2024年オーストラリアグランプリ(英: 2024 Australian Grand Prix)は、2024年のF1世界選手権第3戦として、2024年3月24日にアルバート・パーク・サーキットで開催された。
正式名称は「Formula 1 Rolex Australian Grand Prix 2024」[1]。
背景
- タイヤ
- ピレリが持ち込んだドライ用タイヤのコンパウンドはハード(白):C3、ミディアム(黄):C4、ソフト(赤):C5で、前年より1段階ソフト寄りの組み合わせとなった[2][3]。
ピレリタイヤの組み合わせ
ドライ用
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ウェット用
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C3
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C4
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C5
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インターミディエイト
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フルウェット
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(ハード)
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(ミディアム)
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(ソフト)
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(小雨用)
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(大雨用)
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- DRS:4箇所[4]
※( )内は検知ポイント
- DRS1:マーシャルライトNo.11より130m先から(ターン6から40m先)
- DRS2:ターン10より100m先から(DRS1と同様)
- DRS3:ターン14より30m先から(ターン13より90m手前)
- DRS4:ターン2より30m先から(DRS3と同様)
エントリー
虫垂炎の手術により前戦サウジアラビアGPを欠場したカルロス・サインツが復帰した[5]。ローガン・サージェントは後述の事情によりFP3以降を欠場する。
エントリーリスト
- 追記
- ^1 - サージェントはFP3以降、マシンをアルボンに譲り欠場[7]
フリー走行
- FP1
- 2024年3月22日 12:30 AEDT(UTC+11) (特記のない出典: [5])
- 気温: 19 °C (66 °F) 路面温度: 37 °C (99 °F) 天候: 晴 路面状況: ドライ
- 残り20分を切ったところでアレクサンダー・アルボンがクラッシュし、マシンは大きく損傷した。この事故で10分ほど赤旗中断となった。トップタイムはランド・ノリスが記録し、6番手のセルジオ・ペレスまで0.08秒の僅差だった。
- FP2
- 2024年3月22日 16:00 AEDT(UTC+11) (特記のない出典: [8])
- 気温: 20 °C (68 °F) 路面温度: 37 °C (99 °F) 天候: 晴 路面状況: ドライ
- FP1でクラッシュしたアルボンはマシン修復が間に合わず不参加[9]。マックス・フェルスタッペンはFP1の終盤にフロアが損傷したことで開始20分まで参加できなかったが、2番手タイムを記録した。トップタイムはシャルル・ルクレールが記録した。
- FP3
- 2024年3月23日 12:30 AEDT(UTC+11) (特記のない出典: [10])
- 気温: 18 °C (64 °F) 路面温度: 26 °C (79 °F) 天候: 晴 路面状況: ドライ
- ウィリアムズはFP1でクラッシュしたアルボンのマシンの損傷が大きく、シャシーの現地での修理は不可能と判断し、かつスペアシャシーが無かったことから、ローガン・サージェントのシャシーをポイント獲得の可能性が高いアルボンに譲ることを決定[7]。これにより、サージェントはFP3以降のセッションを欠場する。
- サージェントを除く19台が参加し、ルクレールがFP2に続いてトップタイムを記録した。手術明けのカルロス・サインツもフェルスタッペンに続く3番手タイムを出し、本GPでのフェラーリ・SF-24の優位性を見せた。前日出遅れたメルセデス勢もルイス・ハミルトンが4番手、ジョージ・ラッセルが5番手のタイムを出し、トップのルクレールから4番手のハミルトンまでの差が僅か0.092秒と混戦の予選を期待させる内容となった。
各セッションの順位
予選
2024年3月23日 16:00 AEDT(UTC+11) (特記のない出典: [14])
気温: 19 °C (66 °F) 路面温度: 35 °C (95 °F) 天候: 晴 路面状況: ドライ
マックス・フェルスタッペンが開幕から3戦連続でポールポジションを獲得した。虫垂炎の手術から復帰したカルロス・サインツが2番手に続いたが、フェルスタッペンはサインツに0.270秒差を付ける圧倒的な速さだった。セルジオ・ペレスが3番手(ただしQ1でニコ・ヒュルケンベルグの走行を妨害したため3グリッド降格[15])、ランド・ノリスが4番手で、シャルル・ルクレールは最後のアタックで失敗しタイムを更新できず5番手に留まった。角田裕毅はQ2でルイス・ハミルトンを蹴落としてQ3に進出すると、Q3でもアストンマーティン勢を上回る8番手タイムをマークした。ホームグランプリのダニエル・リカルドはQ1でトラックリミット違反によりベストタイムが取り消されて敗退した。
予選結果
- 追記
決勝
2024年3月24日 15:00 AEDT(UTC+11) (特記のない出典: [22])
気温: 20 °C (68 °F) 路面温度: 39 °C (102 °F) 天候: 晴 路面状況: ドライ
カルロス・サインツが虫垂炎による手術からの復帰戦を勝利で飾り、チームメイトのシャルル・ルクレールとともにフェラーリが2022年バーレーングランプリ以来となる1-2フィニッシュを達成した[23]。フェラーリ勢に続いたのはマクラーレンの2台で、ランド・ノリスが3位表彰台を獲得し、ホームグランプリのオスカー・ピアストリが4位入賞を果たした。
一方、ポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペンは右リアブレーキのトラブルにより4周目にリタイアし、連続完走記録は43でストップした[24]。ルイス・ハミルトンもパワーユニットのトラブルで16周目にリタイアと、チャンピオン経験者2人が開始から間もなく姿を消す波乱が起きた。
レース終盤、ジョージ・ラッセルがフェルナンド・アロンソを追撃中にクラッシュを喫したが、スチュワードは7位でフィニッシュしたアロンソに対し「潜在的に危険」な走行を行ったと判断し、20秒加算のペナルティが科され8位へ降格。これにより、RBに初ポイントをもたらした角田裕毅は7位に繰り上がった[25]。
レース結果
- 追記
- ^FL - ファステストラップの1点を含む
- ^1 - アロンソはラッセルに対し潜在的に危険な走りをしたとして、レース後にドライブスルーペナルティ(なお、レース後の審議及び裁定であったことから、20秒のタイム加算として処理された)とペナルティポイント3点が科された(合計3点)[25][28]
- ^2 - ガスリーはピット出口のラインを跨いでコースに入ったため、レース後に5秒のタイムペナルティが科せられた[22][29]
- ^† - リタイアだが、90%以上の距離を走行したため規定により完走扱い
- 優勝者カルロス・サインツの平均速度[27]
- 228.316 km/h (141.869 mph)
- ファステストラップ[30]
- ラップリーダー[31]
- 太字は最多ラップリーダー
- 達成された主な記録
第3戦終了時点のランキング
- ドライバーズ・チャンピオンシップ
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- コンストラクターズ・チャンピオンシップ
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脚注
注釈
- ^ 広告規制に抵触するレースのため、「キック・ザウバーF1チーム」として参戦する。
出典