『Mr.Children 2011-2015』(ミスター・チルドレン にせんじゅういち にせんじゅうご)は、日本のバンド・Mr.Childrenのベスト・アルバム。2022年5月11日にトイズファクトリーより発売された[17]。
音楽性
Mr.Childrenのメジャー・デビュー30周年を記念したベスト・アルバム[18]。CDは2枚組で、DISC 1は「STUDIO盤」、DISC 2は「LIVE盤」となっている。
「STUDIO盤」には、2011年から2015年に発表された楽曲を全曲リマスタリングしたうえで収録。ただし、シングル曲としては3rd配信限定シングル『かぞえうた』のみ未収録となり、18thアルバム『REFLECTION』収録曲は、同時発売のベスト・アルバム『Mr.Children 2015-2021 & NOW』に跨って収録されている。マスタリングはギャビン・ラーセン(英語版)が担当。
「LIVE盤」には、『Mr.Children 30th giving 1』と題し、1992年から2000年までに発表された楽曲のうち全13曲を過去のライブ音源で収録している。選曲はスタッフによるもので、マスタリングは内田孝弘 (FLAIR MASTERING WORKS) が担当。
リリース
初回生産限定盤と通常盤の2形態で発売。初回生産限定盤は2CD+DVD、通常盤は2CDのみ。スリーブケース、紙ジャケット仕様となっている。DVDには、メンバー4人のトークおよび過去のライブ映像などで構成されたドキュメンタリー映像『Mr.Children -THEN-』が収録されている。また、初回生産限定盤および通常盤初回プレス分には、ウェブサイト『SPECIAL ENTRANCE 1』(後述)を視聴するためのシリアルナンバーが封入される[18]。購入先によって異なる先着特典も用意された(後述)[20]。DVDの監督は稲垣哲朗 (KITE) が担当。
ベスト・アルバム『Mr.Children 2015-2021 & NOW』と同時発売。Mr.Childrenのベスト・アルバムとしては『Mr.Children 2001-2005 <micro>』『Mr.Children 2005-2010 <macro>』以来10年ぶり、通算5枚目となる[注 1]。
2022年7月15日より「STUDIO盤」のみダウンロード・サブスクリプション配信が開始された[21]。
なお、4枚組となる本作のレコード盤がメンバー4人分のみ生産され、2022年5月10日に開催されたドーム・スタジアムツアー『Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス』東京ドーム公演の終演後に関係者より贈られている。
店舗特典
プロモーション
本作発売発表と同時にMr.Childrenの公式Instagramおよび公式Twitter(現:X)が開設された[23]。
また、本作発売前日となる2022年5月10日から6月26日および7月2日から18日までの期間、本作のアートディレクターを担当した森本千絵が手掛けるアトリエ&ショップ「goen°」にて、アートワーク展『Dear Mr.Children展』が開催された[24][25]。
アートワーク
本作のアートディレクターは森本千絵が担当。ジャケットの写真は瀧本幹也によるもので、人と人とが抱き合い距離を縮め、音楽と共に溶け合って1つの色になってゆく姿をイメージしている[27]。 森本は「二人の男女がコロナ禍を経たこの三十周年という場所で再び出会い、音楽と共に生きていく現れ」と語っている。また、同じく森本が手掛けた15thアルバム『SUPERMARKET FANTASY』のジャケットに写っていた男女2人が成長して大人になったストーリーも想起させている、とのこと。
本作と、同時発売されたベスト・アルバム『Mr.Children 2015-2021 & NOW』のスリーブケースの背表紙を並べると、「エントランスタワー」が完成する仕掛けになっている。これは、ツアータイトルである「半世紀のエントランス」(後述)から森本が発想したもので、様々な建物のエントランスを撮影した写真を積み重ねているタワーである。このタワーは、同ツアーのオープニング映像や、本作のCMでも登場している。
ツアー
本作発売前後の2022年4月23日から6月19日まで、6会場12公演に渡るドーム・スタジアムツアー『Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス』を開催[33]、約60万人を動員した[34]。これに先立ち、2022年4月8日 - 9日には、ファンクラブ会員限定ライブ『FATHER & MOTHER Special Prelive エントランスのエントランス』を東京ガーデンシアターで開催された[17]。
