『TOKYO MX STADIUM』(トーキョー・エムエックス・スタジアム)は、東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)で1998年から2012年まで放送されていた野球中継番組。ハイビジョン制作(一部試合を除く)。2006年以降の正式な番組名は『TOKYO MX STADIUM(西暦)』。
2009年以降TOKYO MXの野球中継においてこのタイトルを使用するのは東京ヤクルトスワローズ主催試合中継だけとなり、その東京ヤクルト戦中継も2012年限りで全て打ち切られたため(後述の福岡ソフトバンクホークス主催試合中継や高校野球中継ではこのタイトルを使用していない)、それに伴っての番組終了となった。
本項では、TOKYO MX STADIUMの番組開始以前からの前史や番組終了後の高校野球中継やソフトバンク戦中継などを含めたTOKYO MXの野球中継全般についても記述する。
概要
1997年以前のMXテレビはプロ野球中継の放送がほとんどなかったが、番組編成を見直した1998年からサンテレビが制作した阪神タイガース主催試合中継(『サンテレビボックス席』)と、自社制作の東京六大学野球、夏の高校野球東京都大会(東・西ブロックとも)の試合の実況中継をこのタイトルで放送するようになった。とくに阪神戦中継は「六甲おろしが、東京に吹く」というキャッチコピーを用いてアピールしており、東京都内を走る山手線などの電車内にステッカー形式の車内広告を出して宣伝していた。
これらに加えて、2007年からは福岡ソフトバンクホークス主催試合の中継も行っている(→STRONG!ホークス野球中継を参照)。
大学野球中継はその後打ち切られたため、放送対象はプロ野球公式戦と高校野球大会だけとなり、2007年からは阪神戦とソフトバンク戦の他に、明治神宮野球場で行われる東京ヤクルトスワローズ主催試合(主に対中日ドラゴンズ戦、三重テレビと岐阜放送(GBS、以下ぎふチャン)へもネット)の自社制作放送という陣容となる。なお、2006年以降の東京ヤクルト主催公式戦の自社制作は、対中日戦を年2、3試合程度放送で三重テレビとぎふチャンにネットするという放送形式でほぼ固定されていた。
以前はテレビ埼玉(TVS、以下テレ玉)制作の埼玉西武ライオンズ戦、GAORA制作の北海道日本ハムファイターズ戦(東京ドーム主催試合)や千葉テレビ(CTC、以下チバテレ)制作の千葉ロッテマリーンズ戦も放送していたことがあるが、2006年度以降は番組供給を受けていないため放送されていない。
2006年までは東京シティ競馬やFC東京のナイター開催がある場合はそちらを優先して編成するため野球中継をしないことが多かったが、本社がテレコムセンターから現在地(半蔵門メディアセンター)に移転し、地上デジタル放送が本格的に開始されてからは、マルチ編成が開始され、野球中継と並行して放送することも多くなった。現在は終日マルチ編成を実施しているため、野球中継と競馬中継の放送時間帯が重なる場合は前者がメインチャンネルで、後者はサブチャンネルで放送するようになっている。
ヤクルト主催試合は地上デジタル放送でも4:3の標準画質で放送されていた。2010年よりデジタル放送への完全移行の準備としてアナログ放送ではほとんどの番組がレターボックス放送になっていたものの、本番組では4:3の標準画像のままとなっていた。2011年より画面サイズは16:9になったが、前述のとおり野球中継時はマルチ編成のため標準画質のままだった。
「MXスタジアム」以前の野球中継
MXで最初に放送された野球中継は1995年11月5日に阪神甲子園球場で行われた「'95プロ野球日韓親善スーパーゲーム」第3戦で、開局記念特別番組として午後1時から試合終了まで生中継した。これはサンテレビからのネット供給による放送で、MXテレビ、サンテレビ(制作局)、KBS京都の3局ネットで放送された(KBS京都は競馬中継のため変則時間帯を適用)。この日は日曜日だったため、関東地区の他の独立UHF放送局(tvk、テレ玉、チバテレビ、群馬テレビ)は中央競馬ワイド中継を放送する関係でネットしなかった。
なお、1990年代のTOKYO MXはスポンサーが極めて少なく、ほとんどCMなしで放送していた(ただし、東京新聞や伊藤園「充実野菜」などのCMが番組の合間に流されていた)。
歴史
番組開始前の前史
番組の沿革
- 1998年 MXテレビの野球中継の統一タイトルを『MXスタジアム』とする。この年はSIDE-ONE「青いプライドの靴」がテーマ音楽となったが、翌年「阪神タイガースの歌」に変更となる。
- 2002年
- 5月3日、開局以来初の中日、阪神、ヤクルト以外のセ・リーグ主催試合中継広島東洋カープ主催試合を放送。(ただしこの日と9月3日は共にサンテレビ制作、阪神戦の中継である。なお、広島戦のデーゲーム中継は初中継を最後に以降行われていない。)
