティをサポートするため、1998年、KenとWillは、Lisa Avila, Charles Law、Bill Hoffmanと一緒にGE Researchを辞め、Kitware株式会社を設立した。このときから、何百人もの開発者が加わって、いまや世界で主要な存在となった、VTKという可視化システムが構築されてきたのである。