サポートメンバーとしてSUNNY(キーボード、コーラス)が参加し、計5人編成での演奏、パフォーマンスとなった[35]。20thアルバム『SOUNDTRACKS』発売に伴うツアーはコロナ禍により実施されなかったため、バンドとしては『Mr.Children Dome Tour 2019 "Against All GRAVITY"』以来、約3年ぶりのツアー開催となった[36]。新型コロナウイルス感染症対策として、観客は歓声禁止および常時マスク着用したうえでの鑑賞となった[37]。ドーム公演では、出来るだけ多くの楽曲を選曲したいという思いから、日替わりでセットリストを変更するという初の試みが行なわれた。ツアーのオープニングでは、本作のジャケットをモチーフとした「エントランス映像」が使用された[35]。
ツアータイトルである「半世紀へのエントランス」には、バンドが30周年を通過点として、50周年を目指すという思いが込められている。ツアータイトルについて、桜井は自身が50歳を迎えた時に何かを満了した気持ちになってしまったこと命名理由として挙げており、次のように語っている[42]。
「 | 1つ区切りができることで、そこで満了するような感じになるのがイヤだったんです。自分が50歳になったとき、ちょっとそういう気持ちになったんですよ。50歳から51歳の1年間は自分の中でなかなかエンジンがかからなかったんですけど、51歳になったときに、なぜか「ここからまた始めるんだ」という気持ちになって。数字の暗示にかかってしまったというか……そんな経験もあったので、「30周年は単なる入り口でしかない」と思いたかったんです。そういう言霊を掲げて、さらに先に進んでいけたらいいなと。 | 」 |
—桜井和寿(「音楽ナタリー」インタビュー[42]より) |
ツアー最終日となる2022年6月19日に行なわれた大阪・ヤンマースタジアム長居公演およびメジャー・デビュー30周年記念日でもある5月10日に行なわれた東京ドーム公演の模様は、ライブ・ビデオ『Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス』で映像化された[34]ほか、2022年12月30日公開の東宝配給映画『Mr.Children 「GIFT for you」』でも両公演の映像が使用された[43]。また、5月10日の東京ドーム公演については、2022年5月22日より1週間限定で有料配信された[44]。
チャート成績
初週で約18.5万枚を売り上げ、2022年5月23日付のオリコン週間アルバムチャート、および5月18日公開のBillboard JAPAN週間総合アルバムチャート「Billboard Japan Hot Albums」で共に初登場2位を獲得。同時発売された『Mr.Children 2015-2021 & NOW』は初登場1位となり、両チャートで1位・2位を独占した[1][9]。同一アーティストによるアルバムチャートの1位・2位独占は、2019年にSEKAI NO OWARIが『Lip』『Eye』で記録して以来、約3年ぶりとなる。また、自身にとっては、2012年に『Mr.Children 2001-2005 <micro>』『Mr.Children 2005-2010 <macro>』で記録して以来約10年ぶり3度目のアルバムチャートの1位・2位独占となり、これはオリコン史上初である[1]。
収録内容
初回生産限定盤付属DVD# | タイトル | 作詞 | 作曲・編曲 | 時間 |
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1. | 「『Mr.Children -THEN-』TALK & DOCUMENTARY」 | | | |
楽曲解説
DISC 1
- hypnosis
- REM
- Marshmallow day
- 祈り 〜涙の軌道
- End of the day
- pieces
- 常套句
- Melody
- 足音 〜Be Strong
- 忘れ得ぬ人
- 放たれる
- 幻聴
- 進化論
- 未完
DISC 2
- innocent world
- Dance Dance Dance
- 4thアルバム『Atomic Heart』収録曲。
- 映画『【es】 Mr.Children in FILM』および『Mr.Children '95 Tour Atomic Heart』の音源。
- 抱きしめたい
- CROSS ROAD
- Tomorrow never knows
- シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜
- 名もなき詩
- 10thシングル。
- 『regress or progress '96 - '97 tour final IN TOKYO DOME』の音源。
- ニシエヒガシエ
- 光の射す方へ
- 16thシングル。
- 『Mr.Children Stadium Tour 2015 未完』の音源。
- つよがり
- 口笛
- NOT FOUND
- 19thシングル。
- 『Mr.Children Tour 2018-19 重力と呼吸』の音源。
- 曲の前に桜井によるMCも収録されている。
- 終わりなき旅
SPECIAL ENTRANCE 1
『SPECIAL ENTRANCE 1』は、本作の初回生産限定盤および通常盤初回プレス分の購入者限定のウェブサイトで、2022年5月10日から2023年5月9日の期間限定で下記の特典映像が公開された[20]。