- 2003年
- 4月3日、広島戦をKBS京都でも放送した為、この日がMXで放送した唯一の広島戦3局ネットとなった。(広島地区は広島テレビが自社制作、4月2日と9月3日はサンテレビと2局ネットでの放送であった。結局広島主催試合は2002年と2003年の合計5試合のみの中継に終わった。)
- 9月15日、阪神18年ぶり優勝試合を一部バラエティ番組をはさみながらもサンテレビ制作で完全放送を行う(関西テレビでの中継とは別放送。)
- 2004年
- 5月18日、千葉ロッテマリーンズ戦(チバテレビ制作の主催試合中継)を放送。(同じく放送予定だった5月19日の試合は雨天中止となったため、この日の放送がMXで放送された唯一のロッテ主催試合となっている。)
- 2005年
- 2006年
- 7月1日、東京MXテレビが開局以来放送してきたテレコムセンターから麹町の新社屋へ移転。
- 7月、愛称が「TOKYO MX」に変更されたことに伴ってタイトルを『TOKYO MX STADIUM』とする。
- 8月4日と8月6日、ヤクルト対中日戦(神宮球場)のナイターをハイビジョン生中継。
(三重テレビと岐阜放送へも同時ネットする)
- 11月4日、明治神宮外苑創建80周年記念試合「東京ヤクルトスワローズ対東京六大学選抜」戦(神宮球場)を生中継。
- 2007年
- 2013年
- 東京ヤクルトスワローズ戦の中継から撤退した事に伴い、「TOKYO MX STADIUM」としての番組終了。これ以降は高校野球中継やホークス中継など個別の番組での中継となる。
各年度のできごと
ここでは、主にプロ野球中継について列挙する。
2006年
2007年
- 2007年度よりソフトバンクの主催試合を中継する『STRONG!ホークス野球中継』が放送開始されるが、MXスタジアムにおいて従来から細々と放送されている自社制作のヤクルト戦中継も引き続き行われた。その一方で、サンテレビ制作の阪神戦中継はわずか2試合(いずれも対中日戦)にまで激減した。しかも2試合のうち7月14日は雨天中止となったため、実際に中継されたのは9月15日の1試合だけであった。
2008年
- 4月27日に神宮球場で、8月6日と7日に、松山中央公園野球場で行われたヤクルト対中日戦を自社制作で中継した。
- なお、サンテレビからネットされる阪神戦については、tvkやチバテレビなど他の関東独立UHF局ではハイビジョン放送となっているのに対し、MXでは4:3の標準画質での放送のままとなっていた。
2009年
- 7月31日・8月1日・2日に神宮球場で行われたヤクルト対中日戦(ナイター)を自社制作で中継した。三重テレビとぎふチャンにもネットされた。
- この年からサンテレビ制作の阪神戦中継のネットが消滅し、すべて自主制作となっている。
2010年
- 8月4日・5日・9月20日に神宮球場で行われたヤクルト対中日戦を自社制作で中継。前年同様、三重テレビとぎふチャンにもネットされた。
- なお、9月20日は『STRONG!ホークス野球中継』 ソフトバンク対西武(デーゲーム、福岡Yahoo! Japanドーム)と、このヤクルト対中日(ナイター)と、TOKYO MX自主制作によるプロ野球中継が2本立てで放送された。
2011年
- 4月30日に『「がんばろう東北」東北楽天ゴールデンイーグルス野球中継』として初めて、楽天主催の楽天対オリックス戦(日本製紙クリネックススタジアム宮城)を放送。2011年度は23試合中継。実況・解説はMX独自であるが、現地派遣はせずスタジオで球団制作の映像に合わせて行う。
- 8月23日・24日・25日に神宮球場の東京ヤクルトスワローズ対中日ドラゴンズ戦を中継した。
2012年
- 7月4日、5日、8月31日に神宮球場で行われたヤクルト対中日を中継した(例年どおりぎふチャンと三重テレビにネット)。
2013年
- 放送対象をソフトバンク主催試合だけに絞ったことにより、ヤクルト主催試合の中継が全廃され、番組終了となる。これ以降TOKYO MXでのプロ野球中継は「パ・リーグ応援宣言!ホークス中継」に限定され、ヤクルト公式戦の放送機会は交流戦のソフトバンク対ヤクルト戦のみとなる。
主な放送試合
プロ野球
- かつて放送していた試合
放送時間
(2011年当時の場合)
- 火曜日 - 金曜日
- 土曜日・日曜日(祝日)
- 試合開始時間によって異なる。
- 13時開始の試合:13:30 - 16:30
- 14時開始の試合:14:30 - 17:30
- 18時開始の試合:18:30 - 21:00
- 補足
- 上記は全て楽天戦中継の場合であり、ヤクルト戦は年に1回の平日に限られ、放送時間も楽天戦より30分短い19:00 - 21:00となっている。
