Bü 131 (航空機)

ビュッカーBü 131

Bücker Bü-131 Jungmann

Bücker Bü-131 Jungmann

ビュッカーBü 131ユングマン(Bücker Bü 131 Jungmann)は第二次世界大戦前のドイツの初等練習機である。1934年に初飛行した。

概要

1932年に設立されたビュッカー社は、軽飛行機を専門に開発を行っていた。その第1弾としてドイツ空軍向けの初歩練習機として開発されたのが、Bü 131である(愛称のユングマンは新兵の意味)。

Bü 131は鋼管構造の胴体と木製桁に羽布張りの主翼を持ち、開放式複座の複葉機だった。テストの結果は飛行性能優秀で、直ちに量産が開始された。その後、エンジンを強化した型が1936年から生産されドイツ国防軍の主要初歩練習機となった。第二次世界大戦後半には、対ソ連軍相手の対地攻撃に用いられた機体もある。

生産はドイツの他、チェコスペイン日本(後述)でライセンス生産された。また、ハンガリーユーゴスラビアスイスなどにも大量に輸出された。

日本での運用・生産

日本においては1938年昭和13年)4月にイリス商会によって1機のBü 131Bが輸入され、日本海軍および陸軍が実験機として使用した。海軍における略符号はKXBu1。また、1938年3月には満洲飛行協会が5機のBü 131を輸入している[1]

その後、KXBu1を原型として、海軍が九州飛行機二式初歩練習機「紅葉」(K9W)として、陸軍が日本国際航空工業四式基本練習機(キ86)として、Bü 131をライセンス生産した。エンジンは、ヒルト社の「HM 504A英語版」を参考に日立航空機が開発した「初風」または「ハ47」(110 hp)である。紅葉は200機、四式基本練習機は1,030機が生産された。

戦後の1999年平成11年)11月には、エクスペリメンタル航空機連盟の理事を務める小谷修一によって、ライカミング社製の「O-290-D2英語版」エンジンを搭載したレプリカ機「小谷式ユングマン」の製作が開始された。小谷式ユングマンは2010年代末に完成、2020年令和2年)8月8日に初のジャンプ飛行を行っている[2]

要目

三面図
  • Bü 131B
  • 全幅: 7.40 m
  • 全長: 6.60 m
  • 全高:2.25 m
  • 翼面積: 13.50 m2
  • 自重: 390 kg
  • 最大離陸重量: 680 kg
  • エンジン:ヒルト HM 504A-2 空冷列型4気筒( 78 kW / 105 PS )
  • 最大速度: 183 km/h
  • 巡航速度: 170 km/h
  • 最高到達高度: 3,000 m
  • 航続距離: 650 km

脚注

  1. ^ 野沢正『日本航空機総集 輸入機篇』出版協同社、1972年、154 - 156頁。全国書誌番号:69021786 
  2. ^ 小谷修一 (2023年2月16日). “小谷式ユングマンの挑戦”. WEB版「航空と文化」. 日本航空協会. 2024年4月4日閲覧。

関連項目