2020年ロシアグランプリ (2020ねんロシアグランプリ、英語: 2020 Russian Grand Prix) は、2020年のF1世界選手権第10戦として、2020年9月27日にソチ・オートドロームで開催された。
正式名称は「Formula 1 VTB Russian Grand Prix 2020」[1]。
背景
- タイヤ
- 本レースでピレリが持ち込むドライ用タイヤのコンパウンドはハード(白):C3、ミディアム(黄):C4、ソフト(赤):C5の柔らかい組み合わせ[2]。
- サーキット
- トラックリミット規則の厳格化を目指すFIAは、ターン2で4輪全てがコースをはみ出して走行したドライバーに対し、フリー走行及び予選においてはラップタイムが抹消され、決勝においては2回で黒白旗[注 1]を掲示し、それ以上の場合はスチュワードに報告される。また、フリー走行及び予選においてドライバーが前方にスペースを空けるために著しく減速するのを防止する目的で、ターン12と13で極端な減速をしてはならないと全ドライバーに通告した[3]。
- 本レースで達成する可能性がある記録
エントリー
レギュラードライバーは前戦トスカーナGPから変更なし。FP1のみ走行するドライバーはなし。
エントリーリスト
- 追記
- タイヤは全車ピレリ
- パワーユニットのエンジン(ICE)は全車1.6L V6ターボ
フリー走行
予選
2020年9月26日 15:00 MSK(UTC+3)
- 気温26度、路面温度34度、ドライコンディション[7]
ルイス・ハミルトンが5戦連続で今季8度目のポールポジションを獲得した。Q3で2番手のマックス・フェルスタッペンと3番手でチームメイトのバルテリ・ボッタスに0.5秒以上の大差を付ける圧巻な走りを見せたが、Q2では1回目のアタックでトラックリミット違反を犯してタイムが抹消され、2回目にミディアムタイヤでアタック中にセバスチャン・ベッテルがクラッシュし、残り2分15秒のところで赤旗中断となったためQ2敗退の危機が差し迫った。再開後にソフトタイヤで残り0秒というギリギリのタイミングでスタートラインを通過し、何とかQ3に進出することができたが、決勝に向けてのタイヤ戦略に影響を残した[8][注 2]。一方、メルセデス勢に割って入ったフェルスタッペンはQ2をミディアムタイヤで通過し、Q3でボッタスを上回ってフロントローを獲得した[9][注 2]。なおフェルスタッペンはこのラップの前半、前を走っていたボッタスのスリップストリームを利用して加速できた。一説ではP2だったボッタスが決勝のスタートでより有利なP3を得るために故意にフェルスタッペンの前を走っていたとも言われている。この説に関してボッタスはNetflixのインタービューで「故意かどうかを知っているのは僕だけだ」と応えている。[10]ロシアグランプリのコースはスタートから約1kmがほぼストレートでスリップストリームが利用できないP2に比べてポールポジションのスリップストリームを利用できるP3の方がオーバーテイクできる可能性が高い。
予選結果
- 追記
決勝
2020年9月27日 14:10 MSK(UTC+3)
バルテリ・ボッタス(メルセデス)が開幕戦オーストリアGP以来となる2勝目。2位には3戦ぶりの完走を果たしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が入った。一方でルイス・ハミルトン(メルセデス)は2回の5秒加算ペナルティを受けた影響で3位で終わり、ミハエル・シューマッハの歴代最多勝記録に並ぶのは次戦以降にお預けとなった。また、2点のペナルティポイント加算処分により1年間の累計ペナルティポイントが10点となってしまい、1レース出場停止の可能性があったが、レース後にチームからの指示であることが判明したため、ハミルトンへのペナルティポイントは取り消され、メルセデスに25000ユーロ(約300万円)の罰金が科されることになった[16]。
展開
レース結果
- 追記
- ^FL - ファステストラップの1点を含む
- ^1 - ハミルトンはレコノサンスラップにおいて規定外の場所でスタート練習を2回行ったため、5秒ペナルティ及びペナルティポイント1点が2回科せられたが、レース後にチームからの指示であることが判明したためペナルティポイント2点は取り消され、メルセデスに罰金が科された(5秒ペナルティ2回はピットインで消化)[19][20][21][22][23][16]
- ^2 - リカルドはターン2でショートカットしてコースに復帰したため5秒ペナルティとペナルティポイント1点(合計3点)が科されたが、ピットインでペナルティを消化しなかったため、レースタイムに5秒加算された[24][21]
- ^3 - アルボンはターン2でショートカットしてコースに復帰したため5秒ペナルティとペナルティポイント1点(合計5点)が科されたが、ピットインでペナルティを消化しなかったため、レースタイムに5秒加算された[25][21]
- 優勝者バルテリ・ボッタスの平均速度[18]
- 197.697 km/h (122.843 mph)
- ファステストラップ[26]
- ラップリーダー[27]
- 太字は最多ラップリーダー
第10戦終了時点のランキング
- ドライバーズ・チャンピオンシップ
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- コンストラクターズ・チャンピオンシップ
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- 注:ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。
脚注
注釈
- ^ サッカーにおけるイエローカードと同じ警告を示す。
- ^ a b Q3に進出したドライバーは、Q2でベストタイムを出したタイヤで決勝をスタートするため。
出典