- プロ野球放送時は通常の番組は休止、平日21:00から放送される自社制作番組「ゴールデンアワー」は21:30からの短縮版として放送される。但し中継が早く終われば通常通り放送される。
出演者
プロ野球の出演者
いずれも過去の出演者である。
〈東京ヤクルトスワローズ戦〉
- 解説者
- 過去のアナウンサー・リポーター
- 石原敬士 (2012年、元:TSSアナウンサー、現:フリー)
- 柴崎啓志(実況、2009年〜2011年)- 以前はBS日テレでの東京六大学野球実況を担当。現在は高校野球西東京大会の実況を担当している。
- 佐藤隆輔(実況、2008年まで)- この中継を担当しているほか、以前勤めていたNHKでラジオ(第1、FM、国際放送)のニュース(深夜の時間帯)や株式市況(ラジオ第2)も担当。
- 河田浩兒(リポーター)
〈東北楽天ゴールデンイーグルス戦〉
- 解説者
- アナウンサー
テーマ曲
- プロ野球
- 1998年 - SIDE-ONE「青いプライドの靴」
- 1999年 - 「六甲おろし」
- 2011年 - OP「不明」、ED「JAGUAR'08」(楽天戦)
TOKYO MX STADIUM以外の野球中継
主な中継
高校野球
大学野球
- 東京六大学野球中継 1997年春から数年間放送。NHKでは殆ど放送されていなかった早慶戦以外の試合も土、日は原則全カード中継されていた。
※その後BS日テレで放送を継続し、現在はスカイ・A sports+などで放送。
高校野球の出演者
- アナウンサー
- リポーター
上記3名はライムライトに所属
- 棚橋麻衣(2015年)
- 羽村亜美(2015年、2017年、2019年、2021年~2024年)
- 過去の出演者
リポーター
- 高井理江(1999年)
- 渡邊亜木(1999年)
- 室井昌也(2001年)
- 高城光代(2001年)
- 柴田愛子(2002年)
- 横田まさみ(2002年)
- 深沢うつぎ(2002年)
- 木村恭子(2011年から2013年)
- 渡名喜織恵(2011・2012年)
- 原麻理子
- 千賀絢子(2014年)
- 太田聖子(2014年)
- 比嘉夏希(2011年から2014年)
- 矢尾明子(2018年)
- 川口智美(2021・2022年)
解説者は現在では東京都高校野球連盟の関係者もしくは東京都内・高校野球部の監督が担当。
大学野球の出演者
- 解説者
- アナウンサー
テーマソング
- 高校野球
脚注
注釈
- ^ ソフトバンク主催の交流戦中継でも2019年まで対巨人戦だけが放送対象外となっていたため(除外されている理由は不明)、地元テレビ局でありながら10年以上に渡って巨人公式戦の中継がビジターゲームであっても皆無になっていたが、2020年の交流戦中止を挟んで、2021年に初めて中継を行うことになった。
- ^ 明治神宮外苑創建80年記念試合「東京六大学選抜対ヤクルト」については、12月30日夜にも再放送された。
関連項目
外部リンク
TOKYO MX 野球中継 |
前番組 |
番組名 |
次番組 |
(統一の中継番組名なし)
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TOKYO MX STADIUM (1998年 - 2012年)
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全国放送 | |
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BS・CS | |
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地域別7 |
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関連項目 | |
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脚注
- 1 テレ朝チャンネル2でも一部試合を放送。
- 2 びわ湖放送、奈良テレビ、テレビ和歌山、ぎふチャン、三重テレビへもネット(一部試合を除く)。
- 3 阪神戦に限り『with Tigers MBSベースボールパーク』のタイトルを使用。
- 4 びわ湖放送、奈良テレビ、テレビ和歌山、テレビせとうちへもネット(一部試合を除く)。
- 5 阪神主催試合(『GAORAプロ野球中継』『スカイA スタジアム』)の制作を担当。
- 6 西武主催試合(『LIONS BASEBALL L!VE』『TVSライオンズアワー』)の技術協力を担当。
- 7 放送局を地域別に区分したものであり、放送エリアではない。
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