また、『Memories Sessions』とは、2020年12月24日よりMr.Childrenの公式YouTubeチャンネルで1週間の期間限定で公開されていたセッション映像で、「Documentary film」「memories」が演奏されている。このセッションでは小林武史(ピアノ)や四家卯大(チェロ)、沖祥子(ヴァイオリン)、下川美帆(ヴァイオリン)、菊地幹代(ヴィオラ)が演奏に参加した[54]。
参加ミュージシャン
DISC 1
- 小林武史:Keyboards (#1 - #8, #11, #12)
- 安達練:Computer Programming (#2, #8, #11, #12)
- 森安裕之:Computer Programming (#2, #8 - #14)
- 山本拓夫:Sax (#3, #5, #8)
- 西村浩二:Trumpet (#3, #5, #8)
- 中川英二郎:Trombone (#3, #5)
- 村田陽一:Trombone (#8)
- 森俊之:Piano (#10)
- SUNNY:Keyboards (#9, #13)
- ナオト・インティライミ:Chorus (#5)
- 四家卯大:Cello (#1, #3 - #9, #11, #14)
- 沖祥子:Violin (#1, #3 - #9, #11, #14)
- 四家卯大ストリングス:Strings (#1, #3 - #9, #11, #14)
- 金原千恵子:Strings (#10)
- 金原千恵子ストリングス:Strings (#10)
DISC 2
- 小林武史:Keyboards (#4, #6, #10, #13)
- 松本賢:Keyboards (#1 - #3, #7)
- 浦清英:Keyboards (#1 - #3, #7)
- 小幡英之:Sax (#1 - #3, #7)
- 長田功:Trumpet (#1 - #3, #7)
- 河口修二:Guitar (#3, #7)
- 山本拓夫:Sax (#4)
- 西村浩二:Trumpet (#4)
- SUNNY:Keyboards & Chorus (#5, #8, #9, #11, #12)
- 世武裕子:Keyboards & Chorus (#5, #12)
- ナオト・インティライミ:Chorus (#10)
- 四家卯大:Cello (#4)
- 沖祥子:Violin (#4)
- 伊勢三木子:Violin (#4)
- 菊地幹代:Viola (#4)
- 登坂亮太:Chorus (#4)
テレビ出演
脚注
注釈
出典
参考文献
- 「特集 Mr.Childrenのクリエイティブ」『COMMERCIAL PHOTO』第63巻第9号通巻711号、玄光社、2022年9月1日、13 - 34頁。
- 『SWITCH 特別号 Mr.Children 30th ANNIVERSARY SPECIAL ISSUE』スイッチ・パブリッシング、2022年5月11日、ISBN 978-4-88418-589-3。
- 菅原豪「Mr.Children 桜井和寿 田原健一 中川敬輔 鈴木英哉[半世紀へと射す光]」17 - 25頁。
- 菅原豪「30th ANNIVERSARY WORKS」28 - 35頁。
- 中川敬輔「中川敬輔のどうでもいい事 No.91」『FATHER & MOTHER Mr.Children official fan club』第91巻、エンジン、2022年8月、24 - 25頁。
- 青山鼓「アートディレクターが明かす、名作ジャケット誕生の物語 森本千絵」『Pen』第26巻7号通巻530号、CCCメディアハウス、2022年5月27日、44 - 47頁。
- 鹿野淳「Mr.Children」『MUSICA』第16巻第8号、FACT、2022年8月15日、6 - 47頁。
- 森田恭子「好日 桜井和寿」『LuckyRaccoon』第49巻、BIRTHDAYS、2022年11月24日、10 - 27頁。
- 山崎洋一郎「全国ドーム&スタジアムツアー、ベスト盤リリース、そして新曲“永遠”“生きろ”発表。そのすべてとこれからをメンバー4人で語り合った、待望の巻頭超ロングインタビュー」『ROCKIN'ON JAPAN』第36巻第6号通巻546号、ロッキング・オン、2022年4月30日、40 - 75頁。
外部リンク
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桜井和寿 - 田原健一 - 中川敬輔 - 鈴木英哉 |
シングル |
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書籍 |
- 【es】 Mr. Children in 370 DAYS
- Mr.Children 詩集 優しい歌
- Mr.Children全曲詩集 『Your Song』
- Mr.Children 道標の歌
- 歌々の棲家 named Mr.Children
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関連項目 | |
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